2019.07.02
【結論】“高級”と言われるスーツは何が違うのか?
「ラグジュアリーブランドだから」、とか「単純に金額が高いから」という理由で“高級スーツ”と言われるわけではありません。原毛の段階からしっかりと管理育成された最高級の生地と、熟練した職人の手仕事が多用された仕立ての技術、この2つが揃って初めて“高級スーツ”ができ上がるのです。
- CREDIT :
写真/蜂谷哲実 スタイリング/稲田一生 テキスト/池田保行(04)
高級スーツは最上級の素材と、熟練した職人仕事の融合です
なかでも素材と仕立てはスーツの“格”を左右する重要な要素で、ウールのスーツなら羊のときから手をかけて育てた高級原毛だけを厳選し、高品質な糸に紡いで生地に織るまで万全の品質管理がされたものほど高級とされます。
仕立ての面では、ミシンを使って効率よく仕立てるより、熟練した職人の手仕事によって裁断され、ひと針ひと針丁寧に縫われたもののほうが、時間はかかりますが縫い目が柔らかく、着心地も柔らかく仕上がります。
このような素材と技術を融合させて作られたスーツは、その分の値段も高くはなりますが、見た目の高級感とともに着心地に快適さは格別です。双方とも実に希少価値の高いもの。まさに”高級”の名に相応しい一着となるのです。そんな高級スーツを生み出す、代表的なイタリアブランドをご紹介しましょう。
● おすすめのスーツ その1 「エルメネジルド ゼニア」
原毛から始まる高級スーツのサプライヤー

糸から生地、さらにメンズウェアのコレクションの製造までを自社で管理する一貫した体制をとっていることから、素材とスーツのクオリティバランスは絶対的に信頼できるといえるのではないでしょうか。
こちらのスーツは「15 milmil 15(クィンディッチ・ミルミル・クィンディッチ)」という、エルメネジルド ゼニアの生地コレクションのなかでも最高級ランクのメリノウールを使ったもの。
一般的に23ミクロン前後の原毛に対して、15ミクロンという極細繊維は、カシミヤのようにしなやかで高級感ある艶が浮き上がっていることがおわかりいただけますでしょうか。
エルメネジルド ゼニアの生地コレクションの中でも「クィンディッチ・ミルミル・クィンディッチ」は、極細の原毛から生まれる柔らかさと、独特のドレープ感が特徴的な最高級ファブリックです。
15ミクロンと極細の原毛を使った生地は、表面に上品な艶が浮き上がります。これがスーツに高級感を与えてくれる理由。ビジネスからフォーマルなシーンまで着用できるうえ、映画やステージ上での照明に当たった時の艶が違うと言われ、俳優やアーチストなどセレブリティの愛用されることも多いのです。
エルメネジルド ゼニアの生地コレクションの中でも「クィンディッチ・ミルミル・クィンディッチ」は、極細の原毛から生まれる柔らかさと、独特のドレープ感が特徴的な最高級ファブリックです。
15ミクロンと極細の原毛を使った生地は、表面に上品な艶が浮き上がります。これがスーツに高級感を与えてくれる理由。ビジネスからフォーマルなシーンまで着用できるうえ、映画やステージ上での照明に当たった時の艶が違うと言われ、俳優やアーチストなどセレブリティの愛用されることも多いのです。
● おすすめのスーツ その2 「キートン」
サルトリア・ナポレターノの粋を集めた結晶スーツ
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創業当初から最高級の生地を使えたことはもちろん、モデリストには腕の立つナポリ人の職人を採用したことから、キートンはナポリ仕立ての魅力がたっぷり詰まったコレクションとなっています。
一枚ずつハサミでカットされる裁断に始まり、芯地の据え付けから縫製まで着心地に関わる箇所は必ず手仕事を多用するため、ステッチはやわらかく着心地も軽く仕上がります。
ポケットのしつらえやボタンホールなどのディテールにまで手仕事は及び、一着のジャケットに係る職人は約150名。およそ150の工程を20時間掛けてようやく仕上がったスーツは、マシンメイドの大量生産の工業製品とは別格の仕上がり。店頭でぜひ実物を体感ください。
キートンとはギリシャ語で「聖衣」を意味します。優雅で軽く、羽衣のような着心地を表すブランド名なのです。
ボタンホールは手仕事で縫い上げられています。こちらは表側。糸目が揃っているので、まるで精密なミシンで縫い上げたかのようですが、糸目の分量がばらついた裏側を見れば、見える箇所にはとことんこだわるナポリ流の伊達心が伺えます。
ヘリンボーン織りのグレースーツはシルクを混紡したもの。キートンはその生地のほとんどが、エクスクルーシヴ素材となっていて、キートンのためだけにメーカーが織り上げた極上のものだけを採用しています。
キートンとはギリシャ語で「聖衣」を意味します。優雅で軽く、羽衣のような着心地を表すブランド名なのです。
ボタンホールは手仕事で縫い上げられています。こちらは表側。糸目が揃っているので、まるで精密なミシンで縫い上げたかのようですが、糸目の分量がばらついた裏側を見れば、見える箇所にはとことんこだわるナポリ流の伊達心が伺えます。
ヘリンボーン織りのグレースーツはシルクを混紡したもの。キートンはその生地のほとんどが、エクスクルーシヴ素材となっていて、キートンのためだけにメーカーが織り上げた極上のものだけを採用しています。
● おすすめのスーツ その3 「イザイア」
ナポリの職人仕立てとOEMで鍛えたモダンな感性の融合です
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この頃からイザイアに国内外のラグジュアリーメゾンから、自社ブランドのOEM生産の依頼が舞い込みます。イザイアは急激に規模を拡大するとともに、技術面をさらに向上させ、今日の礎を築いたのです。
ラグジュアリーメゾンのOEMを手がけてきた実績から、イザイアのスーツにはナポリ仕立てにとどまらない現代的な感性が滲みます。
たとえばこちらのモデル「グレゴリー」は、ブランドを代表する名品で、フォルムは構築的ですがナポリならではの軽い仕立てに仕上がっていて、どんな場面でも堂々としていられる一着。
撥水性を備えたオリジナル素材「アクアスパイダー」も、このブランドの先進性を表しているといえるでしょう。
イザイアの真っ赤なカラーは、ナポリを象徴する赤珊瑚の色。ブランド名に下に添えられた珊瑚のモチーフは、さまざまなところでデザインアイコンとしても使われています。
こちらもボタンホールは手縫いです。細かいところに気を使うのは、サルトリア・ナポレータノならではの所作なのです。
こちらの「グレゴリー」に使われている素材は、イザイアオリジナルの「アクアスパイダー」。撥水性とナチュラルストレッチ性を備えた機能性素材で、雨を弾き、突っ張らない着心地が快適です。
イザイアの真っ赤なカラーは、ナポリを象徴する赤珊瑚の色。ブランド名に下に添えられた珊瑚のモチーフは、さまざまなところでデザインアイコンとしても使われています。
こちらもボタンホールは手縫いです。細かいところに気を使うのは、サルトリア・ナポレータノならではの所作なのです。
こちらの「グレゴリー」に使われている素材は、イザイアオリジナルの「アクアスパイダー」。撥水性とナチュラルストレッチ性を備えた機能性素材で、雨を弾き、突っ張らない着心地が快適です。
■ お問い合わせ
イザイア ナポリ 東京ミッドタウン 03-6447-0624
キートン 銀座店 03-3573-6053
ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300