![BMW X4 M40i](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07181852441508/0/1.jpg)
BMW X4が切り拓いたクーペ解釈のSUV
BMW X4の魅力はクロスオーバーにある。腰まわりは力強さを感じさせる4WDだけれど、キャビンはルーフ長を短く見せるとともにテールゲートを寝かせぎみにして、コンパクトさを演出している。4WD車とクーペのクロスオーバー。それが特徴だ。
![BMW X4 M40i](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07180933396838/0/2.jpg)
第2世代は2018年3月のニューヨーク自動車ショーで発表され、日本にはさっそく9月に入ってきた。基本的なスタイリングコンセプトは踏襲しているが、面はより筋肉質となり、フロントマスクも大型エアダムの採用などで精悍さ(どう猛さ?)を増している。
日本で展開されるラインナップもスポーティなモデルに振っている。大きくいって、2リッター4気筒の「X4 30I xDrive」と3リッター6気筒の「X4 M40i」である。
前者は2種類あるBMWの2リッターエンジンのうち力のある185kW(252ps)の仕様を搭載している。後者は265kW(360ps)の3リッター直列6気筒エンジンだ。ともにフルタイム4WDと、8段オートマチックの組み合わせである。
![BMW X4 M40i](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07181015571793/0/3.jpg)
SUVもいいけれど運転が楽しめないと不満を持っていて、ランボルギーニ・ウルスではやりすぎだと思っているひとには、このクルマは最適の1台かもしれない。
BMW伝家の宝刀というかんじの3リッター直列6気筒エンジンは、265kW(360ps)の最高出力に500Nmの最大トルクという数値もすごい。そしてそれよりなにより、気持ちがいい。高回転域までいっきに回るうえに、そのときの力の出方が絶妙で、この加速感は病みつきになること間違いない。
からだを支えるサポートが張り出したスポーツシートに、太いグリップの革巻きステアリングホイールは「M」がつくBMWモデルに共通の装備だ。実際にスポーツドライビングをするうえで、たいへん頼もしい。
![BMW X4 M40i インテリア](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07181119285806/0/4.jpg)
その走りは完全にスポーツ!
活き活きとするのは、速度があがったとき、そしてコーナリング時だ。ステアリングホイールを切ったときの車体のレスポンスのよさに加え、おそらく重心高も低いのだろう、姿勢変化が少なく抑えられている。車高が1620ミリあるとは思えないほどだ。しっかりと地面をつかまえて安定した動きである。
最大トルクは1520rpmから発生するだけあって、市街地ではアクセルペダルを強く踏み込まなくても力強い。いっぽうで3000rpmから上はパワーが爆発するかんじだ。電気自動車への移行が言われるなか、よく出来たガソリンエンジンの魅力をいつまで堪能できるか分からないけれど、なにはともあれ、体験する価値のあるエンジンなのだ。
![BMW X4 M40i インテリア](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07181210182592/0/5.jpg)
ドライブモードセレクターが備わっており、「コンフォート」もけっして悪くないけれど、「スポーツ」だとすべての設定がよりがっちりと精緻にかみ合うとでもいえばいいか、このクルマが持っているポテンシャルがしっかり堪能できるのである。
車名に表記はないけれど、フルタイム4WDシステムが組み合わされている。前後のトルク配分は通常フロント40パーセント、リア60パーセントていどで、最大フロントに50パーセント、あるいはリアに100パーセントと、走行状況や道路状況で変化する。
高性能モデルではパワーを前後の車輪に効率的に分配することでトルクをコントロールし、よりスポーティに走れるようにするのがBMWの考えかた。M40iはまさにその好例だ。
![BMW X4 M40i インテリア](https://assets-www.leon.jp/image/2018/11/07181229725777/0/6.jpg)
SUVブームから頭ひとつ抜け出したいと思っているひとには、ゆえにBMW X4 M40iを、と言いたい。価格は977万円とけっして安くはないけれど、そこもまたひとつの価値と考えられるひとにはぜひ、である。
先代よりホイールベースは55ミリ延び、全長は80ミリ延ばされている
全長は4760ミリ、全幅1920ミリ、全高1620ミリと先代よりひとまわり大きくなった
M40iはサーキット走行むけのMモデルとふだん使いのBMWモデルの中間に位置づけられているという
全体がドライバーのほうに向いているBMW伝統的なコクピットデザインを継承
シフトレバーの根元にドライブモード切り換えボタンがあり「スポーツ」を2回押すとよりダイレクトな操縦性の「スポーツプラス」モードになる
Mスポーツのスポーツシートが備わる
荷室容量は525リッターで使いやすそう
ボディ側面丈夫のエッジのきいたキャラクターラインが魅力的だ
トランク部分にすこしノッチ(段)をつけたスタイルは他社にも影響を与えた
先代よりホイールベースは55ミリ延び、全長は80ミリ延ばされている
全長は4760ミリ、全幅1920ミリ、全高1620ミリと先代よりひとまわり大きくなった
M40iはサーキット走行むけのMモデルとふだん使いのBMWモデルの中間に位置づけられているという
全体がドライバーのほうに向いているBMW伝統的なコクピットデザインを継承
シフトレバーの根元にドライブモード切り換えボタンがあり「スポーツ」を2回押すとよりダイレクトな操縦性の「スポーツプラス」モードになる
Mスポーツのスポーツシートが備わる
荷室容量は525リッターで使いやすそう
ボディ側面丈夫のエッジのきいたキャラクターラインが魅力的だ
トランク部分にすこしノッチ(段)をつけたスタイルは他社にも影響を与えた
● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。