
2L水平対向エンジン×4WD、ザ・スバルなその魅力とは?
「圧倒的なスポーツ性能と4ドアセダンの実用性を兼ね備えた個性的なスポーツセダン」。スバルがWRX STIを定義した言葉だ。つまり、スポーツカーなみに楽しいが、荷物もひとも積める、ということなのだ。
最新のWRX STI は2017年5月に大幅改良を受けている。主眼は走りの性能向上。具体的な内容は、電子制御マルチモードDCCD、ブレンボ製18インチベンチレーテッドディスクブレーキ、タイヤ、あらゆるところで性能向上が目指されている。
スバルはそもそも通好みのブランドだったが、昨今、女子のあいだで株が急上昇している。センスのいいスタイリングと先進的安全装備の充実ぶりゆえだ。

マツダ・ロードスターでもいいし、ポルシェ911でもいい。でもスポーツカーの楽しさを知っているなら、いちどWRX STIに乗ってみることをお勧めしたい。
クルマの成り立ちは、2リッター水平対向エンジンにAWD(総輪駆動)とスバルが呼ぶ4WDシステムの組み合わせ。ようするにザ・スバルである。
最高出力は227kW(308ps)で最大トルクは422Nmと力強い。最大トルクは4400rpmと比較的高い回転域で発生するのは、回して楽しむエンジンだ。
WRXという車種にはS4というモデルもある。S4の変速機は無段変速機。STIは6段マニュアルだ。水平対向エンジンもS4は新世代の直噴ターボであるのに対してSTIは熟成を重ねた従来のターボユニットを使う。

スバルの位置づけではオンロードとスポーツ性ともに追究したのがWRXで、STIはBRZもS4も抑えてトップに君臨している。 ま、むずかしいことはともかく、乗るとびっくりするのである。

スポーツするなら6段マニュアルがやっぱり楽しい!
2017年に改良を受けたモデルは、ひとことで言って楽しい。ひとつには6段マニュアル変速機の採用。
エンジン回転はなめらかで、2速、3速と自分でギアチェンジして加速していくときの楽しさは格別だ。
最近の2ペダル変速機の隆盛を受けて最大トルクを2000rpm以下から発生させるエンジンが主流になった感がある。
WRX STIはそれに対して、最大トルクが4000rpmで得られる設定。あくまで自分でギアを選んでエンジンを回して楽しむ高回転派なのだ。

さきに触れたDCCDも最新型の走りのよさに大きく貢献している。従来は前後へのトルク配分に電磁式LSD(電磁ソレノイド)とリニアな制御が可能ということで機械式LSDが組み合わされていた。
新型はそれが大きく変更されて完全に電子制御式となった。理由としてスバルの技術者は「駆動力を最適に制御することでコーナリング中に外にふくらむアンダーステアを防ぎ、ドライバーの思いどおりにすなおに曲がれるハンドリングを実現しました」と話してくれた。
はたして新型はものすごく反応がよく、ほんとうに思いどおりに動いてくれるかんじだ。サスペンションシステムも同じ方向で改良を施されたというだけあって、ステアリングホイール(ハンドル)を切るとすっとノーズが内側を向いていく感覚はよく出来たスポーツカーそのもの。
操縦性をさらに極上としてくれるのは、改良されたブレーキだ。ちょっと専門的に書くと、従来は2ピース対向4ポットだったものが、今回は剛性が高いモノブロック対向6ポットとなった。
メリットはすばらしいブレーキの効き心地だ。耐フェード性といって繰り返しブレーキングしても熱を持ちにくい特性も向上したといういっぽう、踏み始めから効きのフィールが気持ちよく、少しだけ踏んでも的確に制動をかけて車両は減速する。

価格は358万円から。ブートリッド上のリップスポイラー付きのタイプSは376万円。大型リアスポイラー付きは381万円(すべて税抜き)。ただしどれがもっとも女子ウケするかは、わかりません。
ボディサイズは全長4595ミリ、全幅1795ミリ、全高1205ミリと扱いやすい
WRXがとりわけ魅力的に見える角度
オプション設定されたレカロのスポーツシートは過度にタイトでないタイプ
レッドセイフティベルトはオプション
後席もちゃんと使えるのがWRXの魅力のひとつ
ホワイトのボディカラーも魅力的
ショートストロークの6段マニュアルギアボックス搭載はSTIのみ
前後のトルク配分をマニュアルで調整できる電子制御マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)
エアダムの面積が従来型より拡大している
ステアリングホイール連動ヘッドランプが標準装備
8000rpmからレッドゾーンという設定にヤル気が感じられる
ダッシュボード上のモニターにはターボチャージャーのブースト圧などを表示させることが出来る
ダークガンメタリックの専用ホイール装着
リップスポイラー付きのSTIタイプS
フロントブレーキはブレンボ製のモノブロック対向6ポット
新採用になったアドバンスポーツV105Sは初期の応答性の高さがセリングポイントのひとつ
大幅改良を受けたWRX STIは回頭性など運動性能の向上が最大の特徴
ボディサイズは全長4595ミリ、全幅1795ミリ、全高1205ミリと扱いやすい
WRXがとりわけ魅力的に見える角度
オプション設定されたレカロのスポーツシートは過度にタイトでないタイプ
レッドセイフティベルトはオプション
後席もちゃんと使えるのがWRXの魅力のひとつ
ホワイトのボディカラーも魅力的
ショートストロークの6段マニュアルギアボックス搭載はSTIのみ
前後のトルク配分をマニュアルで調整できる電子制御マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)
エアダムの面積が従来型より拡大している
ステアリングホイール連動ヘッドランプが標準装備
8000rpmからレッドゾーンという設定にヤル気が感じられる
ダッシュボード上のモニターにはターボチャージャーのブースト圧などを表示させることが出来る
ダークガンメタリックの専用ホイール装着
リップスポイラー付きのSTIタイプS
フロントブレーキはブレンボ製のモノブロック対向6ポット
新採用になったアドバンスポーツV105Sは初期の応答性の高さがセリングポイントのひとつ
大幅改良を受けたWRX STIは回頭性など運動性能の向上が最大の特徴
ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。