2019.03.16
サピエンスとテクニウム
AIが一般化しつつあるいま、IoTなどデジタルテクノロジーは、人が知覚しないところへと普及しつつある。そんな時代に、いま読むべき本をご紹介いたします。
- CREDIT :
文/高橋大(LEON.JP)
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2019/03/14074516559585/1600/IMG_4340.jpg)
LEON.JPのタカハシです。
大人になるとなかなか文学作品に手を出しづらくなる。
時間を割くなら、実践的な情報を求めてしまうから? 余裕がないの、いやですね。
村上春樹訳 レイモンド・カーヴァー「大聖堂」(中央公論社)
というわけで短編がいいかな。ちょいっと読めて。
で、これは村上春樹の翻訳。とても読みやすいのでオススメ。
ふっと時間軸を変えてくれて、ひととの関わりを一瞬立ち止まって考えさせられる。
バリバリ働いている忙しいひとに読んでもらいたい本。
「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之 訳(河出書房新社)
大ベストセラーなので、読んだ方も多いでしょう。
今さらながら面白かった。
狩猟採取から農耕、認知革命、言語とコミュニケーション。
会社、国、宗教など、人間が生み出した虚構現実。
どの章も興味深いオピニオン。
さて、自らをホモサピエンス(賢い人間)と名乗る我々の行く末は?
「テクニウム/テクノロジーはどこへ向かうのか?」K.ケリー 服部桂 訳(みすず書房)
ケヴィン・ケリーはホールアースカタログに参加し、ワイヤードの創刊編集長をつとめた人。
いま意識の高いビジネスマンに人気の「ファクトフルネス」とか読んで目鱗になっている方におすすめしたい、なかなか衝撃的な本です。まだ読了していないのですが。
ざっくり言えばテクノロジーはかぎりなく生命のように進化をしている、的な。
なんだかSFチックな臭いがしますが、まじめなデータに基づいた論考です。
ケヴィン・ケリーさんのお話しはワイヤードウェブなんかでも見られますが、とても興味深い。
ホールアースカタログといえば忘れちゃならないのが、この方。
スチュアート・ブランド。
「地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト」スチュアート・ブランド 仙名 紀 訳(英治出版)
この方の本のテーマは地球。もう結構前に出てたみたいですが。
まださわりしか読んでないので詳しくはまたの機会に。
世界の枠組みがものすごいスピードで再編されている時代にあって、自分の立ち位置を明快にとらえ続けることがいかに難しいのか?
を、様々なビッグシンカーが異口同音に発信している感。
つまり、いま必要な視点は俯瞰も俯瞰、「宇宙」くらい離れてみないと、ということか。