• TOP
  • FROM EDITORS
  • 猫も杓子も踊り子も、みんな恋をしたロートレックのポスター展が開催中

2017.10.24

猫も杓子も踊り子も、みんな恋をしたロートレックのポスター展が開催中

文/冨永麻由(LEON.jp)
夏目漱石が英国に留学し、都電が設立され、 東京で(ペスト予防のため)ネズミの買い上げが一匹5銭で始まった1900年、パリでは万国博覧会が開催されました。ちょうどその年に頂点を迎えたフランスの華やかな「ベル・エポック(良き時代)」は、のちに「レ・ザネ・フォール(狂乱の時代、アメリカでいう「ジャズ・エイジ」)と呼ばれる1920年代に向かっていくことになるのですが、そのあたりの時代のフランスは何はともあれおもしろい。
null
そのおもしろさ(と、そうした時代に対する愛)をぎゅっと詰め込んだ映画がウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』なのでしょうが、先日ロートレックの展示に行ったあと、この映画をどうしても観返したくなりました 。
現在、三菱一号館美術館で開催されている「パリ♡グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展」では、19世紀末にパリで大流行した版画・ポスターの足跡を、大スターアーティスト、トゥールーズ=ロートレックという人物を中心に辿っています。図録のキャッチコピーは「19世紀末パリ、猫も杓子も踊り子も、みんな版画に恋をした。」。
null
そのキャッチコピーの通り、華やかな時代の華やかな街を写しとった、あるいは形づくった色鮮やかな版画やポスター、図録などがずらりと並べられています。観ているだけで心躍るようなグラフィックからは、当時の活気や喧騒が伝わってきます。
すっかり当時のフランスに魅せられ、翌日には早起きをして 映画、『セザンヌと過ごした時間』を鑑賞してきました。モネやルノワールといった当時の急進的だった印象派一派から離れた画家のポール・セザンヌと、作家のエミール・ゾラの友情(と確執)を描いたのがこの作品です。こうして同時代のフランスを色々な作品から眺められるのも、この時代の魅力のひとつなのかもしれません。
null
また、当時のモンマルトルのように芸術家たちが集って「文化を生みだした場所」というのは本当に魅力的です。規模は違えど60年代アメリカの「ファクトリー」や日本で言う「トキワ荘」といったところでしょうか。行けるならやはり行ってみたいですね。
大きなエネルギーをもって価値観が組み変わり、芸術家たちが出会って新たなアートが芽吹いたこの時代のフランスを眺めるというのは、人間のひとつのドラマをみているようでとてもワクワクします。展示会も映画もまだ鑑賞できるので、興味のある方はぜひこの興奮を味わってみてください。

●パリ♡グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展

開催期間/~2018年1月8日(月祝)
開催場所/「三菱一号館美術館」 東京都千代田区丸の内 2-6-2
開館時間/10:00〜18:00
入館料/一般 1,700円、高校生・大学生 1,000円、小・中学生 500円

●『セザンヌと過ごした時間』

全国の上映スケジュール/http://www.cetera.co.jp/films/theater/?q=cezanne

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        猫も杓子も踊り子も、みんな恋をしたロートレックのポスター展が開催中 | 編集記 | LEON レオン オフィシャルWebサイト