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2020.11.04

トヨタ『MIRAI』は「空気をきれいに」がドライブデートの誘い文句

あのコをドライブデートに誘う時、何て言います? 美味しいモノ、景色、いろいろありますよね。そこにあって、トヨタ「MIRAI」では「未来の地球のために空気をきれいにしに行かない?」とオドロクことが言えるんです。

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文/小川フミオ、近藤高史(LEON)

ハイブリッドにせよ、電気自動車にせよ、空気を汚さないようなクルマは数あれど“クルマが空気をきれいにする”ってどういうこと── ? 驚いた人もいるかもしれません。でも、まもなく登場予定の新型MIRAIのプロトタイプには、空気清浄機能がついているんです。電気自動車は排ガスを出さないのでゼロエミッションと言われます。対してこちらはマイナスエミッション! 
▲ ボディプロポーションは伝統的でありつつ質感が高く、開発陣がこだわっただけあって運動性能には目を見張るものがある。
MIRAIという名前くらいは聞いたことのある方も多いでしょう。電気自動車ではありますが、バッテリー駆動でなく、燃料はH、つまり水素。タンクに入れた水素を酸素と合わせて化学変化を起こし、そこから電気を取り出し、モーターを動かして駆動する仕組みです。その化学変化を起こす際に、新型MIRAIでは外から吸い込んだ酸素を特殊なフィルターを通すことで、汚染物質を除去してクルマの外に出す清浄機能がついている、というわけです。
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家電に詳しい方なら、最近の掃除機に装備されているHEPA(ヘパ=High Efficiency Particulate Air)フィルターを思い起こしていただければよろしいかと。粒径が0.3マイクロミクロンの粒子を99.97パーセント以上の捕集率でつかまえてしまう。掃除の後のほうが部屋の空気がきれいになっているっていう、アレのこと。

新型MIRAIは、エアクリーナーエレメントでPM2.5レベルの微粒子を捕捉してくれます。同時にケミカルフィルターでもって、有害な化学物質を除去するとともに、PM2.5の発生を抑制してくれるんですね。つまり、ドライブに出かけて、空気を多く吸い込めばそれだけ周囲の空気をきれいにしてくれちゃう。しかもそれが、12.3インチ液晶モニターの「エアピュリフィケーションメーター」で、空気清浄度を視覚的にチェックできますから、助手席に座るあのコも一緒に、目で見て実感することができるのです。
▲ エアピュリファイナーメーターによって走行中にどれだけ”きれいな”空気を出したかが、簡単にわかる。
ドライブの楽しさは、絶対的です。景色を眺め、音楽を聴き、会話をする。この時、ふたりで地球の空気もきれいにしているんだ、と思えたら……。自然を楽しむグリーンツーリズムというのがありますが、グリーンドライブの究極が、このMIRAIでのドライブではないでしょうか。

ところで新型MIRAIは、現行モデルと180度ガラリと変わりました。現行型はモーターをフロントに搭載して前輪を駆動します。それに対して新型は、前後のバランスを重視し、モーターをリアに搭載しての後輪駆動。リアモーター、リアドライブのメカニカルレイアウト採用です。
「走り・美しさなどクルマの本質で勝負できる」クルマを作りたかった、と開発を総指揮したトヨタ自動車のチーフエンジニア、田中義和さんは、そう語ってくれました。

実際にドライビングしてみると、その走りはかなりのもの。134kWの定格出力と300Nmのトルキーなモーターのおかげで、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、どんっという感じで車体が押しだされます。

駆動用バッテリーも備えていて、発進時や、上記のような急加速時はバッテリーが手助けします。通常走行は燃料電池で、加速時は燃料電池とバッテリーを併用します。このあたり、ハイブリッドなわけです。減速時には回生エネルギーを使い駆動用バッテリーを充電するシステムです。
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▲ 水素タンクは現行の2つから3つへ。そのぶん、航続距離は850㎞まで伸びた。
新型MIRAIは、水素タンクを3本にして、置き場所を入念に検討した、と田中さんは言います。目的は、前後50対50という、走りのために理想的な重量配分の実現です。シャシーの剛性、サスペンションシステムやステアリングシステムの設定、前後のトレッドやタイヤの角度の微妙な調整など、出来の良さをドライビングが教えてくれます。

ステアリングホイールを握っていると、燃料電池車という特別なクルマを運転していることは忘れちゃうほど。ドライバーとの一体感のあるフツウにいいクルマをドライブしている感覚。そこがある意味、特別です。
航続距離は850キロというので、東京や大阪を出発して近隣県へゴルフや温泉旅行なんて余裕で可能。東京と京都間往復、なんて贅沢なドライブだってできちゃいます。オマケに車内は本当に静かですから、大人なドライブが楽しめるのです。

ボディタイプはファストバック。現行型と比較すると、ホイールベースは140ミリ伸びて2920ミリと余裕ある長さに。ボディ全長はプラス85ミリで4975ミリに。いっぽう全高は65ミリ低くなって1470ミリです。
MIRAIは、電気を作ってモーターを駆動して走るので、広い意味では電気自動車ともいえます。バッテリー型の電気自動車とちがい、水素スタンドで水素を(ガソリンのように)充填するため、長時間の充電がいらないのが特徴です。

新型MIRAIの発売は、2020年中だとトヨタ自動車は言います。余裕あるサイズで、見た目の質感も高い、まさに未来のクルマ、MIRAI。これで地球に優しい、空気のきれいなドライブをするのを楽しみにしようではありませんか。

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