開幕戦で2位、第6戦の鈴鹿1000㎞レースでは1位など、順調にシリーズポイントを重ねたものの、前節の第7戦・タイラウンドでは優勝への焦りからピット作業で痛恨のミス。結果、13位でわずか3ポイントの上積みに終わり、トップと11ポイント差、3位で迎えた第8戦が11月11日・12日、栃木県のツインリンクもてぎサーキットで行われた。泣いても笑っても最終戦のこのレース、LEON RACINGはいかに戦ったか――。
そして始まった土曜日の予選。久々にQ1を走った黒沢治樹選手が、この季節にしては冷え込みの厳しいサーキットで、温まりにくいタイヤを選択したものの見事、5位でQ2進出を決める。これにはワケがあった。ここで使用するタイヤは決勝スタート時に使用しなければならないというルールがあるため、長持ちはするけど温まりにくい固めのタイヤを選ぶという勝負に出ていたのだ。
この勢いのままQ2では蒲生尚弥選手も渾身の走りで3位という結果を出し、翌日の決勝は3番グリッドからという好位置に。ただ……。この日、ポールポジションを決めたのは同じくメルセデスAMG GTを駆る4号車、初音ミクチームだったのだ。これにより4号車にはポールポジションポイント1点が入り、この時点で12点差の決勝スタートとなった。12点差をひっくり返すにはLEON1位で初音ミク4位以下、LEON2位で8位以下などという厳しい戦いを余儀なくされてしまった。
しかも、決勝でもタイヤの温まりが悪かったせいで、調子をあげていたスタートドライバーの黒澤選手といえどもさすがに厳しく、一気に6位まで順位を落としてしまうことに。だが、順位こそ下げたものの意地の走りを見せ、タイム差はそれほど開くことなく、17週で蒲生選手に交代。だが、黒澤選手。実に見事なドライビングをしていたのだ! それは蒲生選手を走りやすくするため、タイヤの摩耗を極力減らす走り方をしていたこと。これによりピットでは前輪2輪のみのタイヤ交換と給油のみにして、大幅にピット作業時間の短縮に貢献していたのだ。そのうえ前節ではミスをしてしまったピットクルーも意地の作業を見せ、さらに順位を上げて戦列へ。
これに見事にこたえた蒲生選手があれよあれよと順位を上げて残り2週で見事、トップチームをとらえて1位でフィニッシュ。やるべきことをやったものの、前節終了時点でシリーズ1位、今レース3位フィニッシュの4号車にはわずか2ポイント届かず、万事休す。シリーズ2位で今シーズンの全8戦を終了した。