おウチでのリラックスタイムにアートを着て欲しい
そのご本人と、起用のきっかけをつくったプロデューサーでありファッションスタイリストの小倉正裕さんにインタビューしました。
── 今回のジェラート ピケ オムのダイナソーコレクションのアーティストに、KAZUSA MATSUYAMAさんが起用された経緯を教えてください。
小倉正裕さん(以下、小倉) 僕は以前からアートとファッションや音楽の融合をしたいと思っていました。今回ジェラートピケ オムの方から「新しいコレクションで起用するアーティストを探している」と相談され、ご紹介した中からKAZUSAさんが選ばれたんです。初めてKAZUSAさんと出会ったのは確か2年くらい前、六本木での展示会で。作品も人柄も本当に素晴らしくて凄く感銘を受けてしまい、出会ったその日に「一緒に何かしたいのでちょっと相談させてください」と言っていました(笑)。その後僕の『ギャラリーの中にギャラリーをつくる』プロジェクトの第一回目に参加していただいたんですが、それも大好評でした。
── KAZUSAさんは突然の申し出に驚きませんでしたか。
KAZUSA MATUYAMA(以下MATSUYAMA) それまで実はなかなかうまくいってなくて、その時が自分としても勝負の個展でもあったのです。ありがたいことに本当にいろんな方が来てくださったんですが、その中に小倉さんがいて、声をかけていただけて。こういう時ってその場だけの話のことも多いと思うんですが、小倉さんはその時からずっと今までサポートしてくださっています。今回の企画もご提案くださり、ありがたいの一言に尽きます。
── KAZUSAさんの魅力はどこにありますか。
小倉 彼の絵は今の東京、いや日本、アジアの雰囲気をよく表現しているなと思います。ファッション性が高く、Y2Kファッション(2000年代の流れを汲んだファッション)の流れも感じますね。そして温かくてどこか懐かしく、部屋に飾りたくなる雰囲気を持っている。ファッションに転化しやすい面があることも、今回のコラボにつながった要因ではないでしょうか。今後新しい現代美術の流れを作っていく人だと思っています。
MATSUYAMA ありがとうございます。僕は自分作品の中に、人物と共に必ず、おもちゃだったりレコードだったりといった小物を描くんです。一緒に描かれた小物からも作品のストーリーを想像していただけたら、という思いがあって。
今回のダイナソーコレクションのティラノサウルスは、以前小倉さんの企画の時に描いた絵の中にいたティラノサウルスを発展させたものです。男性が着る商品なので、無邪気な様子ややんちゃな一面も、恐竜の表情で表現できればと思ってデザインしました。
小倉 コロナ禍で家にいる時間が多くなった影響から、生活にアートを取り入れる人が増えました。ホームウェアとアートのコラボは、アートをより身近に感じ流きっかけになると思います。メーカー側のデザイナーさんも、キャラクターの持つ特性と素材の特性がぴったり合うように、商品としての表現をしてくださっています。
MATSUYAMA ファッションに取り入れていただけたことで、今までアートに触れてこなかった人がアートに興味を持つ、そのきっかけになれたとしたら、自分としてはとてもうれしいです。
小倉 ステラ・マッカートニーが奈良美智さんとコラボしたり、村上隆さんがいろんなブランドとコラボしたりと、これまでも著名なアーティストがファッションとコラボする企画はありました。その流れは新世代のアーティストたちにもあり、彼はその筆頭になっていくのかなと思っています。
話題のファッションビルに初のジェラート ピケ オム専門店が登場!
■ ジェラート ピケ オム 東京ミッドタウン八重洲
住所/東京都中央区八重洲2丁目2-1 1F
TEL/03-6262-6615
営業/11:00~21:00
● KAZUSA MATSUYAMA
アーティスト/1992年東京都生まれ。表情の歪みや抽象的な描写によって、表面的な喜怒哀楽だけではなく本質に潜む美しさを追求する「Anonymous
Portraits」(匿名性のある肖像画)シリーズを描く。一つひとつの作品から観る人によって違う感じ方や捉え方、想像の余地を残す描写で表現している。近年では日本、米国、韓国、台湾での個展開催・アートフェアへの参加に加え、Rolls Royceイベントへの作品提供など、活動の幅を広げつつ、国内外を問わず活躍している。6月10日(土) - 6月24日(土)に、品川のMU GALLERY にて個展を開催予定。
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● 小倉正裕
プロデューサー、ファッションスタイリスト
ファッションとアートを軸にスタイリングやプロデュースなどを手掛ける。近年はファッションブランドのアーティストコラボレーション企画プロデュースサポート、 ART展示キュレーションを行う。実体の無い移動ギャラリー。ギャラリー中にギャラリーを作るプロジェクトを始動。
2023も様々な企画を予定中。
Instagram/@oggyogubone