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2023.02.10

京都・祇園の中心にこんなショップが⁉︎ 新生「T.T」に潜入

歴史ある料亭やお茶屋が軒を連ねる京都・祇園。その中心に位置する“総合芸術空間”「T.T」へお邪魔しました。大正時代初期に建てられた町家を改装して、1階はアパレル店舗、2階は茶室に。唯一無二の空間は趣きたっぷりで、時間を忘れて長居してしまいました!

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文/武田一希(LEON)

どうも、Netflixオリジナルドラマ『舞妓さんちのまかないさん』に大ハマりしている、LEON編集部の武田です。

ゆえに京都行きたいな〜、なんて思っていたら、なんと! ドンピシャなタイミングで「T.T」さんにご招待いただき、京都・祇園のショップへお邪魔してきました!
大正時代の町家を改装した総合芸術空間「T.T」
▲ 大正時代の町家を改装した総合芸術空間「T.T」。
「T.T」とは、デザイナーで現代美術家の髙橋大雅さんが2017年に立ち上げた「Taiga Takahashi」を前身とするファッションブランド。神は才能ある人間を欲しがると言いますが、髙橋さんは2022年に若干27歳にして逝去され、彼の意思を継ぐべく、2023年秋冬シーズンからブランド名を新たに再出発するのです。

髙橋さんは10代の頃からヴィンテージの服や生地の蒐集をし、その数は実に2000点以上。「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」をコンセプトに掲げるブランドはそんな経験から、否、彼が幼い時から潜在的に意識していたことの表現の場としてのブランドだったのかもしれません。いや〜、僕、同い年なのですが、尊敬です。
店舗へ入ると髙橋大雅さんによるアート作品がお出迎え。©︎髙橋大雅_'無限門', 2021, 玄武岩, 86.5 x 126 x 85.5 cm
▲ 店舗へ入るとアート作品がお出迎え。©︎髙橋大雅_'無限門', 2021, 玄武岩, 86.5 x 126 x 85.5 cm
で、そのコンセプトは花見小路の裏通りに位置するショップにも表現されています。大正時代の初期に建てられた町家を改装し、木材はすべて日本各地の神社の廃材を使用。元々呉服店であった1階をアパレルを販売する店舗に、茶室であった2階は予約制の立礼茶室「然美」として使用するなど、その建物の歴史を引き継ぎながら、さらに未来へと繋げているんですね。
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髙橋大雅さんと和泉正敏さんとの共作。©︎髙橋大雅_'無限塔', 2021, 玄武岩, 左:21.3 x 21.3 x 200 cm 中央:17.4 x 17.4 x 200 cm 右:21.3 x 21.3 x 200 cm (1)
▲ 髙橋大雅さんと和泉正敏さんとの共作。©︎髙橋大雅_'無限塔', 2021, 玄武岩, 左:21.3 x 21.3 x 200 cm 中央:17.4 x 17.4 x 200 cm 右:21.3 x 21.3 x 200 cm (1)
店舗の奥には、和泉正敏さん個人の作品も。
▲ 店舗の奥には、オープン時に和泉正敏さんから贈呈された作品も。
そんな同店は、単にアパレルショップや茶室ではなく、“総合芸術空間”を標榜。店内には、かのイサム・ノグチさんの石の彫刻作品を20年以上支えた石彫家の故・和泉正敏さんとの共作による作品が展示されています。
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日本的な空間と欧米の空気を感じるアイテムとのコントラストが新鮮。
▲ 日本的な空間と欧米の空気を感じるアイテムとのコントラストが新鮮。
店内の大部分は、クギを使わない日本建築の伝統技術「木組み」を採用。また、服の展示についても、服が宙に浮いているように見せながらハンガーはヴィンテージのものを使用するなど、挙げればキリがないほどのこだわりに脱帽したのであります。

展開前の2023年秋冬コレクションも特別に見せていただきました。自身の服飾コレクションをリバースエンジニアリングの観点から研究し、素材や縫製など徹底的にこだわった服は、どれもほかではお目にかかれないシロモノ。
一目惚れして購入したブランド定番のベルト。2万4200円
▲ 一目惚れして購入したブランド定番のベルト。2万4200円
僕は定番アイテムであるこのベルトを買わせていただきました。こちらは大島紬に用いられる繊細な技法である奄美の泥染めを施したレザーと、ゴールドの真鍮バックルとを組み合わせた最高級のガチャベルト。ミリタリーモチーフのアイテムを中心に展開する「T.T」だからこその至高の逸品です。使い込んで味の出た姿も楽しみ!
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2階の茶室「祇園茶寮然美」。
▲ 2階の茶室「祇園茶寮然美」。
さて、片方の壁のみで支えられ、浮いたように見える庵治石の階段を上がった2階の茶室「祇園茶寮然美」へ。ここは“茶の湯”の世界を舞台芸術として見立てる空間であり、当然こだわりは半端じゃありません。壁には京都の唐紙工房「かみ添」の職人が手染めした紙を貼り、椅子は「ジョージ・ナカシマ」の家具を手掛ける「桜製作所」へ別注。器も1点ずつ高橋さんが厳選したものが使用されています。
道明寺粉に山椒やチョコレートを合わせた「凍ゆるむ」と「かぶせ茶 うじひかり」。
▲ 道明寺粉に山椒やチョコレートを合わせた「凍ゆるむ」と「かぶせ茶 うじひかり」。
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梅肉にカスタードやチェリーを合わせた「霜の花」
▲ 梅肉にカスタードやチェリーを合わせた「霜の花」と、ウイスキー知多とほうじ茶に金柑や杏を合わせた「冬茜」。
老舗菓子司2代目の職人が作る創作和菓子と、厳選した茶葉を使用した日本茶やそれを用いたカクテル(ノンアルに変更可)の各5品からなる茶菓懐石(5500円)をいただきました。メニューは月替わりですが、大体2カ月先まで予約でいっぱいなのだとか。確かに、味わってみてその理由がわかりました。速攻でプライベートで予約してしまいました(笑)。
デニムやレザー、パンツなど、100年以上前の服飾資料が並ぶ展覧会『Texture from Textile Vol.2 時間の衣―髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション』
▲ デニムやレザー、パンツなど、100年以上前の服飾資料が並ぶ展覧会『Texture from Textile Vol.2 時間の衣―髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション』。
さて、同店を楽しんだ後は15分ほどクルマを走らせ、西陣の老舗「細尾」が運営するアートギャラリー「HOSOO GALLERY」へ。目的は、3月12日(日)まで開催中の『Texture from Textile Vol.2 時間の衣―髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション』。

髙橋さんが蒐集した2000点以上の服のなかから、1900年代初頭のコレクションを約200点公開している同展。そこに展示される数々のアイテムのデザインやディテールを知ることで、「T.T」のアイテムがどのようにして生まれ、なぜこれほどの魅力をもつのかを感じることができました。

20世紀に起きた装飾をめぐる美意識の変革について知ることもできるので、ファッションがお好きな方はぜひとも足を運んでみてください。

プライベートでも「T.T」を訪れたことはありましたが、今回、より深くその魅力を知ることができました。「T.T」の皆さま、そして僕の飲み友達であり、同ブランドのPRを担う「Seiya Nakamura 2.24 INC」の宮田さん、貴重な機会をいただきありがとうございました!

あ、空き時間に『舞妓さんちのまかないさん』の聖地巡礼をしていたことは、石井編集長には内緒でお願いしますね〜(笑)。

■ お問い合わせ

T.T
住所/京都府京都市東山区祇園町南側570-120 1階
営業/12:00〜19:00(水休)
TEL/075-525-0402
HP/https://taigatakahashi.com

祇園茶寮然美
住所/京都府京都市東山区祇園町南側570-120 2階
営業/13:00〜18:30(水休)、完全予約制
TEL/075-525-4020
HP/https://rustsabi.com

HOSOO GALLERY
住所/京都市中京区柿本町412
営業/10:30〜18:00(日・祝・年末年始を除く)、入場無料
TEL/075-221-8888
HP/https://www.hosoogallery.jp/

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