極上素材の気持ちよさを知っている【後編】

ビジネスやフォーマルな場で着用する機会が多いドレス系のファッションなら「お金を使うのもわかる」とご納得いただけるかもしれません。けれども人には日常という時間があります。オフというか休日ですよね。そういったシーンではできるだけリラックスしたいもの。では、どのようなお洒落が正解なのでしょうか。

つーか、正解なんてないのですが、リラックス＝心地よさである、と考えた場合、それは自ずと極上素材に辿り着くのではないでしょうか。デートならばもちろんのこと、誰に会う用事もないオフの日、楽ちんばかりを優先していたのでは大人の品格というものに欠けます。いや、楽がダメなのではなくて、気持ちよさとルーズは紙一重ですよ、ということ。

その問題を解決してくれるのが、極上素材を使ったカジュアルなアイテムです。ドレスのような気合の入り方を感じさせずとも、あたかも「いつも愛用していますよ」みたいなニュアンスが漂うため、これはとっても便利。しかも着ている自分も心地いい、でもって素材の良さは見た目にも表れますから、周囲に対する気遣いもばっちり。ゆえにカジュアルにお金を使うことが、モテるお洒落へとつながる、というわけです。

気持ちよさというのは感覚であり、数値では表現できないもの。だからこそ、モテるお金の使い方としては、カシミアであろうと、ウールであろうと、極上素材にこだわった逸品を選ぶべきである、と推奨しているのです。その点、ロロ・ピアーナの驚くほど細いウールを編んでつくられた「ザ・ギフト・オブ・キングス®」のカーディガンはカシミアよりも繊維が細い優美な肌触り。湿気を逃がし、余分な熱を吸収する力もあり、肌に対して最高の柔らかさ、そして優しさを発揮してくれます。もちろんルックスの艷やかさ、リッチ感もたっぷりです。

これ見よがしなアピールは、相手も引いてしまいがち。「それ、どこのニット？」と質問されてこそ、はじめてうんちくを語るのが「わかってる男」かと。こちらのニット、ムッシュ ディオールがコレクション会場でナポレオン3世に用意された籐編み椅子から、着想を得た「カナージュ」というモチーフとなっています。ふんわりと柔らかいカシミア100%の上質なニットに、さらに歴史の重みが加わればリッチで上品なニュアンスも醸せます。