2022.04.10
■ モテる「カメラの基礎知識」vol.2
こんな写真が撮りたい! 一眼カメラのレンズってどう選ぶ?
スマホで撮った写真ではインスタ映えもイマイチ……。そこで、新しい趣味に「本格写真」を考えている方も多いでしょう。ここではそんなカメラやレンズの選び方、そして基礎知識をシリーズでお伝えします!
- CREDIT :
企画・写真/中西 学 文/TOMOKO 構成/平井敦貴
カメラの次はレンズを選びましょ
ここではそんな一眼カメラを始めたい方に向けて、「カメラの基礎知識」をシリーズでお伝えしていきます。
今回は、「一眼カメラの選び方」編に続き、「交換レンズの選び方」をお届け! 雰囲気のある写真が撮れればSNSでもモテることは間違いありませんよ!
レンズの数字、どういう意味?
多くの場合、キットレンズは「標準域」のズームレンズとなります。例えばソニーの「α7Ⅳ」には、「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」というズームレンズをキットとして付けることができます。
このレンズは単品価格は5万円ちょっとですが、キットで買うと実質半額程度で購入することが可能になります。つまり自分が使いそうなレンズであれば、キットで買う方がお得なんですね。
ただ、キットレンズは良くも悪くも「入門レンズ」の側面があるので、最初からハイクオリティを目指すのであれば、キットレンズではなく、より「明るい(開放F値の低い)」レンズを購入する方が良いでしょう。
レンズの明るさとは?
●FEの意味
レンズのシリーズ名や対応マウントを表します。この場合は「ソニーの35mmフルサイズセンサーカメラ用『Eマウント』対応レンズ」ということを示します。他にもキヤノンの一眼レフ用「EFマウント」やミラーレス用の「RFマウント」、ニコンの「Zマウント」、富士フイルムの「Xマウント」など、それぞれのマウントに対応した文字が入る場合があります。この表記を見ることで、自分のカメラに使えるレンズかどうかを簡易的にチェックすることができます。
●28-70mmの意味
この28-70mmという「mm」の長さは、レンズからカメラセンサーまでの「焦点距離」を表しています。焦点距離が短い方が広角(ワイド)になり、逆に長いと望遠になります。一般的に35mmや50mm前後が標準とされ、おおよそ24mm以下は広角、70mm以上は中望遠、150mm以上が望遠と言われます。
なお、「35mmフルサイズ」や「APS-C」、「マイクロフォーサーズ」といったセンサーサイズによって焦点距離の表記が変わってくるので注意が必要です。
例えばフルサイズセンサー用のレンズで50mmの焦点距離の場合は、APS-Cサイズのカメラだと75mm相当の画角になります。よく「50mm(35mm換算75mm)」という表記をされたりするのはそのためです。
(例)
フルサイズカメラで焦点距離が50mmのレンズの場合。APS-Cカメラだと焦点距離が1.5倍の75mm相当の画角に、マイクロフォーサーズのカメラだと焦点距離が2倍の100mm相当の画角になります。
●F3.5-5.6の意味
レンズの「F値」の最も明るい値(開放F値)を指します。F値は「絞り」とも呼ばれ、この数字が低ければ低いほど撮影できる写真は明るく、被写体の前後が優しくボケるようになります。反対に絞れば絞るほど(F値が高くなるほど)暗くなり、ボケは減っていきます。
この「F3.5-5.6」の場合は、先ほどの焦点距離と連動し、広角側28mmの時に「F3.5」、望遠側70mmの時に「F5.6」までの開放F値を引き出すことができます。きれいな写真を撮るならこの開放F値が低いレンズを選ぶのが正解です。
●OSSの意味
この場合はソニー製のレンズで、レンズ内に手ぶれ補正機構が内蔵されていることを表します。同じ機能はキヤノンでは「IS」、ニコンでは「VR」などと表現されます。また、手ぶれ補正機構の他にも、レンズのグレードを表現する「GM」や「L」といったアルファベットが入る場合もあります。
そこでオススメなのが「単焦点」レンズです。例えば「50mm F1.8」というレンズなら、画角が50mmと固定されますが、その分軽量で「F1.8」という明るさにより美しいボケ表現が可能になります。比較的金額も安く、これぞ一眼カメラ! という写真が誰でも撮れるようになるので、各社から最初のレンズとして広くすすめられています。
他にもポートレートに適した「中望遠(70〜105mm)レンズ」や、鳥や飛行機を撮影するのに必須な「望遠(200〜400mm)レンズ」、スナップ撮影にうってつけな「標準域(24〜70mm)レンズ」、小さな被写体を大きく写せる「マクロレンズ」など、撮影シーンに特化したレンズがさまざまあるので、自分が撮りたい被写体に合わせて買い足していくと良いでしょう。
レンズ別作例集
●風景撮影(広角レンズ:焦点距離12~24mm)
●野鳥・飛行機・サーキット撮影(望遠レンズ:焦点距離200~800mm)
●ポートレート撮影(中望遠レンズ:焦点距離70〜105mm)
●スナップ撮影(標準域レンズ:焦点距離24〜70mm)
●クローズアップ撮影(マクロレンズ:焦点距離90mmなど)
最後に注意点をまとめます。
レンズはカメラごとにマウントが違うため購入時は慎重に選ぶ必要があります。また、同じメーカーのレンズでも一眼レフとミラーレスカメラではマウントが違ったりもするので注意してください。
ちなみに、パナソニック、ライカ、シグマのフルサイズカメラは「Lマウント」と呼ばれ、3社共有のレンズとなります。また、OMシステム、パナソニックなどのマイクロフォーサーズカメラもレンズマウントは規格統一されています。
他にもキヤノンのEFマウントは他社マウントで使える変換アダプターが豊富にあったりするので、手持ちのレンズがある方は検討してみても良いでしょう。
まずは、撮りたいものをイメージしてから、予算や大きさ、実際に手に取った感じなどを参考に購入を検討するようにしましょう。
次回はシーン別の撮影方法を見ていきましょう!(続く)
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中西 学(なかにし まなぶ)
写真家。日本の美を世界に発信したいと思い写真を始める、風景や人々の営みを写真や動画を通じて海外にSNSを通じて発信することを志している。ドローンやVRなど最新機材を使いこなし動画クリエーターとしても 活動し60秒以内で作りあげるショートムービーなど数多く手掛ける。
http://www.ukphoto.co/
https://www.youtube.com/user/glicosmile
・公益社団法人 日本写真家協会 正会員
・一般社団法人 日本UAS産業支援振興協議会 会員(JUIDA)
・Microsoft CERTIFIED Trainer
・dji CAMP Specialist