2002年から2008年までマラネロでシニアプロダクトマネージャーを務めていたパストレッリ社長にとっても、カリフォルニアはまさに自らの手で生み出したモデルであり、とりわけ思い入れが強いという。
さてポルトフィーノMの最大の注目点は、そのギアボックスにある。従来の7速デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)に変えて搭載されたのは、同じDCTでも8速に進化したタイプ。F1マシンのギアボックスによく似たレイアウトを採用してクラッチモジュールの20%小型化を実現し、低重心化や軽量化にも貢献したとされるこのギアボックスは、当初SF90ストラダーレに搭載されてデビューしたもの。
排気量3.9リッターのV8ターボエンジンはカムプロファイルを見直すなどして従来型を20ps上回る620psを発揮。これにより0-100km/h加速タイムは3.5秒から3.45秒へとわずかながら短縮された。最高速度は引き続き320km/h以上と発表されている。
ポルトフィーノのデビューから3年強で新型が登場した格好だが、これは市販化が整った最新技術をいち早く投入することで最高のパフォーマンスを維持しようとする、フェラーリのストラテジーに基づくもの。ちなみにポルトフィーノはデビュー当初、発表から最短で1年弱、最長でも1年半ほどでデリバリーされた模様だ。
ポルトフィーノM
全長×全幅×全高:4594mm×1938mm×1318mm
車重:1545kg(軽量オプション装着車)
エンジン:3.9ℓリッター V型8気筒DOHCターボ
最高出力:620ps(456kW)/5750-7500pm
最大トルク:760Nm/3000-5750rpm
価格:2737万円(税込)/フェラーリ(フェラーリ・ジャパン)
HP/www.ferrari.com/ja-JP