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前日の公式予選で手に入れたスターティンググリッドは3列目の5番手。LEONレーシングよりもランキングは低いながらも、チャンピオン争いを繰り広げるライバルがフロントロウを獲得したのは気になるが、自分たちは自分たちのレースを戦うのみ。すぐ後ろにはランキング3位、そしてトップのチームも控えている。緊張感あるポジションから、LEONレーシングは優勝だけを目指して決勝レースのスタートを迎えた。スタートドライバーは菅波冬悟選手だ。
耐久性を重視した硬めのタイヤを履いていたせいか、菅波選手はスタート直後のペースが伸び悩み、オープニングラップを終えた段階で6番手、3周目を走りきったところで7番手と後退してしまう。けれども、この頃からタイヤのウォームアップが完了したのか、ライバルと互角かそれを上回るラップタイムで挽回を図っていく。
そして17周目には5番手に復帰すると、19周目を走り終えたところでピットイン。蒲生尚弥選手への交代と給油を行った65号車LEONレーシングは、再びコースへと復帰する。タイヤは交換せず、スタート時に装着していたものでフィニッシュまで走りきる「タイヤ無交換」で秒を削りだし、追い上げに一段と弾みをつける作戦だ。
続く20周目を20番手で走りきったLEONレーシングは、先行するチームがピットストップを行うたびに順位を上げていき、25周目には10番手、30周目には6番手へと浮上。そして上位陣がすべてピットストップを終えた39周目には2番手へと順位を上げていた!
この時、ランキングトップのライバル56号車の日産GT-Rは4番手。仮にこのままの順位でフィニッシュすれば、LEONレーシングは通算66ポイントを獲得してライバルを逆転し、タイトルを勝ち取れる計算だった。
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最終的にはこの順位のままチェッカードフラッグを受け、このレースを2位で終えたライバルチームが通算71ポイントを手に入れてタイトルを獲得。LEONレーシングの蒲生選手と菅波選手は通算ポイントを59に伸ばしたものの、最終戦で優勝した52号車のトヨタ・スープラを擁するチームにも逆転され、2020年シリーズのチャンピオンシップを3位で終えることになった。
レース後、黒澤治樹監督は次のように語った。
「今日のレースに限っていえば、僕たちはミスなく戦うことができましたが、1年を通してみれば力及ばずでタイトルには手が届きませんでした。シーズンを振り返ってみると、細かいミスを1回か2回くらいしていて、これが響いてタイトルを勝ち取れなかった。ドライバーもチームもマシンのセットアップも、すべての面でミスをしない戦い方をしないとやはりチャンピオンになれない。そのことが、はっきりとしたシーズンでした」
いっぽうで、今シーズンも最後の最後までチャンピオン争いを演じる健闘を示した。このことは、LEONレーシングがトップクラスの戦闘力をもつ何よりの証明といえる。
「毎年毎年、チャンピオン争いができる体制を用意していただいていることには本当に感謝していますが、それだけに結果を出したいという気持ちが強いです。来年こそは、自分たちにできることをひとつまたひとつ積み上げて、最後に笑えるシーズンにしたいですね」
黒澤監督の目は、早くも来シーズンのことを見据えていた──。