2020.09.02
これからのモテを考えた。美人連載と奥渋の名店
すでに2年にわたり50人近い美女たちのプライベートに迫ってきた連載「美人はスーパーカーである」。そのインタビュアー、林伸次さんは渋谷のバー「bar bossa」のバーテンダーでもあります。彼が店で働く様子に心打たれつつ、これからの「モテ」について考えてみました。
- CREDIT :
文/森本 泉(LEON.JP)
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ワタシが担当している連載「美人はスーパーカーである」で美人さんのインタビューをお願いしている林伸次さんは(ご存知の方も多いと思いますが)、作家にして奥渋谷にある「bar bossa(バールボッサ)」というワインバーのオーナーバーテンダーさんでもあります。
美女連載は、開店前のお店にゲストの女性をお呼びして、林さんが1対1でお話を伺うというスタイルを続けています。
▶【連載】「美人はスーパーカーである/恋愛編」はこちら
連載の打ち合わせでお邪魔して以来、ワタシも何度となく足を運ばせていただいているのですが、こちら、実はこの地ですでに20年以上の歴史を誇り、多くの著名人や社会的地位の高いお客様を抱える超有名店。お仕事のご縁がなかったら怖くて近づけない敷居の高さなのですが(笑)、いざ、客となって通ってみると、本当に居心地が良く素晴らしいお店なのです。
この店は他と何が違うのか? 辛口の白ワインを飲みながらそんなことを考えてみたのですが、まず、思い至ったのが、この店にはいつも、いい「気」が漂っているということです。
取り澄ましたお上品な感じではなく、かといってガヤガヤとうるさくせわしない感じでもなく、店内には適度な緊張感とリラックス感がいつも同じように漂っています。客の誰もが楽しそうに笑顔でグラスを傾け、声高にならない程度に会話を楽しんでいます。そしてもちろん、その空気を作っているが林さんです。
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そこで培われた「聴く力」こそ彼の最大の武器なのではないか、そんな風に思いました。「聴く力」は人と対面すれば「聞き出す力」ともなります。その力はLEONの連載でもいかんなく発揮されています。うら若き女性が、初めて会う中年のおじさん(失礼!)と密室で1対1になって、そこから1時間半で人生の一番恥ずかしい話や、エロい話、楽しい話、辛い話を語っちゃうんですよ。
林さんは占い師でもなければ精神科医でもないのに。これはすごいスキルだと思うのです。親にも彼氏にも親友にも言わない話をそれだけの短時間で聞き出してしまうというのは、やはりある種の特殊能力=スペックだと思います。
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今のインタラクティブな時代において重視されるのは、通じ合うこと。そして通じ合うために必要なのは相手を理解するためのコミュニケーション能力です。例えば下世話な話、どこぞのオヤジの「千人切り」がしょせん一方的な自慢話でしかないとすれば、林さんの「千人聴き」(もっともっと聴いてると思いますが)は、それだけ多く「通じ合った」という意味において、より「モテ度」が高いと賞賛されるべきではないでしょうか。
●ちなみに林さんの連載はこちら
【連載】林伸次の「美人はスーパーカーである」
【連載】「美人はスーパーカーである/恋愛編」
●そして林さんが美人さんたちと話して思ったことはこちら
【総集編】美女45人の知られざる“恋愛”生態を総決算!