グランドツーリングという大人のカルチャー
その語源ですが、19世紀のイギリス、貴族や富裕層の子女たちが見聞をひろめるために2〜3年の長期旅行に出るという文化があり、それをグランドツアーと呼んだんだとか。それが転じて、クルマで長距離移動することをグランドツーリングと呼ぶようになったそう。
クルマで長距離移動と言うと、日本ではお正月やお盆に家族でという画が浮かびますが、むこうでいうグランドツーリングはもっと気軽で日常的。
例えば、イタリアの某有名靴メイカーの当主は、平日はミラノを拠点に仕事、週末は地元マルケで過ごすそう。その移動距離ざっと430km。だいたい東京から京都くらい。
その移動を毎週クルマでするんだとか!
イタリア人に食事に誘われると集合してから2時間くらいクルマで移動してお目当てのレストランに行く、なんてのもよくあります。
そんなクルマ移動のダイナミズム「グランドツーリング」をここ日本でも楽しんじゃおう!というのが今回の企画。マセラティ・ジャパンさんのお声がけのもと、大人のメンズ・ライフスタイル誌が一路金沢の人気寿司店「乙女寿司」を目指します。
最終目的地以外はすべてフリープラン! というわけで、我々LEON.JPチームは得意技(笑)ラグジュアリーでロマンティックな大人のグランドツーリングをお届けいたします!
ロングドライブを最高の時間に変えるのは、官能的な一台
4.7リッターV8エンジンは、フィーリングもサウンドも超官能的で、普通に流しているだけでも楽しい!というのもこのエンジン、マラネロでフェラーリによって手組されているというシロモノなんです!
もちろん内装もマセラティですから超絶ラグジュアリー。めちゃ肌触りの良い柔らかレザーのシートにおさまって、マラネロエンジンのサウンドに包まれて、ときたら極楽以外の何ものでもありません。こんな一台でなら金沢でも北海道でも、どこまででも行きますから!
金沢の前に大人が立ち寄りたい場所とは?
この選択は悩みました。中央道コースなら松本や安曇野、ちょっと足を伸ばせば飛騨もあるし〜、と思いましたが、最終的には軽井沢に寄ることに決定!
なぜ軽井沢かって? 大人なふたりがラグジュアリーかつロマンティックに楽しめるコースとなれば、やっぱり軽井沢に一泊でしょ!とLEONの本分に忠実に選択した次第。
だって軽井沢といえば、古くから国内外の富裕層に愛されてきた、本物のラグジュアリーを体現する場所にして、雰囲気抜群なスポットがたっぷりありますからね。
で、今回はさらにあえての夕方出発というプランにしてみたのもポイントです。都内を夕方に出ると、色気のない高速道路が夕陽に彩られてめっちゃドラマティック! さらに現地に着く頃には夜の帳もすっかり下りて、クルマから出てふと空を見上げれば満点の星空がお出迎え!という塩梅。
で、そこで抑えておきたい最初のスポットがこちら! 静寂な森の中に佇むレストラン、「ブレストンコート ユカワタン」です。
静寂の森で極上のディナータイムはいかが?
その後一軒家のレストラン内へ案内されて出てくるのは、厳選された信州の食材を独自のフレンチで仕立てた極上のお料理。さらに、その料理にぴったりなお酒を一品毎にペアリングしてくれて、これがまた最高! こちらも小布施ワインなどを中心にセレクトしていて、食材とのハーモニーにとろけます。
窓の外にはライトアップされた美しい木立。そして澄んだ空気。これでグッとこない人はいないでしょう!
信州の旬な食材を使ったコースは1名、1万8000円(税・サービス料別)。お酒のペアリングを楽しめるプランも
佐久市の名産、鯉は臭みがまったくなく、とろけるような味わい
鱒にクレソンのソースを注いでいただくナージュ仕立て
立派な岩魚のアラ・ムニエール
子羊のロティ。とってもジューシーです
木の芽のバシュラン
デザートの逸品グリンピースのでデグリネゾン。定番ですが、シェフの趣向がいろいろ味わえてやっぱり楽しい一皿!
信州の旬な食材を使ったコースは1名、1万8000円(税・サービス料別)。お酒のペアリングを楽しめるプランも
佐久市の名産、鯉は臭みがまったくなく、とろけるような味わい
鱒にクレソンのソースを注いでいただくナージュ仕立て
立派な岩魚のアラ・ムニエール
子羊のロティ。とってもジューシーです
木の芽のバシュラン
デザートの逸品グリンピースのでデグリネゾン。定番ですが、シェフの趣向がいろいろ味わえてやっぱり楽しい一皿!
■ ブレストンコート ユカワタン
住所/長野県北佐久郡軽井沢町星野 ホテルブレストンコート敷地内
営業時間/ディナー(17:30〜)
定休日/不定休
TEL/050-5282-2267
URL/http://yukawatan.blestoncourt.com/
「暗いでしょう? 敢えて敷地の照明を少なくしているんです。というのは、このあたりの星空は日本一と言われていて、それを見せたいという星野のこだわりなんです」
そんなスタッフの言葉どおり、リゾート内からの眺めとは思えないくらいの星空が待っております! というわけで、初日は軽井沢で美酒と美食と星を堪能する、なんてのはいかがでしょうか〜?
野鳥のさえずりに目覚める、ファンタスティックな朝
サスティナブルな自然との共生は、現代のリゾートには必須のレギュレーション。それを先々代の時代から実践してきた「星のや」は、散策していても本当に気持ちいい〜!
昨夜のリッチな晩餐から一転、こんなネイチャーな時間を味わえちゃうのも、軽井沢の魅力ですよね。
■ 星のや軽井沢
住所/長野県軽井沢町星野
URL/https://hoshinoya.com/karuizawa/
圧倒的な自然と対峙しながら走る愉悦
このグラントゥーリズモですが、実は現在のマセラティのラインナップでは最も古いモデルで、デビューは2007年。ですが、昨年マイナーチェンジを経て、モダンにアップデイトされています。といっても外装で変わったのは顔とおしりのライト部分くらい。なのに、まったく古さを感じないのは、奥山清行が在籍した当時のピニンファリーナの仕事の賜。
なんというか、すべての体験がドライブの楽しみなんですね。そこが経路の固定されている電車旅との決定的な違い、って至極当たり前のことなんですが。
大人の旅はまだまだ終わらない! 金沢へ極上の寿司を目指す
この旅の醍醐味のひとつは、太平洋から日本海への移動。新幹線に乗っちゃえば3時間半の距離なのに、まったく違う薫りのする日本海という響き! これぞ日本のダイナミズム!ですよね。
最終目的地の「乙女寿司」に到着すると、待っていたのはこれまた美しい芸術品のような料理。ご存知の方も多いと思いますが、「乙女寿司」は予約困難な超人気店。
で、まず、目を奪われたのが、丁寧に研がれた包丁と、大将の研ぎ澄まされた所作。すべてが美しい! 前夜は信州フレンチで、二日目は日本海の超新鮮な魚介を職人が仕立てた芸術的な寿司。贅沢すぎですね(笑)でも、これこそ大人の旅の醍醐味! やるならトコトン、です。
それにしても、金沢にはなんで美味しいお寿司屋さんが多いのでしょう。やっぱりその理由は歴史なんでしょうか。加賀百万石の栄華ではぐくまれた料亭文化、鋭い感性をもった文人たちに愛されたことでの洗練、そして何より豊富な海の幸。こうして並べてみると、最高になる条件全部そろってますね。
なんにしても、「乙女寿司」でシメる、このクライマックスは間違いナシ、でありました!
■ 乙女寿司
住所/石川県金沢市木倉町4-10
営業時間/12:00~14:00、17:00~22:00(最終入店 19:30)※予約必須
定休日/水・日・祝日
TEL/076-231-7447
で、日本のグランドツーリングはありなのか?
今回は寿司を食す、という用事? が確かにありました。が、それが無かったとしてもきっとこのドライブは最高だったんです。
なぜなら、旅は移動こそがメインステージ。だから、内田百閒は移動の空間、一等列車にこだわった。それをグランドツーリングにおきかえれば、クルマでその旅の質はきまる、というわけです。そういう意味でグラントゥーリズモの名は伊達じゃありませんでした。
帰路につく前日は軽井沢から金沢まで400Kmほど走って夜もそこそこ呑み、翌日はせっかくだからと砂浜を走れる千里浜なぎさドライブウェイも楽しみ、そのまま一気に700kmを運転して都内へ戻りました。でも、不思議とぜんぜん疲れなかったんです。
実はそれまで高速道路で長距離なら4輪駆動車が最強、というのが持論だったのでスポーティなFR車でこの距離が快適に走れたことにびっくり。さすがマセラティです。
運転が楽しいクルマは疲れない!これ、新持論になりそう。
というわけで、皆さまも最高の相棒(愛車)で、グランドツーリングをぜひ楽しんでみてくださいませ! きっといろいろな発見があると思いますよ!
マセラティ グラントゥーリズモ スポーツ
マセラティの伝統を受け継ぐグランドツーリングカー。 2007年デビューだが、昨年ビッグマイナーチェンジを経て、モダンに生まれ変わった。フルモデルチェンジ目前といわれているが、その熟成度、官能的な自然吸気4.7リッターV8エンジンの魅力は圧倒的。
モデル名:グラントゥーリズモ スポーツ
エンジン形式:4.7リッター V型8気筒DOHC
最大出力:338kW(460ps)/7000rpm
最大トルク:520Nm(53.0kg)/4750rpm
車両本体価格:1890万円(税込)
問い合わせ:マセラティ ジャパン