渋谷、公園通りに誕生した「ホテル コエ トーキョー」は新たなカルチャー拠点になれるか

皆さんお疲れ様、モリモトです。
パルコpart2の跡地にドンと聳える煌びやかな縦格子が印象的なビル。何が出来るのかと思っていましたが、ストライプの運営する「ホテル コエ トーキョー」がオープンの運びとなりましたね。本日からの営業を控えた昨日、8日にオープニングパーティーがありましたので、行って参りました。

久しぶりに公園通りを下から登って行くと、まぁ目立つこと目立つこと。交差点を挟んだパルコpart1もいつの間にかなくなって、ガランとした空間が広がっているため、余計にその威容が際立っております。まさに、ランドマーク。80年代の西武＆パルコ全盛時代を知るオヤジとしては隔世の感がありますね。

さて、このホテルを運営するのは、ストライプインターナショナル。ご存知、女子に絶大な人気を誇るアース ミュージック＆エコロジーなどのブランドを展開する大手アパレルです。その代表は現代アート愛好家としても知られる石川康晴氏。アートへの深い愛情から地元岡山で大規模な国際展まで開催してしまった、異色のカリスマ経営者です。

その彼は当然、かつての渋谷公園通りが時代の先端を行くカルチャーの発信地であったことをご存知なわけで、今や知性を感じさせない子供の街になってしまった渋谷（個人的意見ですが）を、再び、この公園通りから、大人の街、最先端の文化発信地にしたいという思いがあるのではないでしょうか。その、拠点こそが、今回の「ホテル コエ トーキョー」と考えれば彼がパルコの跡地を選んだ理由も合点がいきます。

石川氏の熱き志を祝福するかのように、オープニングパーティーには幅広い業界から多くの客人が集まり、会場の盛り上がりぶりは凄まじいものでありました。もう本当に金曜夜の田園都市線渋谷―三軒茶屋間状態！　でもそれは喜ばしいことでありましょう。かくも多くの人々がこのホテルに注目しているということは。

「ホテル コエ トーキョー」はこちらのビルの1階～3階。当サイトでも以前ご紹介したように（こちら）、1階が「コエ ロビー」と呼ばれる飲食＆イベントスペースとホテルのレセプション。2階がコエブランドの旗艦ショップ。そして3階が「ホテル コエ」で、４タイプ10室だけのスモールホテルとなっています。

まずは3階のホテルからチェックです。各部屋には出自のアパレルにちなんで、XL.、L.、M.、S.と洋服のサイズ表示の名称がつけられていています。一番大きなXL.は、小上がりの和室があるのが特徴。そう、こちらのゲストルームのコンセプトは「茶室」なのだそう。とはいえ、それほど和を前面に押し出した感じはなく、むしろシンプルでモダンな無国籍風の印象。部屋は交差点に面し、窓からは公園通りの様子が眺められます。

L.には低くて大きなテーブルがあって、窓際には書斎スペースが設けられ、ゲストルームというよりお洒落なオフィスのよう。でも居室スペースのすぐ横にはやたら広いスケスケの浴室が用意されていて何とも刺激的（笑）。そう、このホテル、すべての部屋の浴室・シャワールームはガラス張りなんです！

M.はほどよい広さ。壁には大きなアートが飾ってあります。そしてS.は、まぁ寝泊まり専用と言った感じ。正直、狭いですが、ベッドは大きいので遊び疲れて眠るだけなら十分でしょう。アメニティなどは、大きい部屋と変わりませんし。

この3階フロアには、宿泊客専用のラウンジもあり、ギリギリまで照度を落としたバーカウンターやテーブル席もあって、恋の語らいにもぴったりかと。さらに、奈良美智の絵が飾られた個室スペースもあります。ちなみにアートは各部屋に飾られている他、フロア内通路にもデジタルアートが展示されているなど、さすがのこだわりぶり。

2階はコエのショップ。男女両方のアパレルの他、生活雑貨なども揃えるコエですが、全体に価格もリーズナブルな割に、意外に攻めたデザインの服なんかもあって、眺めているだけでなく、衝動買いの楽しみもありそう。

1階は、代官山の人気フレンチレストラン「Ata（アタ）」が手掛けるベーカリーレストラン。立ち飲みできるカウンターやゆったりしたテーブル席もあって、きっと寛げる空間なのでしょうが、この日は人が多過ぎて、何が何やらわかりません。DJブースが常設され、定期的にゲストDJやアーティストを招いてのイベントも計画されているそう。その雰囲気だけは、感じられました。

というわけで、渋谷の新たなランドマークとして誕生した「ホテル コエ トーキョー」。こちらを拠点に、世界に発信できるカルチャーが生まれ、街に新しい風を吹かせることが出来るか、期待しつつ注目でございます。