今も昔も、なぜファッション通の大人はウールリッチを選ぶのか？

日本の元号はまだ文政の頃、1830年のアメリカでウールリッチは誕生しました。いろんなものが発展途上だったこの時代、毛織工場だったウールリッチもご多分に漏れず、世の中のニーズに合わせて様々なものを手掛けてきました。
 
兵士たちが暖を取るためのブランケット、そこから発展したウール製のアウトドアウエア、いまやアメリカを代表するチェック柄になったバッファローチェックもウールリッチが作ったものです。そんな中で一番のヒット作といえば、やはり「アークティックパーカ」でございましょう。
 
もとは氷点下を下回るような極地で働く人たちのための防寒着でしたが、今ではファッションアイテムとしても愛用されているのは、やはり現代的なエッセンスが上手に加えられているからです。
 
アークティックパーカはもちろん、他の新作モデルも、オン・オフで兼用できる絶妙なシルエットと色使いになっていることを、ファッション通は敏感に察知しているのです。細かな部分まで現代的にアップデートされた“今どき”なウールリッチをご覧にいれましょう。

毛足の長いラクーンファーを採用した「アークティックパーカ TT」。TTとはトーンオントーンの意味で、つまりファーやボタン、ジップまでボディと色を合わせていると言うこと。それにより、ラグジュアリーな雰囲気が加速しています。

こちらは「アークティックパーカ NF」。そう、ノーファー。ファーがないモデルです。たったそれだけですが、違いは歴然。少しスポーティな印象も加味され、オンでもオフでも着やすいダウンになっています。

アークティックパーカはもともと、氷点下で作業するアラスカのパイプライン建設作業者向けのワークウエアとして登場したもの。この写真を見ると、そのスタイルがまったくブレていないのがわかります。

ウールリッチには欠かせないアイコンといえばバッファローチェック。フロントに大胆にその柄を取り入れたこちらは、その名も「バッファローウール パーカ」。袖と背面はキルティングナイロン、フロントのポケット周辺はラマークロスという異素材を使い分けています。

ウールリッチのデザイナーがバッファローの群れを飼っていたからという理由で名付けられたバッファローチェックは、ハンティング中のハンター同士の誤射を防ぐために考案されたもの。最初はウールのジャケットやシャツとして登場しました。

こちらはアークティックパーカなどに使われる60/40クロスの生地ではなく、ナイロン製のボディを採用。中空糸を使用した超軽量素材であり、DWR（耐水撥水）加工を施こされていることで、60/40クロスにそっくりの風合いを実現しています。

圧倒的な防水透湿性を持つゴアテックスを採用したコートの中ではもっとも丈が短く作られており、スタイリッシュな雰囲気を獲得。細部のデザインにも仕掛けがあり、より都会っぽく仕立てられているのが好印象です。