2019.03.26
【検証】最高級スーツは何が違うのか? その秘密に迫ります
スーツは男のステイタスを表すものだけに、社会的地位ある大人の男には相応のスーツが必要です。では同じスーツでも、大型店で大量に並ぶ「普通」のスーツと、ブランド店の「最高級」スーツは何が違うのでしょう。その違いと魅力を解説します。
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写真/島本一男(BAARL) スタイリング/小野塚雅之 文/池田保行(Zeroyon)
男なら誰もが憧れる極上スーツの魅力とは?
とはいえ、最高級スーツと普通のスーツは、何が違うのでしょうか? 先に答えを申しますと、その2つは「全くの別物」です。巨大な裁断機で100枚単位でレーザーカットされた生地パーツを、効率的な流れ作業で縫い合わせ、最終工程で立体ボディを模したプレス機でプシューッと成形する普通の大量生産スーツは"工業製品"。
一方、名門ブランドの最高級スーツは、既製品でもビスポークスーツのように各パーツを形成しながらアイロンで部分的に生地を伸ばして身体に沿うように立体化し、熟練した職人がひと針ずつ強弱をつけながら縫いあげています。だから、袖を通したときのフィット感がまったく違いますし、そのスーツ作りの考え方の根底からして違うんです。
そんな職人の手作業をふんだんに取り入れた逸品の魅力に迫るため、イタリアの代表的な最高級スーツ3ブランドをご紹介しましょう。
◆ エルメネジルド ゼニア
世界中どこでも通用するビジネススーツの決定版
ゆえに肩パッドも入っていますしフルキャンバスの構築性を残しているんです。それでいて細身のラペルと高めのゴージラインが若々しいイメージで、都会のビジネスマンに似合うスーツとなっています。
鮮やかなブルーの生地をよく見ると複数の色糸を織り交ぜることで深みあるものになっていることがわかります。しかも素材はカシミヤ100%。そのこだわり具合いが伺えるかと。
◆ ブリオーニ
すべてに一流を求めるエグゼクティブのために
厚い胸板としっかりと構築的な肩を持ちながら、着心地はいかにもイタリアンな軽さを誇るこちらのスーツは、スーパー160’sクラスのハイクラスウールを使ったもの。素材も仕立ても一流の名をほしいままにするブランドです。
すぐ左横のピックステッチを御覧ください。ひと針ずつピッチは揃っていますが、糸目の出方が違いますよね。これも手仕事ならでは。これによって縫い目が固くならず、やわらかな着心地となるのです。
◆ キートン
芯地と縫製の絶妙なマッチングによるやわらか仕立て
こちらのスーツは一見ネイビー無地ですが、シャドーのヘリンボーンストライプ。自社で生地をオリジナルで作っている同ブランドらしいセレクトですが、もとを正せば「キートン」は生地商。それゆえ、ありきたりな生地を使わないのも信条なのです。
■ お問い合わせ
キートン 銀座店 03-3573-6053
ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300
ブリオーニ ジャパン 03-6264-6422