2019.01.12
美しき女性たちをインテリアに。ピレリカレンダーの魅力
年末年始にはカレンダーが挨拶代わりに手渡されたりするでしょう。そんななかでも貰ってうれしいのは、きっとこんなカレンダーなのでは? 世界中で愛されるピレリカレンダーの最新版を見ながら、その魅力をお伝えします。
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文/小川フミオ
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そんなカレンダー文化は西欧に端を発する。そこから生まれたのが、イタリアのピレリが発表するカレンダーである。毎年、女性の”美”をテーマに一流の写真家が手がけた作品で構成されているのだ。
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ワトソン氏の名前は知らなくても、写真はおそらくどこかで必ず目にしているはずだ。海外のファッション誌の表紙や、ファッションブランドの広告、アーティストのポートレートなど、1970年にスタートしたキャリアを通じて数多くの名作品を残してきたからだ。
今回のカレンダーのタイトルは「Dreaming」という。ハディッドたちが”ここではないどこか”を夢見ているのが設定となっている。
「ただし逃避ではなく、あらまほしき明日を考えること。それをドリーミングという言葉で表現しました」。私が招かれたミラノでの記者会見の席上で、ワトソン氏はそう語った。
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昨今ではそれも変わった。2016年版はアニー・リーボビッツがキャスリーン・ケネディやオノ・ヨーコら各界で活躍する女性を撮影。17年版はピーター・リンドバーグによるルーニー・マーラやニコル・キッドマンの表情を白黒でとらえたもの、そして18年度はティム・ウォーカーがオールブラックキャストで「不思議の国のアリス」の世界を作り上げた。
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バレエダンサーのコープランドの設定は、「成功しようとがんばる女性」(ワトソン氏)だそうだ。カレンダーではやはり米国で成功している男性バレエダンサーのカルビン・ロイヤル三世が共演し、ふたりで彼女の夢をかなえるべく努力する姿が表現されている。
ちなみに、ジジ・ハディッドの場合はニューヨークの高層ビルで暮らす恋に破れた女というものだ。ファッションデザイナーのアレクサンダー・ワンが登場し、彼女が唯一心を許せる相手として孤独を分かち合う姿が描かれる。
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最後のひとりはフランスの女優、レティシア・カスタだ。画家として成功のために研鑽を積んでいる様子が表現される。いっしょに登場するのはウクライナ出身の元バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニンで、彼の役どころはやはり成功を求めるダンサーなのだ。
「自分にしか出来ない世界を表現しようと努力しました」。ワトソン氏はそう言うだけあって、舞台装置、小物、照明などに並々ならぬ注意を払ったそうだ。
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世界的な成功を収める写真家の言葉には説得力がある。写真でなくても、どんな世界で働くひとにとっても、おおいに参考になるのではないだろうか。
● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。