2020.03.03
インドで見聞きし、ちょっとビックリした10のアレコレ
インド料理好きな筆者がついに聖地インドへ――。6日間の旅でちょっとびっくりしたこと10をご紹介します。
- CREDIT :
文・写真/秋山 都
カレーの聖地、インドへやってきました。
好きな食べ物はなに? と聞かれるたびに「鮨、蕎麦、ステーキ、生肉、シウマイ、キクラゲ……」と答えておりますが、そのリストも月日に応じてアップデートされております。
最近、トップ5に入ってきたのが「インド料理」。それも、米が主食で魚をよく食べ、さらりとしたテクスチュアのカレーが多い「南インド料理」にハマり、いつかは行ってみたいと思うようになりました。
そこで思い切ってでかけたのが、南インドの中心都市であるチェンナイと、インドきってのビジネスシティであるムンバイです。滞在した6日間×3食ほぼすべてインド料理を食べていましたが、今日はそこにはあえて触れず、インドでちょっと意外だった10のアレコレをご紹介しようと思います。
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国民の8割がヒンドゥー教徒であるインドで、牛が神聖な動物として大切にされているのはよく知られています。ヒンドゥー教徒はビーフを食べないので、インドの「マクドナルド」のハンバーガーは牛肉でも豚肉でもなく、チキンがメイン。
よくテレビなどで見るように牛は街のなかをウロウロしていますが、このように街路樹や民家の軒先に括りつけられた牛たちもよく見ました。この牛たちはその地域でお世話されている、地域猫ならぬ‟地域牛”。大変痩せている牛も多く、「大切にお世話する」イメージは日本とインドでちょっと異なるようです。
しかしこの牛たち、夜はどこで眠るのでしょうか……・。
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信心深い南インドの人々の風習「コーラル」は、毎朝家や店の入口にカラフルなチョーク粉で花や吉祥文様を描く、というもの。これは家の女性の仕事で、その家や店の繁栄を願って描いているのだそうです。
綺麗でいいなぁと思うものの、毎朝早くから絵を描くのはなかなか大変そうだな、とも。これら文様をプリントしたマットを置けばいいのに、なんて思いましたが、この「コーラル」は人に踏まれて消えていくことでご利益があるとされるのだそうです。
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これは、ヒンドゥー教の聖地といわれるカンチプラムで、とある寺院にお詣りしていたときのこと。ふと気づけば、私たちの後をついてくるインド人の二人連れ。
「・・・・・・」
何も言わずについてくるので、物売りでないことはわかりましたが、いったい何だろうと少々気味悪く思っていたところ、おずおずと話しかけてきました。
彼ら「ホェア アーユーフロム?」
私たち「ジャパン、トーキョー」
彼ら、パッと目を輝かせて
「ピクチャー、トゥギャダー、OK?」
つまり、彼らは私たちと一緒に写真が撮りたかったというわけ。数年前にインドで外国人と記念写真を撮影するのが流行ったと聞いていましたが、インドでも田舎の方から聖地巡礼にやってきた彼らにはまだ外国人(私たちのこと)と写真を撮るのが特別なことだったようです。
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ちなみに上の写真で私の友人が着ている巻きスカート状のものは「ドーティ」。長方形の布をグルグル巻きつけて着用します。白地にゴールドの縁取りが正装のようでしたが、日焼けした肌によく似合っていますね。
日本から同行した友人はこの「ドーティ」をテーブルクロス代わりに購入していました。木綿だし、使いやすそうです。
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私たちが外国人だからでしょうか? インドの人々はこちらをまじまじと見つめてきます。たとえば欧米では目が合うとニコッと微笑んだりすることもありますが、インドの人々の口元はチラとも緩みません。とはいえ、敵意を持っているわけではないみたい。なにしろ目が大きくて眼力が鋭いので気になりますが、見つめられたらこちらも負けじと見つめ返すようにしました。
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チェンナイの町の至るところに貼られていたこのポスター。写真はこの方だけじゃなく、いろんな人のバージョンがあるのですが、そのどれもが結構シニアな方ばかり。
選挙ポスターかな? と思いましたが、なんとこれ、訃報を知らせる死亡広告なのだそうです。
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「Yes」のときに首をタテに振り、「No」のときに首をヨコに振る。これは万国共通のジェスチャーだと思っていましたが、インドで首をヨコに振るのは「Yes」のサイン。正確には「首をかしげる」ほうが近いかな。
カースト制度の残るインドにあって、仕事は原則的に世襲制。ただ、IT系など新業種はカーストに関係なく仕事に就けるのだとか。97年から02年まで大統領を務めたナラナヤン氏はアウト・オブ・カーストと呼ばれる最下層民として生まれながら苦学の末に大統領まで登りつめ、立志伝中の人となりました。
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いま日本で一時的に騒動になっているこの問題は、インドでは永続的。トイレではお尻を左手で洗うのが一般的なため、かなり綺麗めなトイレでもペーパーがないことがあります(代わりに蛇口やシャワーが設置されています)。ホテルなどでワンロール調達して、持ち歩くのがよいでしょう。
ちなみにお尻を拭く左手は不浄の手ですので、誰かにモノを渡す際にも右手でどうぞ。
10.サリーの下は?
というわけで、郊外のドライブインのトイレへ向かった筆者。ドアを開けたら、サリー姿の女性がシャワー片手にお尻を洗っているところでした。
「X&#%W%%%」
ビックリして、言葉にならない「失礼しました」の意を伝えたあとでドアを閉めましたが、そのとき私の眼はすかさず捉えていました。
サリーの下はノーパン。考えてみたらお尻をシャワーで洗うのに、いちいち下着を上げ下げするのは面倒ですよね。日本も和服時代には下着を履かなかったようですし、ドキドキしながらも納得したひと時でした。
ほかにも日本ではなかなかお目にかかれない大きさのドーサや、ゾロアスター教徒の鳥葬にまつわるエピソードなど、さまざま驚いたインド滞在でした。南インド研究は、これからも個人の愉しみとして続けていきます。
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