人気スタイリストが試乗体験
今回は、多数のメンズ誌で活躍する人気スタイリスト・武内雅英氏が「smart forfour BRABUS sports(スマート フォーフォー ブラバス スポーツ)」を体験試乗。LEON.JP編集長・前田陽一郎を聞き手に加え、その魅力を語っていただきました。
武内雅英(以下、武内)「こちらこそよろしくお願いします。今日はクルマの試乗ということで楽しみにして来ました」
—— おお、それは嬉しい。実は昨日、この「BRABUS sports」を編集部員と試乗したんだけど、すごく面白いクルマでね。クルマ好きならなおさら楽しめると思うんだ。ちなみにだけど、武内くんはこれまでどんなクルマに乗ってきたの?
武内「以前は英国メーカーのSUVに乗ってました。先輩に勧められて買ったスポーツ仕様で、仕事でも使っていましたね。でも、今は良い駐車場がなくて、いったんクルマを手放しているんです」
—— 良い駐車場がない?
武内「そうなんです。家の近くで空いているのが青空しかなくて……。やっぱりクルマは綺麗に乗りたいじゃないですか。だから、ガレージタイプや地下駐車場のようなちゃんとした駐車場が見つかれば、すぐにでも買いたいんですけど。高級車ならなおさらですが、クルマが汚れてると乗る気もなくなっちゃうので……」
—— それは分かる、でも、そこまでのこだわりはスタイリストならではかも(笑)。それじゃあ普段の仕事ではどうやって移動を?
武内「撮影やリースなど仕事での移動がほとんどなので、ロケバスばかり乗っています。今日もロケバスで来ました(笑)」
—— ロケバス! まさにsmartとは対極のクルマだ(笑)。ちなみに運転するのは好きなの?
武内「ええ、運転は好きなんです。スピードをガンガン出す訳ではないのですが、ドライブだったり走りの感覚だったりは楽しみたいですね。だから今日はsmartに乗ってみて、そのフィーリングを確かめたいと思っています」
「BRABUS sports」のファーストインプレッションは?
武内「実はsmartに乗るのは初めてではなく、以前、借りて乗っていたことがあるんです。その時のはロードスタータイプの車種でした」
—— そうなんだ。ロードスターだと、割と初期に出ていた型だよね。その時と比べてシートに座ってみた感じはどう?
武内「このクルマ、実際に乗ってみると思った以上に広いですね。当時のはもっと小さかったし、遊び感覚で乗るようなイメージでしたから。それに、パッと見ただけでもボディのプレスラインだったり、シートの質感だったり、細かなところまでしっかり作り込まれている印象ですね」
—— 内装もBRABUS仕様だから、質感が違うよね。
武内「そうですね。シフトノブやブレーキハンドル、ステアリング周りはさすが『BRABUS』という感じで、外装ではそこまで主張していなかったグレード感をインテリアで演出していますね。せっかくBRABUS仕様を選ぶのだったら、こういうところは嬉しいポイントかもしれません。それに、インパネなどのレイアウト設計がすごく気が利いていて、『欲しいところに全部ある』と感じます。このあたりは国産車と外国車の違いっていうのもあると思うのですが、余計なものがなく直感的で操作しやすいですね」
—— ちなみに、以前乗ったロードスタータイプと比べて、乗り味はどうかな?
武内「以前乗ったのは都内を移動するのには十分でしたけど、700ccくらいのエンジンで発進時のトルクも抑えられていたので、スポーツカーとしては少しパワー不足を感じたのを覚えています。でも今回の『BRABUS sports』は、少し運転しただけでもそのあたりが良好なのが分かりますね」
—— どちらも駆動方式がRRだから、加速感の違いはハッキリ出るかもしれないね。
武内「そこは乗ってすぐに気がつきました。RRって面白いですよね。踏み込んだ時のレスポンスが良いし、このクルマは最初の加速感がすごく良いですね」
クルマではなく「都市型コミューター」
—— smartって、これまでの「クルマ」という概念ではなく「都市型コミューター」というイメージなんだけど、それについてはどう思う?
武内「確かにそれは思いますね。コンパクトカーが主流になってきたとは言うものの、特に東京ではまだまだ大きいクルマが多いですよね。でも本来は、東京こそ道も駐車場も狭いので、smartのようなクルマが時代のニーズに合っていると思います」
—— それはあると思う。海外、特にヨーロッパではsmartがすごくたくさん走ってるよね。
武内「日本よりも都市部でクルマが生活に密着しているから、こういうクルマが好まれているんだと思います。おそらく東京ほど地下鉄や電車が発達していないからだと思うんですが、乗せる人やシーンを選ばないし、それこそ女性や子供、お年寄りまで、どんな人も受け入れてくれる感じですよね。それでいて、必要に応じたサイズ感だから無駄がないし、『都市型コミューター』っていう表現はまさにぴったりだと思います」
要所で感じる「BRABUS」らしさ
武内「もちろん『BRABUS』には高級なイメージを持っています。僕は友達のを運転させてもらったことがあるんですけど、やっぱり『BRABUS』のコンプリートカーは派手だしエンジンの音から違いました」
—— 見た目の主張がまずは強いよね。
武内「そうなんです。でもこの『BRABUS sports』は、そういう派手でラグジュアリーな雰囲気というよりは、上品でエレガントなイメージが強いですね。大げさなことはしていないけど、高級感があるな、という印象を受けました」
武内「実は、僕はもともとクラシックなものが好きなんで、クルマも角張ったデザインの方が好みなんです。でも、このくらいのサイズになると、そういうカクカクしたデザインよりも少し丸みを帯びている方がフィットするんだな、とこのクルマを見て思いました。それでいて『BRABUS sports』は、床面の高さだったりルーフに向かってのシェイプだったり、全体的に色気のあるデザインにまとめられているので、現代風の中にも個性がちゃんと出せていると感じました。個人的にはバランスの取れた良いデザインだと思います」
—— 専用のフロントスポイラーやホイールなど、要所要所でBRABUSらしさも出ているしね。
武内「そうですね。分かる人には分かるという感じで、リアのエンブレムやホイールで差別化してあるのもポイントですね。なので、この赤と黒のツートンカラーも良いですが、『BRABUS』のブランドイメージをもっと強調するなら黒やシルバーカラーを選んでも良いかなと思います。僕らスタイリストだと職業柄、どんなスタイリングにも合わせやすい真っ黒にしてしまうかもしれませんけど(笑)」
武内「それはありますね。高価なクルマに乗っていればいいかって言うとそうでもないし、センスを問われる部分がありますからね。何を選ぶにしても、その『理由』みたいなものは持っていたいですし、自己満足だけじゃなく、時代のニーズにも敏感でいたいですから」
—— そういう意味で言うと、smartはアリ?
武内「大アリです。他のコンパクトカーと比べてもこだわりがあって、ちゃんと自分を主張できるクルマですからね。それに、もちろん大量の撮影には難しいかもしれないですけど、2〜3カットの撮影で都内を回るくらいなら十分な広さですから、僕らの仕事でも普通に使えると思います」
—— 4人乗りだから後部座席も使えるし、後ろのシートをフラットにしたらゴルフバッグくらいの長さなら楽に入りますよね。
武内「そうですね。シートを倒すと荷物がけっこう詰めることに驚きました。それに、通常のシート時でも大人4人が無理することなく乗れる絶妙のサイズ感なので、本当に『使える』クルマだと思います」
武内「僕らみたいな大人の男性もいいですけど、女性が乗っていてもセンス良いなって思いますね。大きなSUVとかを無理して運転するよりは、こういうコンパクトなクルマでキビキビ走ってる女性の方が個人的にはおしゃれだと感じますね」
—— イタリアとか、ヨーロッパの街中を流している女性って、かっこ良く見えますからね。
武内「しかもそのクルマに『BRABUS』のロゴが入ってたりすると、『お!』ってなりますよね。『この人、クルマの良し悪しをわかってるな』と言うか。そういう意味では、例えば夫婦二人で買ったとしても、それぞれのライフスタイルにフィットして、男性が乗っても女性が乗ってもおしゃれに乗れるクルマだと思います。そういうクルマって、実はかなり少なかったりしますよね」
—— 確かに男女兼用というのはあるかも。ちなみに、スタイリストの目線から見て、このクルマに合うファッションってあるのかな?
武内「クルマの主張が強すぎると人の方が負けちゃうんですが、そうならずに何にでも合ってくれると思います。だから多分、白いTシャツとかデニムとか着て乗っても様になるし、個性的なファッションの人でも、その個性をさらに引き立ててくれるクルマだと思いますね」
—— ドレススタイルやカチッとしたスーツでも良さそうですよね。
武内「ビジネススーツにも合うと思います。ちょっとデキそうなサラリーマンっぽいじゃないですか、これ乗ってたら(笑)。コンパクトなのに適度に主張があるから、車が勝ちすぎず、さりげなく人を立ててくれる。『BRABUS』仕様だけど、威圧する感じは全くないし、嫌味じゃない。僕らスタイリストからすると、どんな見た目にもフィットしてくれる良いクルマだと思います」
直列3気筒ターボエンジンで力強い加速感
—— さて、実際に今日運転をしてみての感想は?
武内「すごいですよ。900ccには思えない、考えられないですね。見た目もそうですが、もっと排気量があるように感じました。特に最初の加速はレスポンスが良くて、アクセルを踏むのが素直に楽しいと思えるクルマですね」
—— 乗ってすぐ「足」になるというか、すごく馴染む走りをしてくれると。
武内「そうですね。それでいて全体がコンパクトなので、踏み込んで加速してもコントロールが効いて事故にはならなそうなところが良いですね。ステアリングもしっかり反応するしギアの変速もスムーズなので、乗っていて疲れにくいクルマだと感じました。見た目以上にパワフルなので、乗る前と乗った後では印象がガラッと変わりますね」
武内「smartっていうと、どうしても2台目とかセカンドカーっていうイメージがあるけど、この『BRABUS sports』はそういうクルマじゃないなと思いました。街でも普通に乗れますし、むしろファーストカーでこれを乗っていたら、ある意味で『余裕がある人』にさえ見えると思います。今、日本では軽自動車が売れていますけど、それでも新車で200万円を超えるものが多かったりするじゃないですか。そういう意味では、プラスで80万円を出してでもこっちを買った方がお得だと思いましたね」
—— 次、武内くんがクルマを買う時の候補にも?
武内「普通に候補になりますよ。今日試乗して、その良さが実感できました。パッと見ただけでは気づけなかったのですが、実際に運転してみて加速感とか、取り回しの良さ、剛性感や質感の高さとかを知ると、すごく良いクルマだなっていうのがわかりますね。おそらく本気でクルマを買おうと思ってる人だったら、試乗して2時間くらいで即決しちゃうかもしれないですね」
—— 編集部でも試乗した人はみんな同じ意見でした。普通にオススメできるよね、このクルマ。
武内「いやいやかっこいいですよ。本当にそう思う(笑)」
(2018年4月下旬、東京都内某所にて)
● 武内雅英 / スタイリスト
1977年、長野県出身。確かな知識に基づいたスタイリングで多数のメンズ誌にて活躍中。モードからクラシックまで、独自の視点を織り交ぜたファッション提案は業界内でも高い評価を受けている。
smart forfour BRABUS sportsについて詳しくはこちらをご覧ください。
URL/http://www.smart-j.com/