今回、試乗したクルマはインテリアも、黒と白。黒と白だけで“カラフルな世界”が作りあげられていて、この手腕は、さすがベントレーと言うしかないでしょう。助手席に誰かを招くにしても、ほかに類のない“おもてなし”空間と化してくれるのです。
こだわりは見た目だけではありません。聞けば、ベントレーの縫製チーム(120人いるそう!)が1台分のシートと内装のステッチを仕上げるのに要する時間は約7時間。およそ30万針も縫うんだとか!
そんなベントレーが名づけるところの「ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド」が、シート表皮とドアの内張に施されています。「ダイヤモンド」と呼ばれる菱形のなかに、もうひとつ小さめの菱形が入ったデザインのことで、ひとつのダイヤモンドは専用のミシンで712針縫います。このためだけに作られたミシンで、ステッチを入れていくのです。
縮むことを考慮して裁断し、さらに丸みまでもたせちゃう。背景を知らない私たちは、ただ触って気持ちが良いなどと感想を述べるにとどまるのですが、実はコレ、たいへんな技術。この丸みを英国人が好きなスポーツにちなんで、ベントレーでは「クリケットボール」と呼んでいます。
ローレット加工とは表面にギザギザをつけるもの。もちろん、滑り防止という機能的な働きをしつつ、傍から見て、その輝きが美しい。ベントレーのインテリアデザイナーは、これらの操作類とダッシュボードと、シートと、ドアの内張とが常に調和するように配色も考えぬいてるというから驚きです。
それでいて3代目はパワーアップ。3996ccV型8気筒は404kW(550ps)の最高出力と、770Nmという大トルクを発生します。V型エンジンの谷間にはツインスクロールタイプのターボチャージャーが据えつけられ、例えば静止から時速100キロまでの加速にわずか4.0秒しかかからないという性能ぶり。
価格は2498万1000円~。オプションは豊富で、望めば内外装のカスタマイズも可能。まさに高級テーラーによるスーツとか、一流の建築家によるリビングルームのように、ぴったりと自分にフィットする一台を手に入れることができるでしょう。
ベントレー コンチネンタルGT
【Car Specs】
全長×全幅×全高:4880×1965×1405㎜
車重:2230㎏
エンジン:4.0リッター V8気筒ツインターボ
最高出力:404kW(505ps)/5750-6000rpm
最大トルク:770Nm/2000-4500rpm
問い合わせ:ベントレーモーターズジャパン
HP/https://www.bentleymotors.jp