

プロダクトとしては1948年の166MMに始まり、その後のMONZA750、860がもつ「パワフルなエンジン」「優美なデザイン」「ドライバーとの一体感」にフォーカス。その要因を “バルケッタ”デザインに見出し、デザインコードの説明に時間が割かれた。
待ちに待ったアンベールの先に登場したマシンが会場をどよめかせる。
「MONZA SP1」「MONZA SP2」と名付けられた2台のモデルは屋根もウィンドウシールドも持たないまさに“バルケッタ”スタイルそのもの! SP1はシングルシート、SP2は2シーターの構成だ。
ウィンドウシールドをもたないとはいえ、特許取得済みの“バーチャル・ウィンドウシールド」により、風の巻き込みを最小限に留め「快適なドライビングを約束する」としている。
そう、その名前のとおり、この「MONAZA SP1(SP2)」は現代に復活した、フェラーリのパワーとデザイン性を集約したバルケッタスタイルというわけだ。
バルケッタデザインの「MONAZA SP1(SP2)」はプレゼンテーションのキーワードにも登場するように「ドライバーとの一体感」を楽しむためのモデル。つまり、ドライバー本人のドライブフィールもさることながら、その姿を眺める周りからも“一体感ある”ドライビングスタイルを必要とされるモデルでもあるということだ。

「ラ・フェラーリ」で証明したフェラーリ製ハイブリットエンジンの開発はすでに次の段階に入っているようで、「ラ・フェラーリ」の出力曲線を引き合いに出しながら、さらに理想的な出力曲線を作ることができるかをプレゼンした。
ただ、多少美しい表現を使えば、フェラーリは“フェラーリ好き”のためのブランディングから、自動車というプロダクトの存在意義が模索されるなかで、ひとつのベンチマークとなろうとしているようにも見える。フェラーリの動きはそれを所有できる、できない、する、しないに関わらず、興味深い。