すっかり秋の装いとなった街を歩いていると、ふと香るのは金木犀……。
毎年、この季節になると、ある「事件」を思い出します。それは、ある日親戚の家に遊びにいったわたし(小学校低学年)が、トイレに吊り下げられていたピコレットを初めて見て、「わぁなんだか美味しそうな匂いがする……」と、指で削って口に入れてしまったこと。その後、これは身体に悪いのではと我ながら不安になったことから親に「(芳香剤を)食べちゃった」と告白し、なんと食い意地の張った子だと叱られた、自称「ピコレット事件」です。あのピコレットには「きんもくせいの香り」と書いてあったっけ……。と、金木犀の香りが秋風にのって漂いだすと、あのころのわたしの無垢な食欲を思い出して切なくなってしまいます。天高く、馬肥ゆる秋。ピコレットだって食べちゃう秋……おっと、そろそろ本題に入りましょう。
有名バー70軒をホッピングできるカクテルの祭典
◆東京カクテル7デイズ
なかでもカクテルは最近のミクソロジーブームもあって、ここ数年で大きく進化していますが、バーの(往々にして)重厚なトビラが開けづらく、なかなか新しい店にチャレンジできないという方も多いでしょう。そんなご同輩におすすめしたいのが、現在開催中の「東京カクテル7デイズ」(10月31日まで)。
これは、東京の有名バー70軒が参加しているいわば、カクテルの祭典。上のパスポートに記載されているバーのそれぞれオリジナルカクテルをスペシャル価格1000円(税サ別)で楽しめるほか、30以上もの各種オンラインセミナーに無料参加(要予約)できるというもの。パスポートには1000円チケットもついてくるので、1杯は実質無料で楽しめるという、太っ腹な企画です。
2017年より開催されているこのイベントは当初4月に予定されていたのですが、新型コロナウイルスのため10月に延期。期間をひと月に延長して開催されているため、今年は特におすすめです。
さあパスポートを手に、バーホッピングへ繰り出しましょう。
17時~1軒目「B&F」(新宿)
こちらは同じビルの中にある「Bar BenFiddich」の姉妹店としてオープンした、日本初のフルーツブランデー専門バー。日本未入荷のフルーツブランデーをいろいろお試しできるのも楽しい1軒です。
哺乳瓶を卒業してから数十年経ちますが、まさかこの年でもう一度赤ちゃんミルクを飲むことになろうとは。でもこの「はいはい」は豊富な栄養素がバランスよく配合されているため、高齢者の方にも人気なのだそう。なるほどね……そのうち「はいはいダイエット」とか「はいはいファスティング」とか流行るんでしょうか?
18時~2軒目「Bar BenFiddich」
世界中から酒好きが集まるため、普段はなかなか入れないのですが、いまは外国人ゲストが少ないので狙い目。この日は18時のオープンに合わせて一番乗りしました。
19時~3軒目「SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU」
「SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU」はテキーラブランド主催のカクテルコンペティションで世界一に輝いた江刺幸治さんが率いるバー。実は先日「The SG CLUB」でカクテルペアリングを楽しんだ際、偶然同席していたのが江刺さんだったこともあり、ぜひ一度伺ってみたいバーなのでありました。
20時~4軒目「Jeremiah」
「ジェレマイア」はバー業界のレジェンド、ジェリー・トーマスの本名。彼が活躍した1800年代のカクテルをツイストしたメニューが多くのカクテル好きを惹きつけています。
普段なかなか新しいお店にチャレンジする勇気のない私にも、気になっていたバーのトビラを開けるきっかけを与えてくれる「東京カクテル7デイズ」。パスポートを片手に今夜も繰り出そうかな。
東京カクテル7デイズ
期間/10月1日~31日
パスポート購入&お問合せ/https://cocktailbar.jp/7days
*参加している各店舗は新型コロナウイルス感染予防に努めています。