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2024.11.11

プロの着こなし拝見! スタイリスト村上忠正の秋冬コーデ【夜編】

結局男の装いは、「気になる」「気にしてもらえる」かどうかが大事です。一瞬の出会いでも「あ、なんか素敵!」と思わせたらコチラのもの。そこで本誌を代表する「気になる男」作りのエキスパートたちを特別にスナップ。モテ・スタイルを常に考えてきた達人が作るデイ&ナイトの着こなしは、絶対にアナタも気になること確実!

CREDIT :

写真/田中駿伍(maettico) 編集・文/長谷川 剛(Table Rock Script)

定番柄だから印象的でありつつも派手すぎない

ストライプのダブルジャケットが新鮮にして男っぽさを感じさせる夜のスタイル。定番的でありながら、独自の艶っぽさで人目をグイッと引き付けるところはサスガのテクニック。
▲ ストライプかつネイビーのダブルジャケットが新鮮にして男っぽさを感じさせる夜のスタイル。王道でありながら、独自の艶っぽさで人目をグイッと引き付けるところはサスガのテクニック。
新時代の男子にとって大事であるのは、しっかり個性を伝えきること。自分らしさをキチンとアピールし、受け入れてもらうことが大事です。

平均点的なフワッとした「好評」だけでは、どうしても人の記憶に残りません。少々のクセやアクがあったとしても“なーんか、また会いたいかも?”と思わせる言わば「アク評」を残すことが、その次に繋げるポイントとなるのです。

そう、いかに「気になる男」を構築し日常的に実践するかで、より良い明日が決まるのです。とは言え「アク評」ってナニ? と思われる方も多いでしょう。そこで本誌を代表する「気になる」スタイル作りの名手たちに、お手本スナップを見せていただきました。
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本誌のリーダーである石井編集長を皮切りに、お次に取材をお願いしたのがスタイリストの村上忠正さん。LEONを始めとするファッション誌やタレントのスタイリングを長年続けているベテランです。

そんなスタイリング仙人が見せる第二回目のスナップは、非常に男クサくも「気になる」夜間の装いがテーマ。成熟した男クサさが匂い立つタイルは参考になること確実です。

頻繁なSNSのスナップ投稿でも知られる村上さん。カジュアルからタイドアップまで、スタイリング投稿のバリエは多岐にわたります。しかしその真骨頂は、トラッドスタイルに独自のセンスを加えた色気あるコーディネート。そして今回ご紹介する「夜」スタイルは、そのエッセンスをわかりやすく凝縮した大人のジャケパンスタイルです。

「“夜間の装い”ということで、ネイビージャケットを軸にダークなスタイルを組んでみました。今なら紺ブレなんかもトレンドですが、そちらはどうしてもトラッドテイストが強くなりがち。今回想定したのは、夜にパートナーと連れ立ってレストランに出掛けるような気軽なシチュエーション。ですのであまり形式張らず、着流しつつもどこか男らしい装いを心掛けました」
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ダブルのストライプジャケットはエムズブラック。ニットポロはトゥモローランドのオリジナル。そしてパンツはGTA。シューズはジャコメッティのサイドゴアブーツ。LEON本誌でもお馴染みのブランドがチョイスされています。
▲ ダブルのストライプジャケットはエムズブラック。ニットポロはトゥモローランドのオリジナル。そしてパンツはGTA。シューズはジャコメッティのサイドゴアブーツ。LEON本誌でもお馴染みのブランドがチョイスされています。
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今ではジャケットも非常にバリエーションが豊富。なかでもストライプジャケットというのが新鮮ですが、そこに意図はあるのでしょうか?

「最強の汎用ジャケットと言えば無地のネイビーです。しかし、それだと印象的なスタイルが作りだしにくいもの。とは言えチェックジャケットでは着こなしによってはカントリー要素というか、シャープさに欠けたルックスになりがちです。そこへいくとストライプ柄は都会的でありつつ非常にスマート。パキッと印象に残りながら、しかし伝統的な定番柄なので、変にはしゃいでも見えません」

渋味は十分だけど軽く羽織れるアンコン仕様

エムズブラックのダブルジャケットはアンコンの軽くソフトな仕立て。はっきり強めのストライプ柄と、ヒップ下までカバーするレギュラーレングスが特徴です。
▲ エムズブラックのダブルジャケットはアンコンの軽くソフトな仕立て。はっきり強めのストライプ柄と、ヒップ下までカバーするレギュラーレングスが特徴です。
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確かにストライプは、誰もが知るドレス服の定番パターン。上下揃いで着てしまうと派手さが先行する“はっきりストライプ”も、ジャケット単体だとシックかつさり気なく印象に残るもの。そして中に着込んだインナーはニットポロ。プレーンな無地ブラックが渋味を静かに引き立てます。

ニットはしっとり感を生むハイゲージがお約束

黒無地のポロニットはウールのハイゲージ。こういった装いには、しっとり感がセクシーさに繋がる細編みのハイゲージニットが最適です。
▲ 黒無地のポロニットはウールのハイゲージ。こういった装いには、しっとり感がセクシーさに繋がる細編みのハイゲージニットが最適です。
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「レストランと言ってもかしこまった会食でない場合、布帛のドレスシャツではなくカジュアルなニットポロがオススメです。ニットゆえにラクチンだし襟付きゆえにジャケットスタイルとの相性も抜群です。ニットポロは動きやすいので、気軽なジャケットスタイル用に、何種類か揃えておくと便利です」
GTAのウールパンツは細身ながら腰回りやワタリ部分にゆとりのある2プリーツ仕様。ベルトループのないサイドアジャスター式がドレッシーなスマートさを主張します。
▲ GTAのウールパンツは細身ながら腰回りやワタリ部分にゆとりのある2プリーツ仕様。ベルトループのないサイドアジャスター式がドレッシーなスマートさを主張します。
そのニットポロに合わせてパンツも同系色のブラック。2プリーツのスラックスはやや細身のシルエットです。昨今は太めがひとつのトレンドとなっていますが、やはり細めが良いのでしょうか?
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「いや、太めのパンツも悪くはありません。実際に僕も履いています。しかしこのやや着丈のあるジャケットとスマートなストライプ柄を生かすという意味では、細身パンツがハマる気がします。また、細みといってもこの一本は2プリーツ仕様。腰回りや腿のワタリ部分に適度なゆとりがあるので、ストレスなくリラックスした履き心地なのです」

シンプルな無地のパンツはウール製。ドレープ感と光沢が大人の夜間行動をスマートにフォローします。そして装いの要となるシューズは黒革のサイドゴアブーツ。ここでもポイントはシューレースなしのスッキリ感。足先まで流れるようなスムーズさが自然な色っぽさを演出します。どこかにアクセントを作って気を引くのではなく、流れる水のように徹頭徹尾滑らかであるのがポイントです。

ヒモなしブラックブーツでスマートに色っぽく

スマートなラスト(木型)に加え、シングルソールを配したジャコメッティのサイドゴアブーツ。大人のナイトスタイルはやっぱり革靴。シンプルですがシックかつエレガント。
▲ スマートなラスト(木型)に加え、シングルソールを配したジャコメッティのサイドゴアブーツ。大人のナイトスタイルはやっぱり革靴。シンプルですがシックかつエレガント。
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「このジャケットやパンツでなければ、ブーツでなくレースアップのオックスフォードを選んでいたかもしれません。また、フォーマルな席を意図した装いであれば、その場合も別の靴となるでしょう。すべてのチョイスはバランス次第。そしてどのバランスがベストかを決めるのは、着る人の経験とセンスによります。だから、僕の組み合わせが常にベストというワケではありません。試行錯誤を繰り返して、それぞれの最良を見つけることが大切です」

さすが数限りないトライ&エラーを繰り返した達人のお言葉です。にしても渋味溢れるストライプジャケットを用いつつ、ここまでスマートであるのは熟練のバランス感があればこそ。自分の着こなしは自分で作り上げる。それがお洒落の楽しみだとベテランスタイリストは考えているのです。
村上忠正(スタイリスト)

● 村上忠正(スタイリスト)

1969年、東京生まれ。21歳の時、当時スタイリストであった鈴木卓爾氏に師事しその後独立。メンズファッション誌やタレント、広告等でのスタイリングを中心に活動する。特にメンズの成熟したドレスコーディネイトテクニックに定評あり。昨今は谷原章介氏のスタイリングを手掛けるなど、多忙を極めつつもSNSにて自身のコーディネートをアップし好評を博す。

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