
2007年、銀座ブルガリタワーと同じ年に誕生したブルガリのチョコレート、「ブルガリ イル・チョコラート」。当初は日本だけで展開されていて、その希少性もあいまって大きな話題となりました。あまりの人気に現在では海外展開もしていますが、発信元はあくまで日本。一粒一粒ハンドメイドで専属のショコラティエにより心をこめて創り出されています。

お話をうかがったのはメートルショコラティエの齋藤香南子さん。優しい笑顔が印象的な齋藤さんにチョコレートづくりの基本から教えていただきます。
チョコレートをつくる作業は、まず「クーベルチュール」と呼ばれる原料用のチョコレート選びから始まります。チップ状だったり塊だったりと色々な形状があるそうですが、これに生クリームやバター、お酒や時にはバルサミコなども加えて、より口溶けのよい状態にしたものが「ガナッシュ」です。


コーティングに使うチョコレートは、まず専用の機械の中で一度50~55度ぐらいまで加熱し、その後、2回温度調整をして、最終的に30度弱ぐらいまで冷やします。その過程でチョコレートを構成する細かい粒の大きさが均質になり、より滑らかなチョコレートに仕上がるのだとか。これをテンパリングというそうです。そうして均質になったチョコレートをガナッシュの周囲全体にかけていきます。
1つのチョコレートを作る作業は、この「ガナッシュ」を作って、それを冷やして固めるのに1日、次にコーティングして冷やすのに1日、さらに飾りつけに1日と、完成までには都合3日を要するとか。この工房では、そうやって3日で約3000個のチョコレートを生産しているそうです。

続いて齋藤さんが、来年のバレンタインの定番商品「サン・ヴァレンティーノ2018“ルイ・エ・レイ”(彼と彼女)」の新作についてレクチャーしてくれました。

原材料を一から選んで、素材にこだわり味を決めていく作業は料理作りと一緒。とても繊細で作り手のセンスが大きく問われるものだと感じました。
その後、ブルガリ銀座タワー、そしてブルガリ イル・チョコラートの10周年を記念して特別に作られたチョコレートボックス「Decimo Anniversario(デーチモ・アニヴェルサーリオ)」について、ペストリーシェフのファブリツィオ・フィオラーニさんが説明、自ら型抜き作業と金箔などの飾りつけ作業を実演してくれました。

