2023.08.06
寺島進が着る、“いなせ”なオトコのスタイル PART3
時代のエッジを凝縮させたモードスタイルには、大人の色気とエレガンス、そしてファッションの楽しみがつまっています。そんなモードのポテンシャルを、著名人が華麗に披露するこの連載。第6回目のゲストは、強面だけどその瞳の奥底に優しさがにじむ、いぶし銀俳優、寺島進さんです。
- CREDIT :
主演/寺島 進 写真/前田 晃 スタイリスト/久修一郎 ヘアメイク/Hanjee 文/安岡将文 編集/高橋大(LEON.JP)
大人なモードの遊び方 第6回 主演 寺島 進
“いなせ”なオトコ PART03「ハレとケ」
いつもはラフな着こなしでも、ここぞという日にはビシッとキメる。そんな心意気も“いなせ”には欠かせないですよね。
ドレスコードが、曖昧になりつつある今だからこそ、オンオフをしっかり使い分けられることの意義が大きくなっているわけです。
俳優・寺島進さんを迎えて、三回に渡ってお送りしてきた「モードの遊び方」も今回が最終章。
現代の“いなせ”なオトコの装いをとくとご覧あれ!
ETRO
最高にセクシーな一着をさらりとこなす
で、一見すると落ち着いた印象のライトベージュのこちらは、しっかりとドレス的ですが、実は抜け感もある一着。
素材はジャカード織りによる総柄がさりげなくあしらわれたストレッチウール。微妙な凹凸を見せる生地は、スポットライトに当てれば浮き上がり、ダウンライトの下ではとっても色っぽい。
オトコのハレの装いには艶は大事ですよね。
そんな一着をちょいラフに着流すのが“いなせ”なオトコの流儀です。
DIOR
とどのつまり、いつだって自分らしくあるべき
で、ケとはいっても最上級な逸品をさらりと纏う。これこそが大人の粋なのであります。
上質なムートンとパディングライナーをレイヤードしたこちらのアウター。フライトジャケットのディテールを備えながら、砂漠からインスピレーションを経たカラーパレットを披露する今シーズンのディオールらしいニュートラルなカラーリングが、抜群に上品な一着。インナーにはTシャツをさらりで、あくまでデイリー感を。
ラグジュアリーなムートンをラフに着ることで、より魅力を堪能できるというわけなんですね。
■ interview
そもそもこの世界は色んな個性を持ったヤツらが沢山いた方が面白い
様々な役を演じてきた中で、見えてきたものとは。そして、今後役者として、オトコとしてどう生きてゆくのかを聞いてみました。
── 単身アメリカに行かれるなど、思い立ったら行動しないと気が済まないタイプ?
「若い頃はね。今はどうかな。でも、一人旅をするのはいいことだと思う。気の向くままに、すべて自己責任で。知らない異国の地で出会った人と交流したり、食べたことのないものを食べたり、空気を吸うだけでも感じ取れるものが色々あるから」
「俺たちの世代とは、人付き合いの感覚がだいぶ違うよね。先輩の酒でも、断るのが今は普通でしょ? まぁ、俺は断りそうなヤツはハナから誘わないけど(笑)。俺たちの世代は、先輩から飲みに誘われたら、そりゃあ嬉しくてね。先輩たちの飲みっぷりを見ながら、俺もいつかは銀座に高級車で乗り付ける役者になってやるんだって思ったもんだよ。今はそうじゃないんだろうね。でも、それでいいと思ってるよ。今は個性の時代だし、そもそもこの世界は色んな個性を持ったヤツらが沢山いた方が面白いじゃない」
── 寺島さんの夜遊びの流儀を教えてください。
「いなせなオトコってのは、綺麗に遊ばなきゃダメなのよ。あと、貧乏くさいのもダメ。貧乏はいいのよ、でも貧乏くさいのはダメ。例えお金がなくても、ビシッと構えてなきゃ。もちろん、やたらに見栄を張れってわけじゃないよ。美学を持てってこと。たまに、行儀の悪い飲み方して週刊誌を賑わせてるヤツらがいるけど、あんなの本当に情けないよ」
── 寺島さんが女性が口説く時って、どうするんですか?
「なにを聞いてんだよ(笑)。まぁ、そうだなぁ、ストレートに好きだって言うかな。回りくどいのは、面倒だろ」
── これからやってみたいことはありますか?
「かつて松方弘樹さんが演じられていた、遠山の金さんをやってみたいかな。松方さんは、単に役としてだけじゃなく着物の着こなし方ひとつとっても、ちゃんと自分のものにしてらっしゃるんだよね。俺は殺陣をきっかけにこの世界に入ったから、いわば原点回帰的な意味もある。自分なりの遠山の金さんを演じてみたいかな」
「子どもが独立したら、また一人旅やってみたいかな。スポーツカーかバイクに乗ってさ。一人荒野をかっ飛ばすのもいいかもね」
● 寺島 進
1963年、東京都生まれ。1986年に松田優作監督の「ア・ホーマンス」で映画デビュー。北野武監督の映画では数々の作品に出演し常連となる。
映画「おかえり」(篠崎誠監督)、「空の穴」(熊切和嘉監督)、「幸福の鐘」(SABU監督)などでは主演を務め海外でも高い評価を得ている。
ドラマでは「アンフェア」など話題作への出演が続き、2023年は大河ドラマ「どうする家康」で好演する。また自身が主演を務める「駐在刑事」は今も続く人気シリーズとなっている。
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