【決定版!】「サンローラン」のレザージャケットが元祖で最新な理由とは!?

イヴ・サンローランが稀代のデザイナーであったことは誰しも認めるところ。ですが、誤解を恐れずに言えば、彼はとても優秀なエディターでもあったのではないかと。モンドリアンの絵画にインスパイアされたルックをはじめ、スモーキングやパンツルックをウィメンズの世界に持ち込み、エスニックをファッションとして根付かせて。

本来別にあった概念をリクリエイトする試みは、編んで集める編集的手法にも通じているな、と。そしてそれらすべてが巡り巡るファッション界において、スタイルとして根付いている。「ファッションはすたれるが、スタイルは永遠だ」という彼が残した言葉とともに深く感じ入るわけですね、なんたる偉業かと。そんな彼がリクリエイトしたもののひとつに、かの有名なサファリルックがあります。

今回ご紹介するのは、そんな偉大な先達へのオマージュか、はたまた挑戦か? な逸品。現クリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロによる本作は、ポケットのデザインとベルテッドディテールが目を引くザ・サファリなものですが、これがとても今日的なのは、ベイビーカーフスキン素材とヴィンテージ加工による、どこか退廃的な都会感です。さらに言うと先月号にて我々がご提案したオヤジにうれしい“ポケジャケ”の定義にもピッタリ！ でして、自信をもってオススメする次第。