王道スウェットがお洒落着になる時代が来た
とはいえ、カレッジスウェットといえば、その名のとおり元来は学生のアイテム。大人のオトコが着るのはさすがに子供っぽいのでは? と懸念される向きもありましょう。
でも、ご心配なく。実はいま、大人がレタードスウェットを着るための条件が着々と整いつつあるのです。我々がなんだか無性に着たいのも、そんな時代の空気を察知してのことかもしれません。
そもそもレタードスウェットとは?
90年代には古着屋を“掘りまくった”という御仁も多いことでしょう。胸元を飾るレターの大代表はカレッジ(大学)やカデット(士官学校)のロゴ。ま、要は、カレッジスポーツのアスリートたちがトレーニング時に着る校名入りのスウェットがレタードスウェットの王道なのです。
ところでスウェットとレターの関係は、実はレターのほうが先。そもそもはウールのセーターにパッチであしらわれていたレターは、1930年代にスウェットがセーターに変わりトレーニングウエアの主役になったことを受け、その胸にあしらわれるようになったのです。
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そんなセーターに大学のイニシャルや年号などをパッチであしらったのがレタードアイテムの始まりです。
その後プリント技術の発達に伴い、染み込みプリントやラバープリント、フロッキーなどさまざまな手法で、より複雑にプリントされたカレッジ&カデットレターは、カンパニーロゴやプロスポーツチームのトレードマーク同様、第二次世界大戦以降の“強く豊かなアメリカ”のアイコンとなりました。
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では、ここからはいよいよ、いまレタードスウェットを大人のオトコが着るべき理由を、3つの角度から紐解いていきましょう
◆ 大人がレタードスウェットを着るべき理由その1
もはやスウェットは、お洒落着として定着している。
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そして、シャカシャカ素材やリブパンと並んでその中心的役割を担ってきたのがスウェットです。エレガントなジャケットやコートのインナーにスウェットパーカを挟むといった着こなしは、もはや定番中の定番コーデ。
つまりスウェット自体は、すでに大人が街着として堂々と纏えるアイテムになっているということですね。
◆ 大人がレタードスウェットを着るべき理由その2
アメリカンなテイストが気分。
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ちょっと考えてみてください。現在、レタードスウェットと同じく、バッファローチェックのアイテムやスタジャン、レッドウイングのワークブーツなんかも気分じゃありませんか? LEON1月号でも、フィルソンのマッキーノジャケットを取り入れた装いを提案しました。
そう、これらはすべてアメリカンスタイルのアイコン。だから、こういうものをいつもの装いにひとつ足すことで、とっても効果的にその気分を演出できてしまうのです。この辺の手法はすでにハイブランドのコレクションにも現れています。
つまり、大人のスタイルにわかりやすくアメリカンな記号を差し入れるために、レタードスウェットはとっても便利なアイテムだということ。決して懐古趣味でアメカジをやろうっていうんじゃありませんぞ。
◆ 大人がレタードスウェットを着るべき理由その3
女性を見習えば、取り入れ方は簡単です。
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「女性がやるからボーイッシュがハズしになるんでしょ」というなかれ。大人のアナタは十分にボーイではありません……。ということは、大人の男性が取り入れても同じくボーイッシュなハズしになるということ。
もちろんその効能は、女性と同じアクティブ添えではありませんが、大人のオトコなればこそ、モテる茶目っ気や可愛げが簡単に手に入るのです。
となれば、放っておく手はありませんよね。女性を見習い、大人っぽい装いに巧みに取り込めば、お茶目でお洒落なオトコになれること請け合いですよ。
だから、レタードスウェットを堂々と着るべし!
90年代のアメカジ全盛期を通ってきた我々としては、卒業してもいない有名大学のレタードスウェットを着るのはちょっと気恥ずかしい……なんてついつい考えがちですが、お茶目でアメリカンな気分を取り入れるために着るんですから関係ありません。
むしろ、パロディとして堂々と着ちゃっていいのです。そのほうが、スパイスが効いていて楽しそうですし、わかってる大人の余裕も演出できます。
ついでにサイズ感なども、セオリーを無視して大きめをユルッと纏ってしまいましょう。なにしろレタードスウェットは“あえて”の感が出れば出るほど威力を発揮するアイテムですから。
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要は、ヴィンテージを分かったうえでファッションとして遊んでるな〜、という雰囲気に大人の余裕が薫るのですよ。