
自動運転がもたらす4つのベネフィット
「自動運転の段階はレベル0〜5まであり、今日、導入しているのは、クルマは常に人が車両のシステムを監視する必要があるレベル2。新型アウディA8が搭載するレベル3になると、自動運転中の運転操作はクルマに任されます。システムは運転操作の引き継ぎをドライバーに要求できるので、そのボーダーラインをはっきりさせることが必要です。マン・マシン・インターフェイスという観点から、インジケーターの色や音響が有効なことが、2015年ごろからのテストドライブで分かりました」

「セドリックは今までとは異なるビジネスモデルとして開発されました。クルマは消費者が買う、所有するというものから、タクシーのように呼び出して人やもの輸送する、共有モビリティサービスという考え方です。
自動運転になっても、1台に一人のドライバーというコンセプトでは、交通の絶対量を下げて渋滞を減らすという状況は変わりません。セドリックは小型ですが、そのファミリーにはもっと大型で、乗り合いバスのようなものもあります。この考え方は、既存の各自動車メーカーが注視しています」

凱旋門のランナバウトで熟練ドライバーより上手な運転ができる
「こうした段階に、ステップ・バイ・ステップでいくのか、革新的に一足飛びにいくのか。カスタマーや技術的課題、世界の状況など複雑な要件があり、どちらが正しいというのではなく、並行して進むのだと考えています」
完全自動運転の技術レベルについては、「パリの凱旋門のランナバウトは、12本もの道路が流入する複雑な場所ですが、こうした場所でも熟練ドライバーより上手な運転ができるシステムです。それ以下なら市場に絶対出しません。数百万キロの走行データやシミュレーションによって、人よりもベターか、それが実現可能かを検証しています」と、ノイナー博士は言い切りました。

「私は商品の責任者ではないが、約束したものは必ず実現します。Eモビリティは弊社の全社的戦略です。EVに自動運転技術を組み合わせるのは当然です。開発コストについては、規模というフォルクスワーゲン・グループの強みが解決するでしょうし、IT系やサプライヤーなどと共同でスタートアップのソリューションを見つけ、コストは低くしたいと考えています」

自動運転社会における各ブランドの差別化について
「当初の自動運転のソリューションは、限定した地域のみに出す予定です。そのため、所有型とモビリティサービス型が混在します。ブランドにはそれぞれのDNAが引き継がれています。
例えばアウディはプレミアムブランドで、渋滞などでイライラしない快適なシステムを搭載します。ポルシェは素晴らしい加速性能をもっています。フォルクスワーゲン・グループ全体で基本の技術コンポーネントを適用しますが、それぞれのブランドに必要なものを再定義する必要があります。

自動運転時代の到来について、「フォルクスワーゲンは自動運転のトレンドを掴んでおり、改革を起こそうと思っています。弊社はクルマの製造業者から、モビリティサービスの会社への変革を目指しているのです」と語るノイナー博士。他のメーカーも含めて、自動車業界はどう進化していくのか。ますます興味は尽きないところでしょう。
フォルクスワーゲン・グループ自動運転研究部門責任者のヘルゲ・ノイナー博士
レベル3の自動運転技術を搭載したアウディ A8
フランクフルトモーターショー2017で発表された完全自動運転車「Sedric(セドリック)」
セドリックの車内には運転席が存在しない
フォルクスワーゲンが2020年にデビューさせる予定のEV「I.D.」
「I.D.」の派生モデルとして上海モーターショー2017でお披露目されたSUVの「I.D.Crozz」
フォルクスワーゲン・グループ自動運転研究部門責任者のヘルゲ・ノイナー博士
レベル3の自動運転技術を搭載したアウディ A8
フランクフルトモーターショー2017で発表された完全自動運転車「Sedric(セドリック)」
セドリックの車内には運転席が存在しない
フォルクスワーゲンが2020年にデビューさせる予定のEV「I.D.」
「I.D.」の派生モデルとして上海モーターショー2017でお披露目されたSUVの「I.D.Crozz」