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2022.12.05

ゲラン調香師、日本酒醸造家との異色のコラボイベントで火花を散らす!?

「ゲラン」の5代目調香師、ティエリー・ワッサー氏の来日を記念して、富山県の前衛的な酒蔵「白岩」にてスペシャルイベントが開催されました。フランス人醸造家のリシャール・ジョフロワ氏との熱いトークセッションで見えたものとは一体……!?

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写真協力/ゲラン 文/吉田奈緒子(LEON.JP)

ゲラン IWA
フランス・パリ発祥のコスメティックメゾン「ゲラン」と、ここ日本・富山県で誕生した日本酒ブランド「IWA」。かたやフランス王室も愛用する名香を世に送り出し、かたやアッサンブラージュ(ブレンド)によるプレミアムな日本酒で世界に勝負を挑む──2022年秋、そんな両者の中核を担う人物たちが「IWA」の酒蔵にて相見えました。
香りの芸術品をクリエイトするゲランの5代目調香師、ティエリー・ワッサー氏と、ドン ペリニヨンの醸造最高責任者として28年間培った技と情熱を日本酒造りに傾けるリシャール・ジョフロワ氏。実は20年来の友人同士であるふたりがコロナ禍を経て、世界に名を馳せる建築家・隈 研吾氏が設計した酒蔵「白岩」にて再会し、異色のコラボイベントが開催されたのです。
ゲラン IWA
▲ 伝統と革新が交差する、隈 研吾氏設計の「IWA」の酒蔵「白岩」。
「白岩」が建てられたロケーションは、日本アルプスの伏流水に恵まれ、水田が広がる自然豊かな環境。曇天が多い日本海側気候にもかかわらず、イベント当日はすっきりと晴れ上がり、遠くに富山湾を見渡せるほどの好天になりました。
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ゲストと作り手が「ひとつ屋根の下」に……

ゲラン IWA
▲ 酒蔵「白岩」の開放感なレセプションエリア。
富山の古い農家からインスピレーションを受けたという酒蔵は、のどかな風景になじむ朴訥な佇まいと近未来的な要塞のような堅牢さを併せもつ雰囲気。ジョフロワ氏が「スペースシップ」と形容する巨大な三角屋根の建物の中に入ると、大きな囲炉裏のような吹き抜けのメインスペース、レセプションエリアが広がります。
ゲラン IWA
▲ 美術館の一角のようなゲランの展示コーナー。
ゲラン IWA
▲ 窓辺に展示されていたのは、ゲランを代表するフレグランス コレクション「ラール エ ラ マティエール」。
ガラス窓に囲まれた開放感溢れるレセプションエリアにはキッチンの設備もあり、こちらが今回の会場に。トラディショナルな日本家屋を彷彿させつつも、まるで美術館のような洗練性に満ちていて、ゲランのインスタレーションがすんなりと溶け込んでいます。ここに身を置くだけでも、ゲランとIWA両者の熱がじんわりと伝わってきて……。
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ゲラン IWA
▲「酒蔵は作り手とゲストの間に隔たりのない、コミュニティのような場所にしたかった」と、ジョフロワ氏。
そんななか、ジョフロワ氏による酒蔵ツアーがスタートしました。「作り手もゲストもひとつ屋根の下に」というコンセプトが表すとおり、まず1階のレセプションからガラス越しに大きなステンレス製の発酵樽を目にすることができます。2階に上がると麹(こうじ)室や酒母室があり、驚くべきはゲスト用の寝室までも1本の廊下を介してつながっているスムーズな動線。なるほど、「人の流れを妨げず、人間工学的に考えられた設計」というのも納得です。
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▲ 熱いトークセッションがレセプションエリアで行われた。
ジョフロワ氏の熱のこもったツアーが終わり、会場の空気がほぐれたところで、この日のメインコンテンツ、ワッサー氏とジョフロワ氏のトークセッションの幕が切って落とされました。
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調香と日本酒作りにおける共通点と相違点

ゲラン IWA
▲ 熱弁を振るうワッサー氏(右)とジョフロワ氏(左)。
香りをアートに昇華させる調香と、1000年の歴史がある日本酒造りに革新をもたらすような醸造。このふたつの大きな共通点といえば、数々の素材を探究・抽出し、アッサンブラージュによって組み立てていくこと。長年の経験・知見に基づき、至高のプロダクトを生み出していくふたりはワールドクラスの職人であり、同時に農作物を原料として扱っている共通点について、お互いに確認し合っていました。
ゲラン IWA
▲ 題材に取り上げられた「IWA」3種と、ブルガリアン・ローズの精油4種のサンプル。
ゲラン IWA
▲ 「IWA」を飲み比べるワッサー氏。
ワッサー氏は4つの異なるブルガリアン・ローズの精油を、ジョフロワ氏はこれまでに造り上げた3つの異なるアッサンブラージュの「IWA」を題材に掲げ、それぞれのクオリティや特徴について意見を交換するうちに、互いの相違点も見えてきました。「IWA」は製造年によって味わいや風合いをあえて進化させることを“個性”としている一方で、ゲランで長く愛されてきたコレクションは、たとえ原材料の出来具合にバラつきがあろうとも、その香りはつねに一定に保たなければなりません。

古き良き伝統を守りながら、次なるフロンティアを追い求め、難局打開のために努力を惜しまない──。ワッサー氏は、言葉の端々に熟練の調香師としてのプライドをにじませていました。
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ゲラン IWA
▲ 俳優・桜田 通さん(右から二番目)もフォトセッションに参加。
話題は環境問題やサステナビリティの取り組みにまで及び、約40分間のトークセッションは幕を閉じました。実は今回のイベントには、俳優の桜田 通さんも参加。セッション終了後、ゲランのフレグランスのファンだという桜田さんはワッサー氏といくつか言葉を交わし、氏が創り出す世界観に感銘を受けた様子でした。
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▲ 「鮨人(すしじん)」の大将・木村氏(中央)も熱い職人魂の持ち主。海外での評価も高い。
そして、イベントの締めくくりに振る舞われたのは、地元・富山の名店として名を馳せる「鮨人(すしじん)」のコースメニューと「IWA」のペアリング。全国の美食家から注目を集め、予約が絶えない鮨店の大将・木村氏はジョフロワ氏と懇意の仲のようで、今回の特別なブッキングが実現した模様です。
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秋晴れの昼下がり、和やかな雰囲気のなかで参加者たちは交流を深めながらランチを堪能し、イベントは閉幕へ。業種の壁を越えて、日仏の類稀なる才能が一堂に会し、それぞれが披露したプロダクトの素晴らしさに触れられたことの充実感。多くの人々を感動させる至高品というものは結局、その道で心血を注いでいる人たちからこそ生み出されるものなのだ。そんな思いを胸に、帰路についたのでした。

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