2019.07.01
1本3万円越えのネクタイが、売れに売れているってホント?
ノータイの季節ですが、1本3万円をゆうに超える高級タイが人気です。それがセッテピエゲと呼ばれる、伝統的なタイの製法を採用したもの。普通のタイと違って胸元にふんわり翻る様子に色気があり、スーツ姿が一気に華やぎます。ノータイの季節だからこそ、ここぞという場面はコチラを。誰よりもお洒落に装えますよ。
- CREDIT :
写真/蜂谷哲実 スタイリング/稲田一生 テキスト/池田保行(04)
スカーフのような“セッテピエゲのタイ”とは?
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一般的なネクタイは表生地に芯地を挟んで縫い止めますが、セッテピエゲは芯地を使いません。その代わり表生地を広い面積で使い、折り込んだ表地を芯地代わりにしています。
大剣や小剣裏にあるはずの裏地はなく、表地がひらひらしたまま。高価な表地を大量に使いますし、この折りたたむ技術が機械ではなかなかできないので、熟練した職人が1本ずつ手作業でしか行なえません。そのため本数を作ることができず、そのうえ作れる職人の数も減っていてスケールメリットが利かず、価格を抑えることが難しく、年々上昇しているとのこと。
そんな高価なセッテピエゲですが、ひとたび結んでみると、これが今までのタイとはひと味もふた味も違うことに気づくはずです。芯地がないぶん、ふんわりとスカーフのように軽く胸元に色気が漂います。それにセッテピエゲは折りたたむだけでエッジ部分をプレスしていません。そのためVゾーンにペタッと張り付くようなタイとは違って、ふんわりとロールした厚みで胸元の立体感が際立つのです。
近年、セッテピエゲの良さを見直すブランドも増えてきましたが、なかでも気を吐くのが「アット ヴァンヌッチ(Atto Vannucci)」です。日本人ディレクターが参加し、生地選びから剣幅、長さまで、締めたときに見映えするよう調整されています。また、イタリアのファクトリーで一本ずつ丁寧に作られています。色柄のセレクトは実にモダンながら、ヴィンテージ風のものまで揃えているので、多くのクラシック好きが魅了されているのです。
ノータイのビジネススタイルが全盛の今ですが、重要な商談やクライアントへのプレゼンなど、ココぞという時はやっぱりタイドアップが効果的。しかもVゾーンが変わればスーツ姿も見違えますので、今こそセッテピエゲのタイドアップが利く季節といえるのではないでしょうか。
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セブンフォールド社は、その名の通り「7つ折り」の意味でセッテピエゲの英語名。作れる職人が減ってしまった7つ折りのタイを復興すべく2011年に設立されました。他にはない質感と色柄がウケています。
いつものスーツのVゾーンもグッと軽やかに
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いま買えるアットヴァンヌッチのセッテピエゲ
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