敏腕デザイナーが魅せる洒脱なセットアップ・スタイル
世界中のラグジュアリーやストリート等のシーンを知り尽くしたアントスさんは、まさにファッションの達人。今回はそんなエキスパートに、モダンな軽快セットアップの小粋な着こなし方を披露していただきました。
日本製ウールを使った渾身のセットアップ
すでに本邦でも市民権を得つつあるセットアップスーツの装い。ただ、ビジネススーツに馴れている人のなかには、オフのシーンもスーツを着ることに戸惑いを感じる人がいるもの。ですが、セットアップは完全に別モノ。気軽に美しく大人っぽく過ごしたい時こそ、セットアップスーツが最良の手段になるとアントスさんは語ります。
シンプルな装いでも成立するところが魅力
ですが、いくつか注意が必要。それには優れた素材使いと適切な仕立てがセットであること。僕が作るセットアップは日本の尾州、しかも吟味したウール素材を使っています」
また、ゆったり寛いで着こなせるよう、計算されたボックスシルエットにて仕立ててあるので、リラックスしつつもエレガントに着こなせるところが大きなポイント。セットアップ自体に完成度を持たせてあるので、コーディネートはシンプルでも良いのです」
「日本にはシルクアイテムもヨーロッパのトップブランドに負けないクオリティのものがあります。アントストーキョーではそういった高品質の日本製シルクアイテムに目を付け製品にしています。
基本的には自分自身の着こなしはシンプルに徹するのが定番です。しかしちょっと気分を変えたい時など、小さくシルクアイテムを首に巻いても楽しくなると感じています」
パンツの単品使いも洒脱にキマる
シックな表情を持つウール素材のパンツと合わせたなら、カジュアル感と大人っぽさのバランスも良くなります。また、このパンツはウエスト全周をゴムウエストにしているところもポイント。
ストリート風に履く場合はウエスト位置を下げて。逆にドレッシーに履きたい時は、ウエスト位置を上げるとイイ感じになります。この着こなしではジージャンスタイルをキレイめに見せたかったので、ウエスト位置はやや高めにしてみました」
さすがデザイナーだけあって、細かい着こなし配慮がなされています。その他、アクセサリー使いや足下までもキチンと計算されたコーディネートをアントスさんはさり気なく実践しています。
スポーティモデルを選んだのは、単純に重いモノが好きだし何となく落ち着くから(笑)。足下はブラウンのパンツに合わせて同色スエードのプレーントゥ。革靴を選んで子供っぽく見えないようにしてみました。
日本だと縦結びについてよく指摘を受けるのですが、欧州だとこういった結び方もひとつのスタンダード。これに関してはヨーロピアンスタイルを貫いています(笑)」
● アントス・ラファウ (アントストーキョー デザイナー)
欧州の著名メゾンブランドをベースに、2001年よりデザイナーとしての活動をスタート。イタリアやロンドン、それにアジア等でキャリアを積むなか、訪れた日本にて着物文化や日本の伝統に感銘を受け移住を決意。2019年に自身ブランドであるアントストーキョーを東京にて設立し、世界に向けてコレクションを発信する。
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