脱スニーカー! と思ったら、デッキシューズに注目すべき、その理由

スニーカーの快進撃はまだまだ続きそうですが、その一方で、ローファーやスリッポン、ドラシュー系などのカジュアルなレザードレス靴がじわじわと人気です。カジュアルなコーディネートの引き締め役として、足元にレザーの革靴というのが使えるんですね。

なかでも注目されているのがデッキシューズ。革紐のシューレースをトップラインにぐるりと回すデザインがトレードマークのこちらは、本来は波しぶきに濡れたヨットの甲板で履ける、すべりにくいラバーソールのモカシンシューズなのですが、これがいま海外のウェルドレッサーを中心に、いまどきなラグスポ＆ラグカジに合わせやすい！と人気なのです。
 
実際、スニーカーよりもグッとドレス感を増してくれますし、ローファーよりも気軽なデザインなので、断然汎用性が高いというワケですね〜。世界の洒落者が揃うイタリアのピッティ会場をはじめ、ウェルドレッサーの中にはスーツに合わせる猛者もいて、聞けばいまどきの注目靴の筆頭株なのだそう。

しかも今季のデッキシューズは、海の潮の香りというより、カラーやフォルムなど都会的なところも、着回しを考えると嬉しいポイント。というわけで各社こぞってデッキシューズをリリースしているのでピックアップしてみました。ぜひご賞味いただければ幸いです。

パラブーツの定番デッキといえば、この「バース」。オリジナルのマリンソールはグリップ力に優れているので、船のデッキの上はもちろん雨にも強いと評判です。アッパーは水濡れに強いリスレザーのモデルが有名ですが、こちらは鹿革を採用したモデル。シボ革の見た目が表すとおり、くにゃくにゃとやわらかく屈曲性も抜群ゆえ、素足履きしたときにとっても気持ちいいんです。何よりオールブラックな顔つきが都会的でシブく履けそうです。

イエローブーツなどタフなアウトドアギアのイメージあるティンバーランドにもデッキシューズの名品があるんです。それがこちらの「クラシック ツーアイ ボートシューズ」。1978年の誕生以来、伝統的な手縫いのモカシン製法を受け継ぐモデルを、今回はホワイトレザーにアレンジ。このマットな質感がどこかモードっぽくもあり、今っぽい顔つきですね。

イタリアの本格靴ブランドとして人気のサントーニもデッキシューズをリリースしています。メインライン譲りのスマートなドレス顔で、スクエアトゥの細身ロングノーズ。アッパーのレザーはつま先からグラデーションカラーになっていて色気がたっぷり漂っております。それでいてホワイトラバーソールのソフトな履き心地はスニーカー気分。ラグジュアリーな大人カジュアルにぴったりですね。

1935年に世界で始めてデッキシューズを生み出したが、こちらのスペリートップサイダーです。今年はその生誕85周年ということで、シュータンとインソールに「85」が記されたアニバーサリーモデルが登場。定番モデルより格上の素材を使い、ラテックスアウトソールを採用することでグリップ性とともに柔軟性も向上させています。インソールもクッション性・通気性・防臭性に優れるオルソライトインソールで快適に履けますよ。

細身でスタイリッシュなスリッポン作りに定評あるフェランテがデッキを作ったら、予想通りスマートなフォルムに仕上がりました。ロングノーズのセミスクエアトゥ、シューレースのアイレットに鳩目を用いないところがドレスっぽさを引き立てていますよね。こんなドレッシーな形なら、船の上より、街履きとして、クリース入りのウールパンツに合わせて上品にきこなしたいところですな。