この作戦を有効に機能させるためにもスターティンググリッドは重要。まず、Q1には蒲生選手を投入。期待に応え、3番手でQ1を突破してみせた。続く黒澤選手は残念ながら、その強い意気込みを結果に結びつけることができず、Q2は12番手に終わってしまう。とはいえ、まだ挽回のチャンスは残されている。ふたりのドライバーとチームスタッフは、強い決意を抱いて翌日の決勝に臨んだ。
翌日の決勝。スタートを受けもった黒澤選手は1コーナーの混乱を慎重に避けると、予選順位よりひとつ上の11番手でオープニングラップを走りきり、さらに上位をうかがっていた。途中、セーフティカーランを間に挟みながら順調に周回を重ねたLEON号は、予定どおり早めのピットストップを行ない、前輪2本だけを交換。給油と蒲生選手への交代を終えるとコースに復帰した。後半を担当する蒲生選手は持ち前のファイティングスピリットと速さを生かしながら周回をこなしていく。やがてLEON号は4番手まで浮上。表彰台がそろそろ現実的に見えるポジションにつけていた。
ところが、レース終盤に入ると、前戦でも桁違いのスピードを見せていたホンダNSXとポイントリーダーのBMW M6がストレートスピードの速さを生かして相次いでLEON号を攻略。前を走る別の一台、ニッサンGT-Rは抜いて一矢報いたものの、チームは5位でチェッカードフラッグを受けることとなった。
しかし、レース終盤にポイントリーダーのBMW M6に逆転されたのは痛かった。ポイントランキングの上位陣は、彼らを除けば誰もが苦戦を強いられていたので、今回、LEONチームはランキング2番手まで浮上できたが、ポイントリーダーとの差は12点と逆に開いてしまったからだ。
残るは最終戦のみ。もう、ここでジタバタしても始まらない。いつものように最善を尽くし、あとはいい結果が得られるのを祈るのみ。最終決戦は11月11日、栃木県のツインリンクもてぎで開催される。