【海外スナップ】いま、お洒落なイタリアオヤジが注目するスタイルとは？

「ピッティ イマージネ ウオモ」というドレスを楽しむ展示会にて、近年台頭してきたテクニカル素材やＴシャツなど。クラシコを標榜するブランドたちもそうしたモノづくりの革命や変遷を経て、いま再びたどり着いたのがテーラーリングを軸にした大人のエレガンスであると、LEONは見ました。

快適であることが重んじられる昨今ですが、ストレッチ性やストリート流れのオーバーサイズで楽さを追求するのではなく、生地の選びやパターンでコンフォートを実現する、いわゆるテーラーリングの基本的思考でモノづくりをするブランドが多く見られた印象です。

ドレスアイテムをいまの目線で優雅に、軽やかに演出する作り手と、それを伝える多くのバイヤーやエージェントたちの装いを見てもわかるように、ドレスという抑制のなかにある色気を、いまの軽やかさを残したモノづくりで脱力してみせているのです。

オヤジさんの身体のラインを美しく見せてくれるテーラード仕立てのひざ丈ロングコートが久しぶりで新鮮！ ピッティ会場をはじめ、ミラノの街並みでも今季もっともよく見られたスタイルでした。

おなじみドメニコさんは、細ラペルのひざ丈チェスターコートをジレTの上からサラリと羽織ったスタイル。これだけで、男らしい色気が漂う見た目に。ポイントは、やはり流麗なシルエットかと。大人の品格をも放つ、ジャストすぎず、オーバーすぎない選びが◎。

ひざ丈ロングコートの着こなしの多くは、色味を統一したスタイルでした。上のオヤジさんはネイビーのコートにネイビーのタイドアップスタイルを合わせて。色味の数を極力抑え、トーンを統一することで大人の品格が漂う、色っぽいスタイルが完成するワケなのです。

同じく、上のオヤジさんも、淡〜いブラウンコートの色味を拾ったコーディネートで統一。

メタルボタンのダブルブレストのひざ丈コートは、ドレスアップしすぎると将校っぽくなってしまう危険性あり。こんな風に同系色のモノトーンでまとめ、襟を立ててレザーの襟裏を際立たせれば、こなれ感とオトコの色気が演出できるのですね。白髪のセミロングヘアとヒゲとが相まって素敵！

ピッティにタイドアップスタイルのジェントルマンが戻ってきました。スーツをジャストサイズで着つつ、柔らかな雰囲気を演出するのがキモ。

上のグレーストライプのスリーピースのオヤジさんは、タッセルローファーとレザーベルトのGMTマスターで、柔和なニュアンスを演出。

上のオヤジさんは、ベージュのエレガンテなスーツを、Vネックのニットとキャップでカジュアルかつこなれた雰囲気に。

ナポリの若手を代表するウェルドレッサーとして知られるニコラ・ラダーノさん。グレーのスーツにダブルブレストのコートのクラシックなスタイルですが、ウエスタンベルトとタイの色をターコイズで統一した小技が効いていますね。

● 【現地レポート】 2023年秋冬、イタリアのお洒落はどうなる？

● イタリアのお洒落の達人が、デニムスタイルに仕掛けた“ちょいテクニック”