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2022.05.10

技アリ! プロの着こなしテクを拝見!【緑川庸平編】

毎シーズン出てくる新たなトレンド。ですが、どのように取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、独自のコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/多田 悟(Rooster) 構成・文/長谷川 剛(TRS)

春に注目したいコンビニットのこなし技

汗ばむような日差しもあれば、時折肌寒い風も吹く。そんなこれからの時節はアウター選びに苦労するものです。定番的には薄手のスイングトップとなるところですが、少々アタリマエな気がしないでもありません。

そこで大人スタイルの達人に聞いたところ、今季は断然「コンビニット」がオススメとのこと。アパレル系商社に勤める緑川庸平さんは、イタリアの名門ニットブランドを長年担当するプロフェッショナル。その達人がオススメするのですから、コレは非常に気になります。

そこで今回特別に、その注目アイテムの長所と着こなし方をおうかがいしてきました。
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エコ・スエードとニットの組み合わせが洒脱

ブルゾン5万2800円/グランサッソ(伊勢丹新宿店)
▲ イタリアを代表する実力派ニットブランドであるグランサッソ。歴史ある実力派が今季自信をもってリリースする一枚が、このコンビネーションニットです。逸品人工スエードと世界的にも評価の高いアルカンターラを取り入れているのがポイントです。ブルゾン5万2800円/グランサッソ(伊勢丹新宿店) 

そもそもコンビニットとはどういうものでしょう?

 「いわゆるコンビネーション・ニットウエアのことですが、私が今回オススメするのはニットとアルカンターラを併用したジップアップブルゾンです。アルカンターラとはハイテク・スエードのブランド名。世界トップクラスの質感を誇る先進素材であり、天然の裏革に負けないしっとりとした毛並みが大きな特徴です」
▲ ナチュラルな手触りはまさにスエード。ニットオンリーのカーディンガンと比べてリッチな存在感を漂わせます。
「私が今季プッシュするのは、そのアルカンターラと細編みのコットンニットを組みあわせた軽快な春アウター。袖や後ろ身頃はニット使いゆえに非常にしなやかで寛いだ着心地。前身ごろにはアルカンターラを配しており、リッチな存在感を兼備します。2つの素材を組み合わせているので、インナーやパンツがシンプルでも、しっかり着こなし感を演出できるところが特徴的。リアルレザーではなく、サステナブルな側面を持ち合わせているところも見逃せません」
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オレンジセーターでセンス良く彩りをプラス

▲ 全体的には淡いカラーでコーディネートしており上品な雰囲気。浮き立つ春の季節にマッチする装いです。ブルゾンは上と同じ。その他のアイテムは私物。
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そしてまず披露していただいたのが、カラーニットを下に着込んだ彩りあるコーディネート。

「着込むインナーはTシャツでも良いのですが、このコンビニットのリッチな雰囲気を生かすなら、やはり質感の高い薄手セーターとの合わせがベストです。アウターがクリーンな淡色ですので、インナーにはっきりしたカラーを取り入れることで、ぼんやり感のない筋の通ったルックスに仕上ります」
▲ 今季はカラーを取り入れた装いに注目が集まっています。緑川さんはブラウン系のなかでもオレンジ風味のあるカラーセーターをチョイス。ぱっきりしながらも大人の落ち着きとセンスの高さを感じさせる色合いです。
「非常にリッチでクリーンな印象がこのコンビニットのポイントです。もちろんジーンズでも成立するのですが、ここはカラーを揃える意味で、チノパンツのなかでも淡色モデルをチョイスしました。個人的には春の暖かい日の散歩などには、こういう恰好で出掛けたいと思っています」
▲ 足元として選んだのは、軽快な仕立てが特徴のカサノヴァのスエードスリッポン。ブラックではなくソフトな雰囲気のあるブラウンスエードというのが効いています。
また、ダークなアイテムを合わせてメリハリある装いが楽しめるところも、このコンビニットの良いところ。百聞は一見に如かずということで、緑川さんには、さらにもうワンコーデを提案していただきました。
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男っぽくもヌケ感あるボーダー柄の妙

▲ ブラックを取り入れたボーダーカットソーが個性を滲ませます。単に上品だけじゃないトレンドとエッジを兼ね備えたコーディネート。ブルゾンは上と同じ。その他のアイテムは私物。
「今シーズンはボーダーアイテムも話題となっています。とは言っても、等間隔ピッチの定番マリン系は個人的にちょっと食傷気味。そこで変化球的なボーダーアイテムをアレコレ探していたところ、こんな一枚に出合いました。ブラウンとブラックにホワイトを挟んだボーダーカットソーは、何というかレトロなサーフブランド風のルックス。カジュアルな要素をさり気なく取り入れる昨今のトレンドにもマッチした合わせとなるように思っています」
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▲ 今季再び注目を浴びているボーダー柄のアイテム。定番のマリントップスとはひと味違う、ブラックを取り入れた柄がハイセンス。
確かにこの季節にありがちなマリンスタイルとは異なる渋めの個性が感じられるコーディネート。そんな装いに合わせたパンツはなんとヴィンテージの一本。非常に感度の高い組みあわせですが、ボーダーのカラーとリンクさせているので、まとまり感は抜群です。

「このパンツは英国軍のオフィサーパンツ。全体的にゆとりあるフィットが今の気分にマッチする一本です。引き締め感のあるブラックですが、ヴィンテージゆえにそこまで堅い印象でないところがポイント。こういった装いに取り入れることで、男らしくありつつヌケ感あるルックスになると思います」
▲ 足元に取り入れたのは薄底で軽やかなスリッポン。しかもインナーやパンツに合わせたブラックカラー。小さめの金バックルなど、何から何まで洒落ています!
前出のオレンジニットのときはブラウンのスエードローファーを合わせた緑川さん。このボーダーコーデではブラックスエードのスリッポンを合わせています。

「アルカンターラのアウターに合わせて足下をスエードにするのはある種のお約束。また、軽快感がポイントとなる装いですので、グッドイヤーのオックスフォード靴などガッシリ系ではなく、軽く薄仕立てのスリッポンがマッチすると思います。このフェランテ ヴィアッジョの一足は、モカ縫いがパイピングかつ小さなバックル付き。軽妙な洒落感がコーディネートのテイストにマッチしているように思います」

● 緑川庸平 (グランサッソ セールスマネージャー)

大学を中退の後、学生時代から希望していたニット業界に就職。15年の経験を積み、イタリアを代表するニットブランドであるグランサッソの担当となる。編み物への造詣が深いセールスマネージャーとして複合的な販売スタイルにて販路を拡大。趣味はビールとワイン。最近はナチュールワインにハマり中。

■ お問い合わせ
伊勢丹新宿店 03-3352-1111

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