
百花繚乱のSUVラインナップのなかで、X2はどんな個性を放っている?
ゴツさよりもクーペのような都会的なモデルがいいというのは、いまっぽい選択だ。そんなひとにはBMWが発表した「X2」はいいかもしれない。比較的コンパクトな車体に、軽快なスタイリングの組み合わせが魅力的だ。
そもそもSUVは機能がすぐれていた。といっても、オンロードでもしっかり走る性能においてである。オフロード用は業務用だったが、両方をこなせるモデルが出てきて、やがて一般のひとが乗るようになった。

BMWはX2をして、SUVならぬSAC(スポーツアクティビティクーペ)と定義しているだけに、そこらの割り切りはいい。上記のようなことはあまり気にしていない(と思える)。なによりドライビングが命なのだ。
全長は4375ミリに抑えて、まさにクーペのようにリアゲートを前に倒している。コンパクトで軽快な印象を強調しているスタイリングが印象的だ。そして実際に走らせると、BMWのクーペのようである。

なにしろ、レースカーのような合成スウェード張りのシートも用意されている(「 M Sport X」に標準装備)。ブラックにイエローのステッチ。これがよく似合うクルマなのだ。
クルマのオプションは、もちろん、そのクルマの特徴を強調するためのものである。マーケティング部門が主導することはあっても、デザイナーが力を貸す。X2のスポーツシートは”走りを楽しんで”をというメッセージを強力に送ってくる。
エンジンラインナップは2種。スポーティなMスポーツが人気?

X2 xDrive 20i M Sport XにはMスポーツサスペンション専用装備される。加えて、マニュアルシフトが出来る8段の「スポーツマチックトランスミッション」と、扁平率45パーセントのタイヤも備わる。いろいろな点でスポーティに仕上げられているのだ。
BMWのシンボルであるキドニーグリルは上下から圧力をかけたかのように薄く、そして横に広がり、シャープなヘッドランプと大型のエアダムとで、M Sportのコンセプトがマッチしている。
「エクストリーム・スポーツにインスパイアされたエクステリア・デザイン」とBMWがするスタイリングを持つ。たとえばフローズングレー色のトリムがフロントバンパーの一部やホイールアーチに設けられているといった具合だ。というわけで、X2に乗るなら、とことんスポーティに、というのはいいと思う。

スピードを上げていくとより落ち着いてきて、コーナリング時に”いいクルマを買ったことを嬉しく思えるのではないだろうか。たいていクルマというのは、外出先で停めたときの姿を見て改めて自分の買い物を自己評価するのだけれど、X2は動いているときの一瞬で好きになれる希有なクルマといえるかもしれない。

スタイリングで選んでも、ドライブの楽しみもちゃんと備わっている。その意味でX2はまさに旬なのだ。
最大トルクは1350rpmから発生するので力強い
全長4375ミリ、全幅1825ミリ、全高1535ミリの4ドアボディ
SACというだけあってリアゲートまわりの造型感覚が軽やか
ガルバニックゴールドというボディカラー
M Sport Xのステアリングホイールはパドルシフトつき
M Sport X専用のアルカンターラ張りのスポーツシート
M Sport Xには大型のエアダムつきスポイラーが備わる
最大トルクは1350rpmから発生するので力強い
全長4375ミリ、全幅1825ミリ、全高1535ミリの4ドアボディ
SACというだけあってリアゲートまわりの造型感覚が軽やか
ガルバニックゴールドというボディカラー
M Sport Xのステアリングホイールはパドルシフトつき
M Sport X専用のアルカンターラ張りのスポーツシート
M Sport Xには大型のエアダムつきスポイラーが備わる
● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。