2018.11.04
バイク?クルマ? 新感覚マシン「BRPライカー」が日本上陸!
スノーモビルや水上バイクのパイオニアとして知られるカナダのBRPが手がける「ライカー」が日本でも発表された。バイクでもないクルマでもない新時代の乗りもので、これ、意外なほどいいです。
- CREDIT :
文/小川フミオ
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214337188868/0/1.jpg)
自分をまるごと見せて楽しめる「BRP Ryker/ライカー」という新しい乗り物
2018年10月22日に日本で発表された「ライカー」をはじめ、「Can-Am(カナダ=アメリカ)」シリーズの三輪車、スノーモビルの「Ski-Doo」、水上バイクの「Sea-Doo」で世界中に市場を拡大してきた。
今回、ロサンジェルスでジャーナリスト向けの試乗会が開催されたライカーは、前2輪、後ろ1輪のシャシーに600ccあるいは900ccのエンジンを搭載したもの。「モーターサイクルの延長線上でなく新しいリクリエーショナルビークルと考えてもらえれば」と現地で会った開発担当者は語っていた。
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214442518806/0/2.jpg)
ハンドルバーの右手がスロットルになっているのは二輪車と同じ。タンクを両膝ではさむようにして乗るのも同様だ。しかしコーナリングはあくまでハンドルバーで行ううえに、ブレーキは右足のブレーキのみ、というのはどちらかというと乗用車的といえる。
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214505475166/0/3.jpg)
仕様はストリートとラリーエディションの2モデルだ。後者のほうが少しライドハイトが高めで、かつサスペンションのストローク量が多い。世界各地から来た二輪のジャーナリストたちに評判がよかったのは、このラリーエディションだった。
マリブビーチが出発地点で、そこからパシフィックコーストハイウェイを走ったあと、マルホランドドライブなどで知られるロサンジェルスの山岳地帯へ。フリーウェイでも山岳路の上りでも、力不足を感じることはまったくなかった。
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214521607402/0/4.jpg)
コーナリングはさきに触れたようにハンドルバーで行うので、タイトコーナーで飛ばすにはちょっと腕の力が必要だ。車両を抑え込むようにして曲がっていく。場合によっては車体がボトミングしてフェンダーと車輪がこすれる音がするが、フロントが強く外へと出ていくこともないし、リアが暴れることもなかった。
実際に乗ってみたら、こんな気持ちイイ乗り物ない!?
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214543520329/0/5.jpg)
体型に合わせて簡単にハンドルバーもペダルも前後の位置調整が出来るし、リバースも左足の爪先でギアを入れるタイプなので、取り回しも楽ちんだ。
ふだんは縁のないライディングウェアを着られるという点では、究極のオシャレの道具という側面もある。ヘルメット(オフロードかジェットという場合が多いようだ)やライダーズジャケットなど選ぶ楽しみが味わえる。
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214633369547/0/6.jpg)
「これはニッチ(すきま)をねらった製品ではないと私たちは思っています。新しい市場を創造する大きな可能性をもった製品です。大きく育つ可能性があります」
BRPのエンジニアリング担当プロジェクトマネ−ジャーのバンサン・バラルディ氏は試乗会中にインタビューでそう答えてくれた。「ゲームチェンジャーになりうるものです」と胸を張っていたのが印象的だ。
フロントビューは角を生やした悪魔のようにも見える。まさに今っぽい表現だ。デザイナーのケベック人、アンドレ・コート氏によると、開発の初期段階では幾何学的なモチーフとか、自然のモチーフとか様々な可能性を検討したそうだ。
![BRP Ryker ライカー](https://assets-www.leon.jp/image/2018/10/31214657075733/0/7.jpg)
若いひとが大きくかかわったプロダクトなのだ。あえて塗装もコーティングもしないボディパーツを多数採用したのはリサイクル性のためだという。これもマイクロプラスチックを廃止しようという今の問題意識にぴったり即している。時代感覚もあるのだ。
これまで同社では三輪車でもユーザーはフェラーリなみに(笑)高齢だったようだが、このライカーで「ぐっと若返らせたい」(さきの開発担当者)としている。うまくいくかもしれない。
ライカーには自動車用の普通運転免許があれば乗れる。日本では2019年3月に発売予定といい、BRPジャパンによると、ライカー600、ライカー900、それにライカー・ラリーエディションが導入されるそうだ。
全長2352ミリ、全幅1509ミリ、全高1062ミリ、ホイールベースは1709ミリ、シート髙は597ミリで、タンク容量は7リッター
ロータックス製900cc3気筒「ACE」エンジンは57.5kW@7100rpmの最高出力と76Nm@6300rpmの最大トルクでシャフトを介して後輪を駆動
ライディングの姿勢はフットペグとハンドルバーの位置調整でかなり自由度が高い
この車両は折りたたみ式のタンデム用シートを備えている
ラリーエディションでは出力制御などのラリーモードが選べる
Sea-Dooからの応用であるユニークだけれど使い勝手のいいエンジンスタートキー
サスペンションは前後ザックスのコイル/ダンパーユニットを採用し、リアはプリロード調整式
女性ユーザーを3分の1ぐらいにしたいとするライカーの宣伝用画像
こちらはレセプションでの風景でこういうライティングだとデザイナーの意図が明確に伝わる
全長2352ミリ、全幅1509ミリ、全高1062ミリ、ホイールベースは1709ミリ、シート髙は597ミリで、タンク容量は7リッター
ロータックス製900cc3気筒「ACE」エンジンは57.5kW@7100rpmの最高出力と76Nm@6300rpmの最大トルクでシャフトを介して後輪を駆動
ライディングの姿勢はフットペグとハンドルバーの位置調整でかなり自由度が高い
この車両は折りたたみ式のタンデム用シートを備えている
ラリーエディションでは出力制御などのラリーモードが選べる
Sea-Dooからの応用であるユニークだけれど使い勝手のいいエンジンスタートキー
サスペンションは前後ザックスのコイル/ダンパーユニットを採用し、リアはプリロード調整式
女性ユーザーを3分の1ぐらいにしたいとするライカーの宣伝用画像
こちらはレセプションでの風景でこういうライティングだとデザイナーの意図が明確に伝わる
● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。