2019.10.26
香りによるシゲキが女性に効果バツグンな理由とは?
香りは目に見えないものですが、人の心に作用するパワーはすこぶる強力。そう、男女関係に香水を使わないのは、はっきり言って損なのです。そこで香りのプロフェッショナルに、モテる香水のアレコレを聞いてみました。
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文/押条良太(押条事務所)
香りの情報は第一印象よりもひと足早く脳に届きます
――答えは簡単、香りは視覚よりも早く脳に届くから――。
五感のうちで、嗅覚は脳の大脳辺縁系という情動をつかさどる部分に情報をストレートに伝えます。視覚や触覚といった他の感覚は、情報を合理的な思考をつかさどる大脳新皮質に経由させてから大脳辺縁系に伝えます。

一方、嗅覚の場合は、その過程を経ずに、いきなり大脳辺縁系へと伝わり、情動反応につながります。つまり、いい香りを嗅げば、頭で考えるよりも先にいい気分になったり、うっとりしたりするというわけ。そう、女性から好印象を獲得するには、視覚よりも先に脳に届く「香り」が効くというわけなのです。
香り選びのキモは「清潔感」と「ムード」です
「女性をその気にさせたい香りというと、セクシーな香りが思い浮かぶでしょう。ですが、価値観は人種や人によってさまざま。すべての人がセクシーに感じる香りは存在しません。
大切なのは、とにかく女性を『心地良い気持ち』にさせること。そのためには、まず清潔感が大切。欧米に比べて、日本人女性は男性に清潔感を求める傾向が強いです。なので香りに関しても、日本ではマスキュランで艶っぽい香りよりも、爽やかで清潔感のある香水の人気のほうが高い傾向にあります。
そして、シーンに合わせて使い分けることも肝心。男性は主に視覚的なイメージで性欲が高まりますが、女性はムードでその気になる生き物。だから、TPOに合わせて香りを使い分けるのが効果的です。夜のバーならバニラやムスクの香り、出社する際にはシトラスの爽やかな香り、という風に。香水はムードを演出するための最高の小道具といえるでしょう」
香水のパフォーマンスを100%引き出す方法とは?
「まず、覚えておいて欲しいのは、香水は肌につけるのが最も効果的だということ。香りの成分は体温によって温められ、ほんのり立ち上ります。たまに衣類に直接つける方も見受けますが、さりげなく香らせるには肌につけることをオススメします。
また、たくさん汗をかいている状態だと、汗のニオイ成分と混じってしまうため、汗を拭いて清潔な肌にしてからつけるようにしましょう。ワキの下など汗をかきやすく、体臭が出やすい部分も避けた方がいいですね」
香りのプロフェッショナルが指南する香水の正しいつけ方
体温も高い場所なので、香水をつけるには理想的なポイントです。つける量は1カ所に1プッシュが適量です」
1 控えめに香らせたいとき
「おすすめはウエストより下の、膝の内側や足首にワンプッシュずつ。香りは下から上にのぼる性質があるので、香りがほんのり立ち上ります。
映画館やドライブなど、二人の距離が近く、空間が狭いときなどに有効。和食やお寿司屋さんなど、繊細な香りを楽しむ場所にもぴったりです」
2 印象的に香らせたいとき
「肩や腰など上半身につけるのがオススメ。シャツを着る前に素肌につけておきます。
ウエストより下につけるよりも印象は強くなりますが、服がワンクッションになるため、香りが強くなりすぎる心配はありません」
3 体臭もケアしたいなら?
「清潔感を損なうような体臭はもちろんNGですが、どれだけ身体をきれいに洗っても、完全に体臭がなくなることはありません。私としては、香水の香りは個々人の体臭と混ざり合って、その人だけの香りになると考えているので、香水を楽しむうえで体臭にナーバスになりすぎる必要はないと思います。
ただ、体臭が目立たなくなるつけ方は存在します。それが香りのレイヤリング(重ねづけ)。香りのベールを重ねることで、より自然でまろやかに香らせることができる上に、長時間香りを楽しめます。
たとえば、フランスの「グタール」というフレグランスブランド。オーダドリアンというブランドを代表する香りには、シャワーオイルとボディミルク、オードパルファム、オードトワレのご用意があり、併用すれば、よりさり気なく香りを肌の一部にすることができるのです」

わかってる大人は香りの系統で香水を使い分けるのです
「香水はさまざまな香料が複雑にブレンドされているので、購入する際は店頭で実際に香りを試して選ぶのがオススメ。嗅覚は本能的なものなので、ビビッとくる直感が大切ですが、『モテる』という目的があるなら、香りの系統や、ベースとなる香りのエッセンスの特徴を知っておくと便利です」
では、古今東西の香りを知り尽くす星谷さんが勧める香りとは? トップメゾンの新作のなかから、モテの太鼓判を押す名香を選んで貰いました。
若々しくなら……
今、モテるのは花の香りがする男。メンズもフローラル系が新鮮です

たとえば、伝説的な調香師を父に持つベンジャミン・アルメラック氏が設立した、いま注目のフランスブランド「パルル モア ドゥ パルファム」の一本。天然のバラの香りを閉じ込めたエッセンスをベースに、パチョリを少々プラス。上品な華やかさのなかに野性味が感じられる香りに仕上がっています。
フローラルは女性にとってなじみ深い香りですから、親近感も感じてもらえるでしょう」
大人のスポーティには……
鉄板のシトラス系。若々しさの中に深みのある香りが狙い目

ベルガモットやネロリ、オレンジブロッサム、シダーウッドが奏でる芯のあるフレッシュなノートに、アンバーウッディやホワイトムスクが上品な色気を添えるブルガリの新作は、まさに理想の香水です」
セクシーなら……
ここぞ!という場面では、包容力を感じさせるエキゾチック系で

英国王室御用達ブランド、ペンハリガンの新しい香水などまさにそう。カルダモン、クミン、ブラックペッパーの刺激的でクールなスパイスに続き、穏やかなタバコ、パチョリの香りへ。
深みと温もり、それでいてちょっぴり危険なムードを漂わせる香りは勝負の夜に打ってつけです」
パルファム・ソムリエールとは?
カスタマーの香りのニーズに応え、豊富な知識と経験に基づいたコンサルティングを提供する香水のスペシャリスト。
日本フレグランス協会のフレグランス・セールス・スペシャリストの資格と3年以上の実務経験に加え、香水の歴史や製造の背景、香りの効用など幅広い知識が必要とされる。有名香水ブランドを多数手がけるブルーベル・ジャパン独自の資格。
●星谷奈央子(ほしや・なおこ)
幅広い知識と経験を駆使してパルファム ソムリエールとして活動する一方、トレーナーとして販売員の指導にも力を注ぐ。明るく親しみやすい人柄に加え、わかりやすいトークにも定評がある。
■ お問い合わせ
ブルーベル・ジャパン 0120-005-130
ブルガリ・パルファン事業部 03-5413-1202
ラトリエ デ パルファム https://www.latelierdesparfums.jp/