確かにその希少価値を金銭的価値に置き換えると我々としてはわかりやすくはあるのですが、世界には数々のクラシックカーショーがあり、それぞれに独自の視点・価値観をもってベスト・オブ・ショーと呼ばれる”最高の一台”が決定されます。
ならば。世界中で“最高の一台”はどれなのか。そんな無邪気で壮大、かつ困難な選択をしようというのがザ・ペニンシュラホテルズを運営する香港上海ホテルズ社ほか世界屈指の自動車専門家たちによって設立された『ザ・ペニンシュラ クラシックス ベスト オブ ザ ベスト アワード』(以下ベスト オブ ザ ベスト)です。
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
1936年製ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティック 写真/Cedric Canezza
例えば昨年秋に公開された映画『スクランブル』。クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドが主演しているという以上に、世界でも有数の高額かつ希少価値の高いクラシックカーが登場することで話題となった映画でした。この映画の冒頭シーンで、その後の物語のきっかけとなるのがこのブガッティなのです。もちろん映画で使用されているのは(いくつかのウェブサイトによると)本物から型取りをして映画用に作成されたものだそう。
さらに、ファッション好きの皆さんならば、あのラルフ・ローレン氏が世界有数のクラシックカー・コレクターであることはご存じでしょう。氏のコレクションの中でも随一の一台こそ、ブガッティ タイプ57SC クーペ・アトランティックなのです。しかもラルフローレン・ウォッチの代表モデルである「ラルフローレン オートモーティブ コレクション」はタイプ57SCにインスパイアされて誕生したモデル。ラルフ・ローレン氏にとって、いかにこのクルマが特別な一台であるかということの証左と言えるでしょう。
ちなみにラルフ・ローレン氏所有のタイプ57SCは2013年の『コンコルソ・デレガンツァ・ ヴィラ・デステ』のベスト・オブ・ショーに輝いていて、この時ばかりは普段あまり人前に姿を見せない氏自らが運転、授賞式にももちろん出席しています。
1939年製アルファロメオ8C 2900Bスパイダー
(アメリアアイランドコンクールデレガンス-アメリカ)
1951年製フェラーリ212エクスポートガブリオレbyヴィニャーレ
(グランツーリスモ・フェラーリカップ・キャバリーノ・クラシック-アメリカ)
1929年製メルセデス・ベンツSロードスター
(ペブルビーチコンクールデレガンス-アメリカ)
1957年製アルファロメオジュリエッタスプリントスペチアーレプロトティーポ
(コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ-イタリア)
1957年製フェラーリ250GTガブリオレグッドウッド
(グッドウッドフェスティバル・オブ・スピードカルティエ・スタイル・エ・リュクス・コンクール・デレガンス-イギリス)
1964年製ATS 2500GTSクーペbyアレマノ
(ザ・クエールモータースポーツギャザリング-アメリカ)
1933/35年製ランチアアストラエアロディナミカクーペ
(コンクール・オブ・エレガンス-イギリス) _
権利関係の都合で写真が掲載できないのが残念ですが、ともかく上記8大コンクールはそれぞれがそれぞれの特徴をもっていて、そこで選ばれたベスト・オブ・ショーを受賞した車両はそのどれもが珠玉の一台であり、何をもってこれらからたった一台を選出するかは相当に困難だったそう。
マイケル・オブ・ケント王子(HRH Prince Michael of Kent/イギリス王室成員で、ケント公ジョージとマリナ妃の次男でエリザベス2世の従弟。現在は王室自動車倶楽部会長)という王族の方、ヘンリーフォード3世(Henry Ford III/フォード創業者ヘンリーフォードの玄孫)、ファッション界からはラルフ・ローレン(Ralph Lauren)、イアン・カラム(Ian Callum/ジャガー社デザインディレクター)やフラビオ・マンツォーニ(Flavio Manzoni/フェラーリ社チーフデザイナー)、ゴードン・ワグナー(Gorden Wagener/メルセデス・ベンツ社兼ダイムラーAG社チーフデザイナー)らの現役デザイナー、ジャン・トッド(Jean Todt/元FIA会長、F1フェラーリチーム監督)、日本からは中村史郎さん(Shiro Nakamura/日産自動車株式会社の元専務執行役員兼デザイン本部長)と奥山清行さん(Ken Kiyoyuki Okuyama/ピニンファリーナ社元デザインディレクター)などなど。
アワード創立者のひとり、香港上海ホテルズ社会長のマイケル・カドゥーリ卿自身、著名なカーコレクター。“たくさんのコンテストがあるなかで、たった一台を選ぶなら”というあまりにも純粋な問いに対する答えがこのアワードであることは間違いない。
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
プライベートディナー会場となったザ・ペニンシュラパリの「ル・ロビー」 写真/Cedric Canezza
全世界規模のクラシックカーブームがますますヒートアップするなか、日本のマーケットはどんな動きになっていくのでしょうね。