その意匠に込められたアウディの思いとは?
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コンパクトなハッチバックの使い勝手のよさを重要視していて、かつ、おとなが乗るのにふさわしいクオリティ感も欲しい、というひとには、体験してみることを勧めたい。
そもそも、スポーツクワトロとは、アウディが世界ラリー選手権のために開発したモデル(1983年−84年)。このクルマの活躍に胸をときめかしたというクルマ好きもいるのでは?
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はっきり言ってしまうと、機能的な意味はまったくないけれど、ファッションのアイコンみたいなものである。この部分に込めたアウディのデザイナーの思い入れをおぼえておいて、同乗者に説明してあげるといいだろう。
アウディは1980年代にクワトロというスポーツ走行のための4輪駆動技術で、モータースポーツシーンを席巻。それを民間におろしたのが、クワトロだった。スポーツクワトロはいちおうラリーの出場権を得るために200台生産されて販売されたことになっているけれど、市場にはまず出回っていない。
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日本で乗ったA1は、「A1 35 TFSI」と名づけられていて、110kW(150ps)の最高出力と250Nmの最大トルクを発生する1497ccエンジンに前輪駆動の組合せだ。従来の1.4リッターに代わる新エンジンである。
ボディサイズは、全長4040ミリ(S-lineは4045ミリ)、全幅1740ミリ、全高1435ミリ、ホイールベースは2560ミリ。とりわけホイールベースは先代A1より95ミリ延長されている。それにより居住性が向上しているのだ。
激戦のコンパクト市場ではどんな存在?
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街中ではDレンジに入れっぱなしで充分な走りだけれど、山道ではマニュアルでシフトすることを勧めたい。さらにこのクルマの実力ぶりを堪能できるだろう。
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それで問題が起きることはなく、コーナーの頂点をすぎることからアクセルペダルを踏み込んでいけば、1.5リッターエンジンは気持よい加速感を味わわせてくれる。
グリップの感触が気持いいスポーツステアリングホイールはたしかな感覚を手のひらに伝えてくれる。路面の状況がはっきりわかるので、クルマとドライバーの一体感もそれなりに感じられるのだ。
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ハンドリングにすぐれるメルセデス・ベンツAクラスや、目がさめるようなスポーティさを備えたBMW1シリーズが、ほぼ同じタイミングでフルモデルチェンジ。欧州のプレミアムハッチバックの市場が活性化してきた。アウディA1の魅力のひとつは、作りのいい室内だ。
さきに触れたステアリングホイールをはじめ、シフトノブやスイッチ類など、手が触れるところは、感触も操作感もたいへんよく考えられている。かつTFT液晶を2つ採用して、インフォテイメントなどの操作も指先で出来るシステムも目をひく。
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A1 35 TFSIの価格は「Advanced」が365万円、スポーティな内外装をそなえた「S-line」が391万円だ。主張のあるデザインが、クルマ好きのおとなには向いていると思う。
パインイエローメタリックにブラックルーフという塗り分けの車体色もある
写真は17インチホイール装着の「S-line」
機能的で居心地のいいドライバーズシート
シートはファブリックで座り心地がよい
後席はおとな2人がちゃんと座っていられる
インフォテイメント用モニターの下にはエアコンのコントローラーが備わって機能的
ノーズ部分の3連スロットが新型A1の特徴
車体色のバリエーションが多いのもよい
パインイエローメタリックにブラックルーフという塗り分けの車体色もある
写真は17インチホイール装着の「S-line」
機能的で居心地のいいドライバーズシート
シートはファブリックで座り心地がよい
後席はおとな2人がちゃんと座っていられる
インフォテイメント用モニターの下にはエアコンのコントローラーが備わって機能的
ノーズ部分の3連スロットが新型A1の特徴
車体色のバリエーションが多いのもよい
● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。