瀬戸内のナイトシーンが盛り上がってます！

個人的に何かとご縁のある中国・瀬戸内地区ですが、この夏も何度か訪れる機会を頂戴しました。
ただ今夏は、広範囲にわたる水害の影響で予定されていた夏のイベントは相次いで中止になり、被害にあった地区はともかく、被害を免れた大半の地区も観光客の激減などで間接的な被害を被ってしまったそう。
僕の友人・知人も今なお、時間を作っては被災地区のボランティアに出ているようで、確かに例年の夏と同じとは違う、特別な夏となったようです。

が！そんなネガティブなことじゃいけん！とばかりに地域活性に挑んでいるのが音楽＆飲食業界。特に、古くなったビルをリノベーションして、東京でもお目にかかれないような魅力的かつ個性的なエンタメ空間として利用されている2軒をご紹介します。

まず一軒目は広島ではメジャー中のメジャースポット『EIGHT（エイト）』。

こちら中区新天地という、まさに広島の歓楽街のなかに位置するダイニング・バー。商業ビルの6階とは思えないほどの巨大な空間が圧巻です。もともと映画館として作られた空間だそうで、その面影はキャットウォークのような作りの２階フロアと巨大なスクリーンに残ります。

天井高を高くとった開放的な空間は、とはいえ客単価が最重要視される飲食業としては贅沢の極み！まず東京では実現不可能な空間でしょう。

ユニークなのはそのフロアの構成。メインフロア、ダイニング、バー、個室と大きくエリアが仕切られながら、メインフロアと個室は靴を脱いでソファ（というかベッド？）に足を投げ出してくつろぐようになっています（というか、個室は完全にベッド状態！）。

さらに驚かされるのが中央に配置されたDJブース。音響のプロ曰く「これだけで1000万以上はする高級機」とか。しかも機材はアナログ音源専用！DJブースには数千枚は所蔵できそうなレコードラックもあり、いかに音楽にこだわっているかが見て取れます。

こだわりは音響機材にとどまらず、調度品やディテールにまで見て取れ、東京でこれを展開したら、おそらく超人気店になると同時に、超高級店になるはず。ですが、120分飲み放題のディナープランが2000円、と驚くほどにリーズナブルなところも驚きです。

2軒目は岡山市北区中山下にあるクラブ『YEBISU YA PRO（エビスヤプロ）』。

写真を見ていただいてなんとなくお分かりかと思いますが、実はこちらも元映画館だった場所だそう。

規模は小さいながらも舞台と映写室にその面影が残ります。

普段の営業は主にイベントやパーティーで構成されるため、お休みなどは不定休となりますが、風営法が改正され、改めて全国規模でクラブカルチャーの再興が期待されるなか、岡山のナイトシーンの牽引役となりそうです。

特徴的なのがその選曲と全国から招聘されるDJ陣。“音楽をみんなで共有したい”というオーナーの意向から、選曲はディスコミュージックからレゲエ、ヒップホップ、最新のシティポップまでオールジャンルで展開されます。

なんだか極端な健康志向ですっかり夜が悪者扱いされがちな日本ではありますが、世界に目を向けると特にヨーロッパでは羽目を外して朝まで遊ぶ、なんていうのはいまだに遊びの基本です。

風営法の改正、外国人観光客の増加とナイトエコノミーの活性化。東京をはじめとした大都市圏だけでなく、地方都市の単位でも新たなナイトシーンがこういう場所から生まれてほしいものです！