![日本では2.5リッターハイブリッドシステムを備えて2018年秋に登場の予定](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18184715952769/0/1_HV_Lexus-ES300H_Sunlight-Green17.jpg)
レクサスの米国デビュー時からラインナップされていたセダンがES
レクサスのデビューは1989年の米国。日本では当時セルシオと呼ばれたモデルを「LS」として米国仕様に仕立てデビューさせたところ、目論見どおり高い評価を得た。
そのLSとともに当初からラインナップに設定されてきたのが「ES」だ。日本には導入されていなかったが、2018年に満を持しての日本デビューが計画されているという。
![ルーフからリアにかけて大きなウィンドウを持ちクーペ的なシルエットが意識されている(写真は大きなスポイラーを備えたFスポーツ)](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185021923995/0/2_HV_Lexus-ES300H_Sunlight-Green25.jpg)
たしかに目線が高いので、どちらかというと小柄な女子にとってSUVは守られ感がある。操縦しやすい面もある。
でもやっぱりセダンなのである。と、あえて言いたい。セダンに“ブーム”はなかった。常にセダンは好まれてきたからだ。
理由はいろいろあげられる。理由として最大のものは、乗り心地がいいこと。サスペンションのアーム長をフルに使えるなど機構的なものなのだが、セダンをベースに無理に車高を上げたSUVと較べると断然勝っている。
もうひとつの理由は、やっぱりスタイリッシュではないですか。すっとしている。と、どうも感覚的な評価になってしまうが、ずんぐりしたSUVはどうしても美的に感じられないという意見に、ぼくも賛成である。
そんななか、いいセダンを作ろうと、コツコツと地道な努力を続けてくれているメーカーがぼくは好きだ。そのひとつがレクサスである。
![全長4.9メートルなので小さくないけれどエレガントで軽快感すらあるスタイルだ](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185037125794/0/3_HV_Lexus-ES300H_Sunlight-Green18.jpg)
レクサスでも人気はSUV。そこにセダンが初上陸する意味とは?
それはそれでいいのだけれど、最近うれしくなるクルマに乗った。それがフルモデルチェンジを受けたばかりのレクサスES。まだ日本には入ってきていない。しかし入ってくる。
まずあげたいのはサスペンションの出来のよさだ。日本には2.5リッター4気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッド「300h」(のみ)が導入されるというが、大きくふたつのモデルが設定されている。
ひとつは米国で「ウルトララグジュリー」と名づけられているモデル。日本でいうとLパッケージに相当するらしい。もうひとつはスポーティな「Fスポーツ」だ。
![居心地のいいインテリア(写真はFスポーツ)](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185238071725/0/4_INTERIOR_Lexus-ES-350_Flare-Red_Hadori_FSport46.jpg)
ダンパーは筒内に油が封入してあり、そこでピストンが上下することでショックを吸収する。と書くと簡単なのだが、実はいまでも各社、このパーツの改良に絶え間ない努力を重ねている。
レクサスESウルトララグジュアリーのダンパーは新設計のオリフィスといった油の流路に工夫が凝らしてある。それによって、路面からの入力がゆったりしている時も、高速などで速い時も、しっかり効果を発揮させようとしている。
「走り出して最初の曲がり角で効果がわかりますよ」、ナッシュビルまで試乗会のために足を運んだというレクサスの開発担当者は、試乗の前日にそう胸を張っていた。
それでわからなかったらどうしよう、とこちらがドキドキしたが、実際はその言葉どおりだった。みごとな乗り心地。曲がり角だけでなく、フリーウェイだろうが、ワインディングロードだろうが、しっとり、かつ、びしっとしている。
開発を総指揮した主査に、どうですか?と訊かれたので、「LSより感動しました」とすなおに答えたら、複雑な顔をされてしまった。でも事実である。
![ファストバックスタイルがいまも魅力的なアウディA7スポーツバック](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185308493090/0/6_medium.jpg)
高級セダンが抱えるある悩みを解決するカタチ
で、もうひとつ、ぼくがいいなと思ったのがスタイリングだ。少しセダンばなれしている。自動車の側面をプロファイルというが(ちなみに上面から見たのはプラン)、この姿が見目麗しい。
ルーフラインがすっと長くて、ゆっくりとリアにかけて落ちていく。トランクリッドの前後長は短くされていて、「雰囲気的にはクーペの要素を取り込んでいる」というデザイン担当者の目論見どおりの仕上がりだ。
せっかく大枚はたいて購入したのに、ホテルのクルマ寄せで「運転者さんこちらに」などという扱いを受けたりする。つまりこれがセダンにつきまとうパラドクス。
それを払拭するにはどうしたらいいか。答えが4ドアクーペなのだ。
![3代目になったメルセデス・ベンスCLS](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185253012228/0/5_17C831_006.jpg)
プロファイルでみたキャビンの形状を工夫して後席の存在感を前席に対してあえて薄めているのが、4ドアクーペの特徴。
ドライバーが自分で運転するために購入したのが一目瞭然だし、かといってゴルフや家族旅行で後席に人とを乗せるときに不便はない。
![BMW6シリーズ・グランクーペも美しい](https://assets-www.leon.jp/image/2018/06/18185340745207/0/7_bmw-6-series.jpg)
全長を4975ミリに抑えた新型ESはきっとマーケットの需要に合って、鉱脈を掘り当てるような気がする。ちなみに後席はかなり広い。
300hは電気モーターの大きなトルクを利用して走り出しは力強いし、高速での伸びも悪くない。ただし中間加速でもっとパワーが欲しくなる場面があったのは事実だ。
米国には3.5リッターV6搭載モデルもあって、試しに運転したら(案の定)よかった。回転マナーがよい2リッターエンジンなどが向いているかもしれない。
シャシーなど多くの部品を新型カムリと共用するが、さきに触れたサスペンションなど、このクルマにしかないものを備え、しかもそれが魅力の核となっている。
そんなわけで、これを機に男子諸君は、いままできっと好きだった(はずの)セダンを楽しむ、ということに再注目してもらいたいと思うのである。
日本では2.5リッターハイブリッドシステムを備えて2018年秋に登場の予定
ルーフからリアにかけて大きなウィンドウをもちクーペ的なシルエットが意識されている(写真は大きなスポイラーを備えたFスポーツ)
全長4.9メートルなので小さくないけれどエレガントで軽快感すらあるスタイルだ
居心地のいいインテリア(写真はFスポーツ)
3代目になったメルセデス・ベンスCLS
ファストバックスタイルがいまも魅力的なアウディA7スポーツバック
BMW6シリーズ・グランクーペも美しい
日本では2.5リッターハイブリッドシステムを備えて2018年秋に登場の予定
ルーフからリアにかけて大きなウィンドウをもちクーペ的なシルエットが意識されている(写真は大きなスポイラーを備えたFスポーツ)
全長4.9メートルなので小さくないけれどエレガントで軽快感すらあるスタイルだ
居心地のいいインテリア(写真はFスポーツ)
3代目になったメルセデス・ベンスCLS
ファストバックスタイルがいまも魅力的なアウディA7スポーツバック
BMW6シリーズ・グランクーペも美しい
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。