西野亮廣が着るバーバリー「憧れのブランドは大人になったいまだから、着る喜びがある」

1856年の創設以来、代名詞のトレンチコートを始め、ファッション史に残る数々のヘリテージを世に送り出してきた英国の老舗バーバリー。「プローサム＝前進」を旗印に掲げる革新のブランドが、新たなチーフ・クリエイティブ・オフィサーに迎えたのは、モードを牽引するダニエル・リー氏。デビューとなった今シーズンは、ブランドのヘリテージや原点にあるアウトドアをカラフルな色使いで表現。これまでのロゴデザインを刷新し、アイコンの「馬上の騎士」を再解釈したことも大いに話題を呼んでいます。

「僕の知らないバーバリーでしたね」

そう切り出したのは、今回モデルを務めたキングコングの西野亮廣さん。芸人や絵本作家としての活動に留まらず、ジャンルを横断しながら常に“前進”を続ける西野さんのスタンスは、新生バーバリーのフィロソフィーとも重なります。

「バーバリーといえば、トラッドでちょっと真面目な印象でしたが、これまでのイメージが覆されました。実はずっとバーバリーの小物を愛用していて、今使っている財布も３代目。全身バーバリーは初めてなので緊張しましたが、いざ着てみると色使いもポップで、めっちゃ可愛かったです」と今回のファッションシューティングの感想を笑顔で伝えてくれました。

創業者のトーマス・バーバリー氏が100年以上前に考案したアイコンのトレンチコートも、大幅にアップデイト。その他、多くのアイテムについては、ブランドのヘリテージにリスペクトを払いつつ、ダニエル・リー氏らしい大胆な色使いを効かせたデザインで、程よい抜け感とエッジを加味。モダンで洗練された大人のためのウエアが揃っています。

コーディネートの主役は、言わずと知れたヘリテージトレンチ『ケンジントン』。英国キャッスルフォードの自社工房で織られた生地を使い、熟練の職人が仕立てる一着は、まさにトレンチコートの王道。さっと羽織るだけでキマる美麗なシルエットが実にエレガントです。今季からボタンやバックヨーク、D管などのディテールに加え、素材もアップデイト。軽量で防水・通気性に優れたギャバジンの特徴をさらに進化させ、シワになりにくくハリのあるオーガニックコットンのギャバジンを採用しています。インナーのGジャンでさり気なくカジュアル感を足しつつ、無造作に巻いたチェックストールが大人の可愛らしさを演出します。

バーバリーを代表するもうひとつの名作アウターが、カーコートの『カムデン』。トレンチと同じくオーガニックコットンの艶黒ギャバジンで仕立てたコチラは、フロントはラグランショルダー、バックはセットインスリーブ仕様に。ミッドレングスで軽快に着こなせます。ライニングと襟裏には、アイコニックなバーバリーチェックを。きれいめに着こなすのはもちろん、ダークブラウンのワークシャツとパンツのセットアップでカジュアルダウンしても粋。鮮やかなイエローのストールや「馬上の騎士」からインスパイアされたゴールドの金具が輝く『ナイト（knight）バッグ』でアクセントを。

新たにバーバリーのシグネチャーカラーとなった鮮やかなナイトブルー。チェックのフリースフーディーは、西野さんも一番のお気に入りアイテム。キュートなフワモコフリース素材にしてトラッドなチェック柄というギャップが大人の遊び心を感じさせます。ゆったりとしたオーバーサイズに加え、立体感のあるフードが顔まわりを包み込んでくれるので防寒性も抜群。大容量のショッパートートやシックなウールブランケットで、アーバンピクニックを楽しんでみるのもありですね。

リラックスフィットのボマージャケットは、ダークグリーンを基調としたチェック柄をフィーチャー。ウール混の布帛で仕立てているものの、中綿入りなので真冬でも暖かく着られて、カーキの無地とのリバーシブル仕様ゆえ、着こなしの幅も広がります。背中には「馬上の騎士」を描いたタグがあしらわれ、後ろ姿でもさり気なくアピール。コットンポプリンのシャツのテールをチラリと覗かせつつ、ダークグリーンのニットジョガーパンツでリラックスしたコーディネートに。

ウールツイルのテーラードコートは、ウエストを高めの位置で絞ったマスキュリンなシルエット。シンプルなデザインながら、フロントボタンの位置を中心から少しだけ右にずらすなど、英国らしいさり気ないツイストが効いています。端正なアイテムだからこそ、フーディニットでカジュアルに着るのが大人ならではの余裕。小脇に収まるスマートなスリングバッグは、「馬上の騎士」が持つシールドをふたつ折りにしたモチーフ。ビッグベンの鐘をイメージした大きなベルがとってもキャッチーです。

英国トラッドの流れを汲みつつ、随所に効かせた鮮やかな色や斬新なシルエット、機能的なディテールで、今の気分を表現した新生バーバリー。「今回はトレンチコートだけではない、いろんなバーバリーに出会えて、とても新鮮でしたね。特にカラフルな色使いやカジュアルな素材が印象的で、もっとバーバリーを知りたくなりました」と西野さんもすっかりファンに。

最先端のモードでありながら、あくまでもキメすぎにはならず、どこか優しいニュアンスで着こなせるのは、バーバリーのチェック柄がもたらす効能なのかもしれません。ファッションを遊べる大人にこそ似合うバーバリーのこれからに、ますます期待が高まります。