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2024.11.09

マクラーレンのすべてが注ぎ込まれた新型「W1」とは、どんなクルマなのか?

1974年の10月6日、マクラーレンがF1で初のコンストラクターズ選手権を獲得した年、発表されたW1。その新型には、マクラーレンの最高がすべて詰まっていました。その全貌を紐解きます!

CREDIT :

文/小川フミオ 写真/マクラーレン

新型W1は0-100kmが2.7秒!?

オヤジさんが若かりし頃、ジェントルマン・ドライバーが憧れの存在でした。ふところがあったかで、レース好き。スティーブ・マックイーンとか、「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンをいまもクールと思うオヤジさんに、ぜひこれを、とお勧めしたいのがマクラーレンの新型「W1」です。
マクラーレン W1 ボンネットには何個所も空気を逃がす孔が開けられているのも本格的。
▲ ボンネットには何個所も空気を逃がす孔が開けられているのも本格的。
炭素素材を使った「マクラーレン・エアロセル」なるレースカーなみに高価なモノコック構造のシャシーをもつW1。 4リッターV8(683kW)に、まるでF1のように、瞬発的なパワーのためのモーターとコントロールユニットを一体化したEモジュール(255kW)の組み合わせ。
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トータル出力は1275ps(938kW)、最大トルクは1340Nm。Eモジュールによって、静止から時速100kmまでを2.7秒で加速できます。時速200kmまでも5.8秒。

F1から応用したというフロントサスペンションが、「エアロセル」シャシーに直接取り付けられているという、超本格派。しかも、このエアロソルシャシーには、軽量化のためシートが一体化構造となっているのです。
マクラーレン W1 空気抵抗を減じ、車体の浮き上がりを防ぎ、エンジンベイに効果的に冷却気を取り入れるなど空気の流れでデザインされた車体。
▲ 空気抵抗を減じ、車体の浮き上がりを防ぎ、エンジンベイに効果的に冷却気を取り入れるなど空気の流れでデザインされた車体。
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通常はシートを動かしてドライビングポジションを調整しますが、W1ではちがいます。ペダルボックス(アクセルとブレーキ)と、ステアリング系が可動式。本格的なレースカーではありませんか。

W1ってネーミングも、マクラーレンのこだわりです。マクラーレンに詳しいオヤジさんなら先刻ご承知と思いますが、同社にはこれまで超がつくこだわりで作りあげた「1シリーズ」というスーパースポーツカーがあります。

F1(フォーミュラワン)設計者が開発に携わりルマン24時間レースでも優勝したスーパースポーツカー「F1」(1992年発表)と、驚異の高性能を誇ったハイブリッドスポーツカー「P1」(2013年)。これらのモデルが、これまでマクラーレンの評価を押し上げてきました。
マクラーレン W1 「アンヒドラルドア」と名付けられたガルウイングドア採用。
▲ 「アンヒドラルドア」と名付けられたガルウイングドア採用。
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すべてにマクラーレンの最高峰が込められている!?

今回のW1のネーミングの由来は「ワールド」とか「ウイン」のようです。マクラーレンの説明によると、さかのぼること50年前、1974年の10月6日に、F1で初のコンストラクターズ選手権を獲得しています。W1もこの日に発表されました。

クルマ好きのオヤジさんなら、このメーカーのこだわりは、超高性能に加え、自然界のものをモチーフにしたというオーガニックなボディデザインや、上に跳ね上がるディヒドラルドアなどであることは、先刻ご承知のとおり。

今回、W1では、ハサミのように開くディヒドラルドアでなく、ガルウイングドアを採用したのも、話題になっています。その理由としてマクラーレンでは、より高い空力効果を得るボディの造型が可能になることと、乗員の乗り降りが楽ちんになることを挙げています。彼女を乗せるのにも楽ちんと思ってもらえるはず 。
マクラーレン W1 「イノニット」(おそらくInnovation+Knit)なるユニークな素材が使われたインテリア。
▲ 「イノニット」(おそらくInnovation+Knit)なるユニークな素材が使われたインテリア。
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「アクティブエアロパーツ」なる先進技術もW1の自慢です。可動式アクティブ・フロントウイングに加え、注目は「マクラーレン・アクティブロングテール」。高速走行中の安定性をもたらすダウンフォースを生むため、リアウイングが必要に応じて、後方へ300mmも展開します。特許出願中だそうです。

サーキット走行も得意科目。 電子制御サスペンションシステムが、車高を調整してくれます。高速になると、フロントが37mm、リアが17mm下がって、さらに空気抵抗を低減。ハイスピードを生みます
マクラーレン W1 内外装の仕上げはほぼフルオーダー。
▲ 内外装の仕上げはほぼフルオーダー。
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彼女を楽しませるのも、もちろん重要。オーディオをはじめ、車内インフォテイメントの充実もマクラーレンが重視するポイントです。これまでのマクラーレン車を振り返ると、乗り心地の快適性や音楽を楽しめる室内の静粛性がしっかりありました。W1でも、彼女を誘ってゴルフ、なんていうのも大いにアリでしょう。

ひとつだけ、クルマ好きオヤジさんに悲しいニュースがあります。限定399台、価格は200万英ポンド(1英ポンド=195円として約3 億9000万円)のW1ですが、すでにすべての車両が売約済みだそうです。この先のモデルについては何も発表されていませんが、その日が来るのを待ちましょうか。
マクラーレン W1 マクラーレン・アクティブロングテールが展開中。
▲ マクラーレン・アクティブロングテールが展開中。
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マクラーレン W1 超高性能を目指しつつ審美性も追求したボディ。
▲ 超高性能を目指しつつ審美性も追求したボディ。

■ McLaren W1

全長×全幅×全高=4635×2074×1182mm
ホイールベース:2680mm
3988ccV型8気筒+Eモジュール 後輪駆動
最高出力:938kW(トータル)
最大トルク:1340Nm(トータル)
8段デュアルクラッチ変速機
価格:200万英ポンド

■ お問い合わせ
マクラーレン・オートモーティブ
HP/https://cars.mclaren.com

● 小川フミオ

クルマ雑誌、グルメ雑誌の編集長を経て、フリーランスのライフスタイルジャーナリストとして活躍中。新車の試乗記などクルマ関連を中心に、グルメ、ファッション(ときどき)、他分野のプロダクト、人物インタビューなどさまざまなジャンルの記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。

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