STOはイタリア語で「Super Torofeo Homologate」の頭文字。『スーパー・トロフェオ』はランボルギーニのレース部門であるスクアドラ・コルセがウラカンを用いて各国で開催しているワンメイクレースのこと。“Homologate”は英語のホモロゲーション、つまり『認証』の意味で、したがってSTOとは“公道を走行可能なスーパー・トロフェオ・モデル”の意味と理解できる。
ちなみに、GT3仕様のウラカン GT3 EVOはあのデイトナ24時間レースのGT3カテゴリーで3連覇を達成しており、こうした活動を通じて得られたノウハウもウラカンSTOには注ぎ込まれている。わかりやすく言えば“サーキットを飛び出したウラカンのレーシングモデル”といったところだろう。
エンジンは自然吸気の超高回転型V10 5.2リッター・エンジンを搭載。実に8000rpm!で640psもの刺激的なパワーを絞り出す。さらにボディパネルの75%以上をカーボンコンポジット製とすることで、ウラカン・ペルフォルマンテより43kgも軽量な1339kgという乾燥重量を達成。
この結果、パワーウェイトレシオは2.09kg/psとなり、最高速度:310km/h、0-100㎞/h加速:3.0秒、0-200km/h加速:9.0秒という驚きのパフォーマンスを実現している。ちなみにドアは“ひも”を引っ張って閉めるという軽量化の徹底ぶりだ。なお、ウラカンSTOのギアボックスは7速DCTで、駆動方式はRWDとなっている。
もっとも印象的なのは中央部分が手動で調整可能なリアウィングで、車体の空力バランスを13%調整できるという。このほか、フロントボンネット、フェンダー、フロントバンパーなどを一体成型したコファンゴを採用。これはレース中にアクシデントなどが起きた場合に素早く作業が行えるようにするための工夫で、あわせて空力特性の改善や軽量化にも貢献する。これ以外にもNACAダクト付きリアフェンダー、エアスクープ付きのエンジンボンネット、シャークフィンとモータースポーツの雰囲気を盛り上げる空力デバイスが多数採用されている。
イタリア語で“魂”を意味するANIMAは、ウラカン専用に開発されたドライビングモード切り替え装置のこと。通常のウラカンではストラーダ、スポルト、コルサの3モードが用意されているが、ウラカンSTOではこれをSTO、トロフェオ、ピオッジア(イタリア語で『雨』の意味)に変更。スポーティな走りを中心に、サーキット走行にも対応する設定に改めた。
ブレーキはブレンボと共同開発したCCM-Rを採用。これはF1の技術をベースに開発されたブレーキシステムで、通常のカーボンセラミックブレーキに比べて熱伝導率は4倍、ストレス耐性は60%、最大制動力は25%、減速性能は7%向上しており、ダイナミックな走りにも余裕をもって応える性能を備えている。
発売されれば、おそらく、公道を走る史上最強のランボルギーニの誕生となるはず。気になるウラカンSTOのお値段は3750万円。デリバリーの開始は2021年春以降の予定だ。
ランボルギーニ ウラカン STO
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