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2024.03.20

星野リゾート代表・星野佳路さんと一緒にスキーしちゃった件【後編】

年間の目標滑走日数は80日! それほどまでスキーを愛する星野リゾート代表・星野佳路さんだけに、ご自身が運営するスキーリゾートでは次々と改革が進んでいます。今回はそのひとつ、福島県の「ネコマ マウンテン」の魅力と、星野代表のスキーライフについて取材しました。

CREDIT :

写真/前田一樹(MAETTICO) 文/吉田奈緒子(Web LEON)

星野代表と仲間たちのスキー愛がほとばしる「ネコマ マウンテン」とは!?

星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ スキー愛好家・星野佳路さんを中心に、「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々と一緒にパチリ。
こんにちは、Web LEON編集部の吉田です。

先日、福島県の「星野リゾート ネコマ マウンテン」の取材レポートをお届けしましたが(詳細記事)、コチラはスキー愛好家である星野リゾート代表・星野佳路さんご自身のさまざまな改革案がちりばめられているのが特徴的です。

そのひとつに、今シーズンから南エリア(旧アルツ磐梯)と北エリア(旧猫魔スキー場)が連結リフトでつながり、リフト13基・33コースも有するビッグゲレンデに生まれ変わったことが挙げられますが、その魅力を星野代表とご一緒に滑走させていただきながらお伝えしてまいります。
星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ 雪に映える黄色のウエアやヘルメット、真っ赤なストック、スキー板に至るまでこだわりが感じられる。
取材当日の朝、前日の快晴とは打って変わった天候で不安いっぱいに。霧雨が降り、白いモヤがスキー場全体を覆っていて視界も悪いため、せっかくのセッション実施が危ぶまれましたが、予定よりも1時間遅れでなんとか開始できました。ホッとひと安心。
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黄色のウエアに身を包んだ星野代表が、南エリアの麓ゲレンデに現れたのは午前9時頃。数名のスキーヤーを引き連れています。聞けば、星野代表が主宰する「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々もご参加いただけるとか。大人数のほうが盛り上がるので、ありがたい限り!

ご挨拶もそこそこに、代表に先導されてさっそくリフトからご一緒させていただくことに。

「冬は北半球、夏は南半球で滑って、年間80日の滑走を目指しています」

── おはようございます。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます!

星野代表 いえ、私はただ趣味のスキーに身を投じているだけですから(笑)。

── 代表は毎年スキー滑走日数で目標を掲げていらっしゃいますが、今シーズンは何日ですか?

星野代表 80日ですね。7月からカウントを始めて6月で締めますが、今日の2月1日の時点でもうすぐ50日です。私は花粉症なものですから、花粉から逃れる意味でも毎年3月に入ると日本を離れて海外のスキーリゾートに行くんですよ。今年は3月14日から米国コロラド行きが決まっています。

このツアーは「スキー麓村塾」という名前がついていて、星野リゾート内のスキー場マネジメントを担当しているスタッフと一緒に行き、学ぶ機会をつくっているのです。
── 目標滑走日数は年々増えているんですね! 代表が慶應義塾大学の体育会アイスホッケー部で主将を務めていらしたことは存じ上げていますが、それほどまでのスキー愛はそもそも、どのように生まれたのでしょうか? 
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星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ リフトは2回ほどご一緒させていただき、ご自身のスキーライフを中心にお話を伺った。
星野代表 私は長野県生まれなので幼い頃からスキーに慣れ親しんできましたが、大学時代からしばらくブランクがありました。ところが、2003年にネコマ マウンテン、2004年にトマムの再生事業に関わることになり、世界中のスキーリゾートを視察し、スキーをする機会が増えていくうちに、その奥深さに魅了されていったわけです。

私にとってのスキーは、単に滑走することにとどまりません。スキー場によって異なる山の景色、その地域のグルメや文化を含めて楽しむ“旅”なのです。

── ご自身が発足された「星野グルメスキークラブ(HGSC)」にも、そのお考えが体現されていますね。

星野代表 ええ。SNSでもメンバーを募っていますが、活動には積極的に参加していただくのが前提です。方針として、幽霊メンバーにはいてほしくない。だから、クラブのインスタ投稿に「いいね」しないメンバーは定期的に削除しています!(笑)
星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ ガスった天候のなか、南エリアの「猫魔カフェ」をご紹介してくださった星野代表。
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星野リゾート ネコマ マウンテン
▲ 今回の取材では圧雪したての朝一のバーンを滑らせていただくことに。「フローズン3」は、どんな滑り心地なのか……楽しみ!
リフト上でのインタビューにも気さくに答えてくださった星野代表と一緒に向かったのは、ネコマ マウンテン 南エリアの一番北側に位置する中級コース「フローズン3」。今回の取材では、まだ誰も滑っていない朝一のバーンを滑らせていただくことに。

この“ファーストライド”は人生初体験でしたが……実際、その滑りやすさにものすごく感動した次第です! スキー板を軽〜くコントロールできちゃう気持ち良さときたら──。これまでのスキー経験の中で最高の滑りができ、今も感触が残っていて、またあの特別な体験をしたいと願ってしまうほど。
星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
ご覧ください! 星野代表のこのダイナミックな滑りにも、ファーストライドの素晴らしさが表れているかと。ご希望者はチケットカウンターで申し出れば、営業の開始時刻8:30よりも15分早い時間帯に利用できるようですよ。

ゲレンデだけでなく、非圧雪バーンも滑り込んでいる代表だけに、ゲレンデ奥のバックカントリー可能エリアへもリードしてくださいます。
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星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ ゲレンデ奥のバックカントリーエリアにも、積極的に引率してくださる星野代表。
星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ 活動の記録を撮ろうという姿勢にもリーダーシップを感じ取れた。
「こういった所を滑ると、けっこうイイ写真が撮れるんですよ」と、米国ボストンで購入したというレトロなデザインのバックパックから代表が取り出したのは一眼レフカメラ。「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々が木々の間を滑走する姿を、一人ひとり捉えていらっしゃいました。

こうして活動の一旦を目の当たりにさせていただいているだけで、代表の熱烈なるスキー愛がジワジワと伝わってきます。
星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ ソールのネオンカラーが映える、『ヴェクターグライド』のスキー板。
スキー板にもこだわりが。現在12本お持ちという星野代表が一番愛用しているのは、長野県が出自の日本ブランド『Vector Glide(ヴェクターグライド)』のオールマウンテン向き最上級ライン「GENIUS Narrow」。全体的にやや幅広の板がパウダースノーでも浮力を得られやすい設計なのは一目瞭然ですが、トップやテールのデザインも個性的です。

スキー板といえばヨーロッパ製しか使ったことのない私にはすごく新鮮で。代表のスキー板はレンタルストアでも見たことがなく、あまり量産しないブランドの姿勢が感じ取れました。
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星野リゾート ネコマ マウンテン 星野佳路さん
▲ カメラマンの要求どおり、“魅せ場”をつくることもこなれていらっしゃる。
こうして、約1時間半のセッションスキーを終えた頃には、星野代表のスキーへの熱き想いが伝染し、私自身ももっとスキーを探究したくなっていた次第です。

スイス、オーストリア、カナダの山岳リゾートにも赴き、その運営方法をご自身が手がけるスキーリゾートで参考にしているという星野代表。「南米の果て、パタゴニア地方をスキーで訪れた時のこと。現地のガイドが、『ココはまだ最果てではない。南極でもスキーができるんだ』と言ったのです。大変驚きました。この世界最南の地で冒険スキーをすることが、私の当面の目標です」。
そう熱く夢を語ってくださった星野代表と「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々と再会の約束をして別行動となった後、私たちが向かったのはネコマ マウンテンの北エリアです。
星野リゾート ネコマ マウンテン
▲ 連結リフト「ニャルツチェア」は霧氷に囲まれたエリアを通る。上ったあとに下る長めのリフトゆえ、周りの景色も満喫可能。
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連結リフト「ニャルツチェア」に乗ると、一気に気温が下がったのが体感でわかりました。周囲の真っ白に化粧した木々の枝「霧氷」を見れば、気温が低下したのは明らか。小さな氷の粒や雪が風に乗って顔にバチバチと当たるので、油断大敵、フェイスマスクを持ってくるべきでした……。これだけ寒ければ、北エリアのほうがゴールデンウィーク頃まで雪が残っているのも納得です。

雪山中腹の新レストランをハブにして、上部のコースで滑りに没入!

気温の低下に伴い、北エリアのほうが南エリアよりもコースの雪面はギュッと締まっていた印象。でも、ガリガリのアイスバーンではなかったので、決して滑りにくくはありませんでしたよ。今回は二日間でいろいろな雪面を滑りましたが、状態によってこんなにも滑りの印象が違うのかと、改めて実感した次第です。
星野リゾート ネコマ マウンテン
▲ パークエリアには、トップライダー用をはじめ、大小さまざまなキッカーで遊べる。
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実はネコマ マウンテンでは、南エリアと北エリアが統合される以前から、国際スキー連盟公認のスノーボードビッグエア大会が何度も開催されており、そのためのパーク整備は日本随一。これまで、スノーボード界のレジェンド、ショーン・ホワイト氏も参加しており、星野代表はスノーボードに対する理解も深いことを窺い知ることができます。

北エリアのパークエリアにはさまざまな大きさのキッカー(ジャンプ台)があり、ボーダーもスキーヤーも自分のレベルに合わせて遊ぶことができますよ。
星野リゾート ネコマ マウンテン 「The Rider's」
▲ 新規オープンのカフェ&ラウンジ「The Rider's」は、南エリア上部の初級から上級までのさまざまなコースのちょうど終着点に位置する。
そろそろランチタイムでしたので、再び「ニャルツチェア」で南エリアに戻って腹ごしらえ。案内された場所は、今シーズン新たにオープンしたカフェ&ラウンジ「The Rider's」です。コチラにも、星野代表のこだわりが反映されています。
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国内の多くのスキー場において、飲食店はゲレンデ麓で営業しているケースがほとんど。せっかくリフトを乗り継いで気に入ったコースの滑りに夢中でも、お腹が空いたら麓まで降りなければなりません。いっぽう、「The Rider's」は山の中腹に位置するので、サクッと食べたらすぐに上部のコースに戻れる次第。

また、代表自ら何度も試食して完成したという「ライダーズバーガー」や「ソースカツサンド」は、どちらもボリューム満点。滑り倒して腹ペコなスキーヤー&ボーダーにとって、肉々しくて高カロリーなのに、都会のカフェのようなクオリティーのフードは大歓迎! 熱々クリーミィなクラムチャウダーもオンメニューされており、スキー場で食べられる一般的なラーメンやカレーとは一線を画するお洒落さです。
取材2日目の午後、終了の時間が近づくにつれて、後ろ髪を引かれるような気持ちに。この広〜いネコマ マウンテンを滑り尽くすには、最低3日間は必要なんじゃないでしょうか!? また、戻りたい……!

ここ数年、スキーは年に1〜2回滑る程度でしたが、今回の取材をきっかけにスキー熱が一気に上がってしまいました。星野代表には「年に20日滑れば、バックカントリーなりどんな条件でもうまく滑れるようになりますよ」とアドバイスされましたが、まずは2〜3年以内に“年10日”滑走を目標にスキー技術を向上させつつ、同時に地元の食などスキーライフも楽しみたい! そう、強く誓ったのでした。
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LEON読者のみなさまのなかには、若かりし頃にエンジョイしたスキーから離れてしまったという方も多くいらっしゃるかと。かつてのスキーブームの頃から年月がだいぶ経ち、こちらのネコマ マウンテンをはじめ、スキーヤーズファーストの改善・進化したスキー場に淘汰されながら、マテリアル自体が以前よりも格段に取り回ししやすくなっていますから、昔ガシガシ滑っていた方々にカムバックをしていただきたく! 

量・質ともにすばらしい日本の雪山を、外国人だけでなく、日本のオヤジさまたちにもぜひ楽しんでいただきたいのです。

星野リゾート代表・星野佳路さんと一緒にスキーしちゃった件【前編】
星野リゾート ネコマ マウンテン

■ 星野リゾート ネコマ マウンテン

詳細はコチラ
(2024年5月6日(月)までオープン予定。※最新情報はウェブサイトにてご確認ください)

■ 星野リゾート 磐梯山温泉ホテル

所在地/福島県耶麻郡磐梯町(やまぐんばんだいまち)大字更科字清水平6838-68

予約・お問い合わせ/TEL.050-3134-8094

詳細はコチラ

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