人が乗っていないSクラスが駐車スペースから出てくる?!
「え、散歩? いいわよ。でも犬飼ってたっけ?」と向こうが言えばしめたもの。「うーん、まあね」と応えながら、おもむろにスマートフォンを取り出して「いま呼ぶから」と告げよう。
そこで出てくるのは犬ではない。メルセデス・ベンツSクラス。スマートフォンの画面操作に応じて、エンジン始動。つぎに美しくヘッドランプが灯る。
そして駐車スペースからクルマが出てくる。あれ? ひと乗っていないけど……。びっくりする彼女にスマートフォンを見せよう。
ドライバーが歩くとSクラスもついてくる
狭い駐車スペースからの出し入れも車外から行える。車両は周囲の状況を判断しながら、加速と減速とステアリングホイール操作を適切に行う。
狭い場所で降りるのはツラい。寒いときは彼女を待たせてもかわいそう。そういうときこそ、最初に車外に出て彼女の側のドアを開け、コートを着せかけてあげる。そしておもむろにスマートフォンで駐車、というわけなのだ。
最終的にドライバーと同様の運転操作をこなせるようになる
これまでの安全技術および運転支援技術は、組み合わせていけば、最終的にドライバーがするのと同様の運転操作をこなしていけるようになる。それが昨今の自動運転の考え方で、この「Mercedes me connect」はひとつの証明といえる。
自宅からナビゲーションシステムに目的地設定もできる「Mercedes me connect」
「Mercedes me connect」は機能が多い。僕は最初、半信半疑だったが、実際に試してみてハマった。S400がスマートフォンを持った自分についてくるのに驚かされる。
Sクラスのなかで唯一スタンダードホイールベース版があるS400
longというS560など全長が5255ミリ、ホイールベースが3165ミリあるのに対して、S400はそれぞれ5125ミリ、3025ミリに抑えられている。それでも十分広い。
ナチュラルなドライブフィールでパワーも充分
3リッターV6エンジンは270kW(367ps)の最高出力に500Nmの最大トルク。その数値から予想されるとおり、十分すぎるほど力がある。
それでいて足まわりは硬くなく、適度なやわらかさで、それがまことに気持ちがいい。僕が今回乗ったのは19インチのリム径を持つランフラットタイヤ装着車。
お勧めは18インチのノーマルタイヤ
ステアリングホイールの感覚も無理したところがなく、素直で、かつ確かで、路面の状況はきちんとわかるし、神経質なところはない。
S400にはあらゆるものがつまっている
日本ではあいにくSクラスというとV8モデルに人気が集中しているのだとか。でもちょっとコンパクトなボディに安全から高いドライバビリティまで、あらゆるものが詰まっているS400(1128万円)。彼女とふたりで乗るのにもぴったりな1台だと思うのだ。
「Mercedes me connect」リモートパーキングアシストを実演!
全長5125ミリ、全幅1900ミリ、全高1495ミリと余裕あるサイズ
270kW(367ps)の最高出力に500Nmを発生する2996ccV6エンジンに後輪駆動の組合せ
先行車を追従するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックと、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識しながらステアリング操作をアシストするアクティブステアリングアシスト搭載
ホールド性の高いバケットシート装備
メーター類とインフォテイメントシステムと12.3インチの大型TFT液晶モニターが2つ並べられている
ホイールベースは3035ミリもあるため後席の居心地もよい
先行車やひとなどを検知すると部分的に照射をカットするアダプティブ機能をそなえたヘッドランプ
ドライバーズカーはあくまでも4ライト(リアクオーターピラーにウィンドウを設けないスタイル)にこだわる
全長5125ミリ、全幅1900ミリ、全高1495ミリと余裕あるサイズ
270kW(367ps)の最高出力に500Nmを発生する2996ccV6エンジンに後輪駆動の組合せ
先行車を追従するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックと、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識しながらステアリング操作をアシストするアクティブステアリングアシスト搭載
ホールド性の高いバケットシート装備
メーター類とインフォテイメントシステムと12.3インチの大型TFT液晶モニターが2つ並べられている
ホイールベースは3035ミリもあるため後席の居心地もよい
先行車やひとなどを検知すると部分的に照射をカットするアダプティブ機能をそなえたヘッドランプ
ドライバーズカーはあくまでも4ライト(リアクオーターピラーにウィンドウを設けないスタイル)にこだわる
ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。