23歳女子がデートに誘われ“YES”と言ってしまう男の着こなしとは？

イタリア・フィレンツェで開催されたメンズの世界最大の展示会ピッティに23歳コムスメエディターが突撃取材してまいりました。そこには洒落者がズラリ。ついつい、こんな男性とデートに行きたくなっちゃあうな〜なんて思っていると、メンズファッションを知り尽くしている小誌・石井編集長から喝を入れられました。

吉川　もうこの人は私のイチオシの方なんです！　見た瞬間、思わず声をかけてしまったくらい最高にお洒落でした！ 

石井　お洒落だなってどこで感じたの？　具体的には？

吉川　えーっと……。　全体的なバランスですかね！

石井　また話がざっくりだなあ〜(笑)。いや分かるよ、俺もパッと見てお洒落だなと思った。お洒落かどうかって人の好みもあるし、ムードのことも指すからね。ただ俺がこの人に思うのは、まずコートのチョイスがいい。良い素材だなとひと目でわかる光沢とタッチ、ドレープと、何よりこの丈の長さだよね。カジュアルなのにエレガント
に見えるのは、間違いなくこの丈の長さだよね。

さらに言うと、タートルネックの合わせもウマい。では、なんでこの合わせがカジュアルダウンに繋がって居ると思う？

吉川　あれれ、なんでだろう。

石井　着丈が短ければカジュアル、長ければエレガントというのは方程式のようなもの。これは覚えておいて。で、今度はこの人のタートルのニット。ミドルゲージの少し厚手のものでしょ？　糸の話でいえば、細ければ細いほどエレガント、太ければカジュアルというのも方程式。だから例えばこの人がピタピタのハイゲージのタートルだとよりエレガント方向に見えるんだよ。でも、恐らく今の気分だとやり過ぎだと思ってミドルゲージにしたんじゃないかな。ちょっとカジュアルでリラックスして見える。赤い靴下の合わせは、この人の余裕の表れってところかな。

吉川　なるほど〜。同じアイテムでも、糸の細さや丈の長さ次第で他人にとっての見え方が変えられるのはファッションの楽しいところでもありますね。

石井　おっ！　PTのディレクター、ドメニコ・ジャンフラーテ。

吉川　ヘアの白い感じと全体のブラックコーデ。"自分"の使い方がすごいウマいなって思いました。

石井　服は黒の"ワントーン"ね。

吉川　全身黒でも靴がちょっとツヤっとしているところとかもなんか良いなって。

石井　黒アイテムでまとめてるのだけど、さっき吉川が言ったみたいに素材がそれぞれ異なる黒だということがお洒落度を上げているよね。特に、自然光で見た時にその違いがハッキリわかるんだよな。一番分かってるなあと思うのは、自分の顔と特徴込みでスタイリングを考えているところ。黒ぶちメガネに白髪って彼の特徴でしょ？　それを引き立てる黒だよね。カジュアルだし、不良っぽくてもどこか知的に見えるというね。

吉川　ドメニコさんが見せてくれた異なる素材で組み合わせるワントーンコーデは、男性だけでなく女性にも使えるポイントですね！　私もさっそく取り入れちゃお〜っと。

吉川　この人も記憶にしっかり残ってます！　今回のピッティは、世界的に暖冬の影響か、あまり寒くなかったんですよね。それをしっかり踏まえたうえでの重すぎずの着こなしがウマいな、と。

石井　この人をひと言で表すと"ワイルド系カフェラテコーデ"。 ラテカラーとは、白からブラウンにかけてのあいだの色を指した造語で、LEON発信なんだけれども、この色使いは絶対品良く見える。だからグローブやムートンのライダーズ型のベストとか、ワイルドなアイテムが、まんまワイルドに見えないんだよ。

じゃあなんでラテカラーが上品に見えると思う？

吉川　素材のクオリティが分かりやすいカラーだからですか？

石井　うん。それもハズレではないね。俺の個人的な考えでもあるんだけど、例えばカシミアの原毛の色ってさ、ラテカラーの幅に収まるんだよね。服飾文化の歴史の中で最高とされてきた天然素材の色を彷彿させるから、やっぱり品良く見えるよね。

吉川　リッチかつ品のいいバイカースタイルって、なんとも大人!　ぜひタンデムお誘いされていです〜。